レディジョセフィン系統
Lady Josephine レディジョセフィン
競馬史上最強の牝系。
母に快速馬レキシントンのクロスを持ち、競馬界にスピード革命をもたらした。
産駒への影響が凄まじく、この血を持っていいない馬を探すのは不可能に近い。
どれくらいヤバいかわかