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東京ダービー傾向~南関世代頂上決定戦~

6月3日(水)に大井競馬場に開催されるS1東京ダービー<ニューイヤーズデイ賞>(2000m 3歳限定)の傾向になります。

毎年その熱が増していく地方競馬界だが、南関東競馬のダービーがいよいよ開催される。「ただの地方レース」だろと思う方もいるかも知れませんが1着賞金4200万円と中央競馬のG3クラスに加えてダービージョッキー、ダービートレーナーの称号を獲得できる年に一度のチャンスは地方、中央どちらも共通。

今年は絶対に負けられない馬がいたり、2年ぶりの的場騎手の参戦など注目点が多いがまずはその傾向を探っていく。

枠順

コース解説

2000mは施行自体が数少ない大井競馬場の特殊コース。地方馬同士の重賞でも東京ダービーや大井記念などに限られる。

それ以外ではジャパンダートダービー、帝王賞、JBCクラシック、東京大賞典といった中央馬との激突に使われることがメインとなるコースのため非常に格式の高い施行条件ともいえる。

東京ダービー傾向・特徴

大井2000m種牡馬別成績(2015~)

ほぼ参考記録。地方移籍後そのパフォーマンスが注目されてきたコバルトウイングの父クロフネ産駒は1800mはギリギリ数字を残してきたが2000mまで来るとさすがに厳しい傾向が出てきている。

騎手別傾向(過去10年)

中央へ移籍をした戸崎騎手以降は同一騎手による連覇はない。羽田盃を制しこの舞台へコマを進めた山崎騎手が勝利をするとこれ以来の記録に加えて、管理する岩本調教師は昨年のヒカリオーソに続く同一調教師による連覇という偉業がかかるレースとなる。

そして騎手別傾向で忘れてはならないのが大井の帝王的場騎手の存在。

デビュー以来多くの南関東のタイトルを総なめにしてきた大ベテランだが未だにこの東京ダービーの制覇には至っていない。しかし東京ダービー通算37回の騎乗で2着10回を記録しながらも勝利に至っていないというのは有名な話。そして昨年は怪我や持ち馬の関係から参戦すらならなかった。(的場騎手がダービーに騎乗しないというのは1991年以来のことだった。)

今年は羽田盃を人気薄も5着と好走したモンゲートラオでの参戦となるが果たしてその偉業達成となるか?

その他には今年は吉原騎手がコロナウイルスの影響で参戦できないなど例年と異なる点も多いので注意が必要。

人気別傾向(過去10年)

配当別傾向(過去10年)

人気別でみるとわかる通り比較的上位人気が信用に応えやすいレースの一方で配当別で見ると非常に難解なレースといえる。

過去10年で4回馬券に絡んでいる6番人気や9番人気馬による勝利など様々なケースが起こる。

昨年は圧倒的1番人気だった羽田盃馬ミューチャリーが2着に敗れ勝利したのは3番人気のヒカリオーソ、3着に2番人気のウィンターフェルという一見すると簡単そうな結果でも3連単は7590円と高めに決まっている点からも意外と難しいレースという事がわかる。(これに関しては後述で解説するとある理由もあるが)

枠番別傾向

圧倒的に外枠が有利な傾向がデータとして表れて対照的に内枠の数字が悪い。これは以前の大井記念の際にも解説したが2000mレースというのは基本的には前半はゆったりと入り後半になるにつれ仕掛けていくため外から捲れる馬や進路を確保しやすい馬が有利になる傾向があるのが一因となる。もっとも大井競馬場はその時その時のトラックバイアスで傾向が変わりがちなので一概に外枠が絶対に良いとは言えないところがあるのが魔境と呼ばれる由縁でもある。

大井2000m枠番別傾向(直近1年)

馬券に絡みやすいのは内枠で勝ちやすいのは外枠と数字がくっきり分かれている。

1枠であれば距離ロスなく運べるという利点はあるがペースが上がって外から被されまくるのがこの時期の馬にどう影響がかかるか?というのも3歳戦では事情が異なるという点も考慮しないといけないのが厄介なところ。

天気

トラックバイアスに大きく影響を与える天気についてだが月曜日が終日で雨、火曜日が晴れ、当日が晴れという予報となっている。

この場合だとパターン的には火曜日は外差しが決まりやすく馬場が回復するにつれ内が有利になっていく傾向があるので当日の馬場状況を見ながら最終見解を出すとよいかもしれない。

追記

当日は朝から良馬場で快晴。馬場が重い、軽いの言い訳は出来ない状態でのレースが出来そう。

その他

 ① 血統と調教師がつくるドラマ

羽田盃2着からの参戦となるブラヴールを管理していた佐藤賢二調教師は2020年の5月1日に突如この世を去った。

この馬の父セランは地方重賞を数多く制覇した名馬、母チャームアスリープは浦和桜花賞、東京プリンセス賞、関東オークスと牝馬3冠を達成した名馬なのだがそのどちらもを管理していたのが佐藤賢二調教師であった。

佐藤賢二調教師の管理馬は2017年、2018年と東京ダービーの制覇も達成しておりそのノウハウの元で育て上げられた最後の一頭が果たして偉業達成となるかが注目となる。

② 前走羽田盃組の相性と特例ケースの勝利

中央馬のクラシック同様に前走強いところでやった馬たちが基本的には好走する傾向がある。別路線組の東京湾カップやクラウンカップ組というのはこのレースに何としても出るために使われている背景からデキ落ち敗者復活戦組という位置づけゆえに一線級相手では力及ばずの敗戦になってしまうケースが多い。

ではそれ以外のケースではどのようなことがあったのか?このうちの2勝についてだがこれは例外といってよい。

1つは昨年のヒカリオーソ。この馬は3月に開催された羽田盃の前哨戦にあたる京浜盃のレース中に鼻出血を発症して羽田盃を回避してこの舞台へ挑んでいただけで力は備わっていた。(京浜盃後に主戦だった現情報商材販売者の瀧なんとか寿なんとか騎手が引退で鞍上交替などゴタゴタしてしまったのも昨年嫌われた一因にも繋がった)

もう1勝は2016年のバルダッサーレ。こちらはなんと中央競馬のダート路線から突如南関東へ移籍してその初戦にこの舞台を選び勝利をするという特例ケースだった。これについては後に大きな問題となり昨年よりルールが改正される運びとなったのは有名な話。

東京ダービーに関しては地方競馬での賞金がない馬の出走が不可能になった現在では事情が異なるという事を認識する必要がある。

シルクレーシング所有のコバルトウイングが京浜盃に合わせて地方へ移籍して賞金を加算したのちにこの舞台へ挑んできた背景もこのルール改正の影響が大きい。

以上の傾向から挙がる候補馬

コバルトウイング(矢野)

2走前に地方競馬へ移籍した中央所属馬。

前走の羽田盃は初のナイターと京浜盃からの100mの距離延長などが堪えたのか最後は完全に失速する形での敗戦となっただけに更に距離延長に持ちこたえることが出来るのか疑問こそ残す。しかし、前走で見切られ人気が落ちるのであれば配当妙味を考えて入れておいても良い一頭(逆に考えるとまだ人気をするようなら危険な人気馬にもなる)

シルクレーシング所有のノーザンファーム生産場と一線級の素質を持ち地方へ移籍してきただけに結果をそろそろ残しておかなければいけない一頭。

ゴールドホイヤー(山崎)

雲取賞を勝利すると充分に休養を挟んだ前走羽田盃では能力を全開に出し切り快勝。元主戦だった騎手がいかに下手くそだったかをこの2戦の吉原騎手、山崎騎手の技量で証明する形となっている。

この馬は吉原騎手がの騎乗するチャンスを今年はコロナウイルスで逃した形での棚ぼた乗り替わりという事を考えると昨年のヒカリオーソとどこか事情は似ている。

騎手、調教師共に連覇がかかり馬も2冠がかかるこの舞台は注目。

ブラヴール(本橋)出走取消

上記の特集でも触れた佐藤賢二調教師が管理をしていた南関東競馬の血が凝縮された一頭。

羽田盃の前哨戦にあたる京浜盃を勝利し前走も2着と結果を残してのこの舞台への参戦となるが原則的に京浜盃、羽田盃で好走した馬というのは東京ダービーで好走するケースが高い。

管理が佐藤雄太調教師に変更になったことで調整過程にどのような影響を与えたか未知数ではあるがどこかドラマ要素が強いこの馬はやはり注目したいところではある。

傾向まとめ

① 血統的傾向は特にない。その馬の能力と距離適性があるかないか

② 山崎騎手、岩本調教師それぞれの連覇がかかるレース

③ 佐藤賢二調教師が遺した最後の大物がドラマを演出?(出走取消)

④ 外枠有利レース。ペースが上がる後半が勝負のカギを握る。

以上の傾向を基に予想をしていきます。よろしくお願いします。

推奨馬

16 ブラブール(本橋) 2番人気(もしかすると1番人気)

※ 出走取消

大外枠からの発走にはなってしまったがどの枠から出ても行き脚がつかずに後ろからの競馬になってしまう追い込みタイプの馬なので相手を見ながら前半は競馬をしていき後半からペースが上がる可能性が高い大井の2000mであれば人気の中ではこの馬を今回は本命に推したい。

父は大井記念(2600m時代)や東京記念(2400m)など大井競馬場の長距離重賞を総ナメにした距離適性とコース適性を搭載。中央馬相手には東京大賞典の4着、帝王賞5着といった実績も残した(今でいうモジアナフレイバーのような存在)。母チャームアスリープも傾向で触れた通り南関東牝馬3冠達成=中央馬に関東オークスに勝利という地方競馬向けTHE良血馬。

前走はスローペースになってしまった1800m戦ではあったがしっかりと後方から追い込んできた脚は確かで前年の勝利馬ミューチャリーほどではないがタイプとしては距離が伸びても問題なくこなしてくれるだろう。

前走後の佐藤賢二調教師(以下 佐藤賢二さん)の急死後はオーナー様の意向で騎手時代の兄弟弟子でもある楠新二厩務員がいる佐藤裕太厩舎を希望したことからこの厩舎への移籍の運びとなった。

楠木厩務員は生前の佐藤 賢二さんとは長年の付き合いだったこともあり今回のレースへ向けてはやはり並々ならない気合を感じる。

レース前コメント

 「まだ手探りですが能力の高さは感じますね。よく食べてよく寝て育ち盛りで、体が増えていても問題はないと思います。兄貴(佐藤賢二調教師)と隆之(石崎隆之元騎手)とで3兄弟だったから、ずっと家族ぐるみの付き合いをしてきて本当に仲がよかったです。前の日まで元気だったから信じられませんが……。きっと応援してくれていると思います」(楠厩務員)。」

クラブ馬が少なく外厩制度も中央ほど盛んではない地方競馬ならではの厩舎やオーナーの横の繋がりがやはり今回のレースでは実ってほしいと思う部分もある。

最終追い切り

前走羽田盃最終追い切り

競馬のスタイル同様やはり前半の入りは悪いが後半になるにつれて一気に加速すると同じくらいのタイムでまとめることができた。前走からの上積みは期待薄だが厩舎移籍のごたごたや環境の変化を考えると状態の維持が出来ただけでも成功と言える。

不安点

昨年のミューチャリーがいい例だが後半になっても悠長に構えて前を捕まえきれないでヒカリオーソに逃げ勝ちを許したような展開や馬場状態だったとき馬券外にならなくとも勝ちきれない可能性はある。また前半から逃げた馬が飛ばしていきハイペースになるのもあまり歓迎ではない。そうなればここまで行き脚のつかない馬の場合は余計な脚を前半で使う事で後半に余力を残しにくいという脆さもある。

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この馬の素質の高さは間違いない一方でこの馬以外の馬次第で簡単に崩れる脚質面というのは諸刃の剣かもしれない。

・・・という話だったがまさか取り消し(´;ω;`)ウゥゥ

これにより本命変更です。

新 本命

9 ティーズダンク(笹川) 4番人気

全日本2歳優駿3着、京浜盃3着、羽田盃4着と勝ちきれないが現実に実力馬たちに結果を残している辺りは門別馬といえる。前々走で騎乗していた赤岡騎手がコロナウイルスの影響で騎乗できなくなった前走から笹川騎手がコンビを組み始めただけにコンビ2戦目の今回は上積みにも期待が出来る。

1番人気濃厚のゴールドホイヤーは距離適性や調教過程を考えると一本被りをするなら少々危険。馬券内を狙いに行くなら一番可能性が高く鞍上の今年の躍進を考えるとそろそろダービー制覇も狙えるためこちらから入りたい。

本来この馬は押さえの評価だったが本命以外での印をつけた馬の中では一番勝算と馬券内の確率が高いと見ていた馬なのでゴールドホイヤーの1本被りを考えて配当妙味から本命まで押し上げた。

対抗

5 コバルトウイング(矢野) 5番人気

京浜盃2着から前走距離延長であっさり底を見せた時点で本来見切るべき一頭ではあると思うのだが前走で初のナイター競馬を経験したこととこの中間はノーザンファーム天栄に再度放牧されて調整を積んできたことを考えると少し粘り強く買い続けるしかない。

坂を登る力とある程度距離を走れる馬でないと辛い中山競馬場の1800mで実績のある馬だけに2000mの平坦コースで砂の軽い大井であればこなせる素質と底力くらいは備わっていてもおかしくはないだけにどうしても見限れない点もある。

前走では想定してたよりはるかに人気を背負ってしまったが、今回は恐らく上位馬たちとは少し離された人気でのレースとなるのでマークもされにくく競馬もしやすい点では大井を知り尽くしている矢野騎手の一発も期待できる。

今回は色々な背景がある東京ダービーゆえにシルクレーシング、ノーザンファーム生産馬の元中央勢が勝利!とでもなると昨年以上の興ざめ展開になるだろうが本命がドラマ満載ならこっちはTHEアンチという意味でも真逆の位置にいる馬ともいえる。

不安点

血統別でも解説した通りだがクロフネ産駒に大井の2000mは明らかに長い。前走以上に見ごたえのないレースになることは重々承知している。

そもそも地方競馬に移籍してきたのはいいが地方競馬の砂が合わないという可能性も否めない。個人的な考えではあるが中途半端に芝を走れるタイプの血統になればなるほど地方の砂が合わないと感じる。

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直前で人気が上がるようなら危険な一頭にもなりかねない。あくまで妙味があればという点も強い。

3番手

11 ゴールドホイヤー(山崎)1番人気

雲取賞→羽田盃の連勝から大井での適性を証明し前走は吉原騎手からの乗り替わりにも関わらず山崎騎手があっさりと対応したのもやはり技術とこの騎手の勝負強さといったところだろう。

山崎騎手は元から腕は確かなのだが皆さんご承知の通りやる気のなさと八百長絡みで一度干されたことからどうしても嫌われがちになる。(昨年は特にあの瀧川寿希也からの乗り替わりということでこの馬が勝つことだけは元鞍上、現鞍上どちらの意味でも白けると言われていたほどだった)

そんな個人的な感情はさておき・・・馬は先行も差しも自在にできるという点では評価できるのだが今回はブラブールを本命にした以上はある程度前で競馬をしたときに巻き込まれる想定を組んだことから少し評価を下げた。

また調教も前走と比べるとやはり軽い

前走

今回

雲取賞からじっくりローテを開けた前走は東京ダービーを逆算しての内容だと見ていたが今回調教を軽くしたところを見るとでき落ちの可能性も否めないところ。そして状態が落ちて最後無理だと思えば止める鞍上なので信頼しきれない面もある。

馬の素質と鞍上の腕は高いので今回は相手の1頭まで。

押さえ

6 モンゲートラオ(的場) 6番人気(ただしあくまで単勝人気)

羽田盃では人気薄のこれといった実績はない馬ながら5着と突然好走した。矢野、藤本騎手で結果が出なかったにも関わらず的場騎手で結果が出たということは手が合う可能性が高い。

この中間の攻め馬は的場騎手が「俺が攻め馬に乗らないと勝てないから」徹底的に担当。かつてほどの豪快さは失せてしまい成績が低迷している的場騎手ではあるがやはり東京ダービーでは一発があり経験値だけでは他の誰よりも別格という点では押さえておきたい。

別路線組が不振になりがちな東京ダービーという点でも羽田盃からしっかりと充電を置いてここに合わせてこれたのは実績が薄い馬ながら評価できるポイントでもある。

最終追い切り

13 ブリックオドーン(水野) 7番人気

ノーザンファーム生産馬でデビュー時から御神本騎手が騎乗を続けてきた一頭。前走の東京ダービートライアルでは水野騎手が鞍上で同距離を経験し快勝しておりこれまでの評価を考えればこのレースで激走があってもおかしくはない一頭。

特に京浜盃は大井競馬場でまったく活躍できなかったミシェル騎手が騎乗したり2走前の雲取賞は位置取りが後ろ過ぎたことを考えれば他頭数でどれだけ前で競馬が出来るかはわからないが天才水野騎手なら何かあってもおかしくはない。

距離も違う、コースも違う、間隔も短い、その重賞を獲得することに全力だった別路線組よりは一発がありそうな一頭。

買い目

単複

9

ワイド

9-5.7.11.13

上記が自分で買う馬券

3連系を買う人向け(今回は不測の事態のためお勧めしない)

9-5.6.11.13-5.6.11.13

最後に

昨今またnoteの買い目を改竄した人気予想師が発覚しました。誠に残念な限りです。

このnoteに関しては一切そういうことがないように常に行いクリーン過ぎる予想を目指しています。ゆえに印通り買っても当たらない時もあれば本命がどこかへ消えていく時も多々ありますが皆さんのお声や期待に少しでも応えられる予想が出来るように努めてまいりますので今後ともよろしくお願いします。

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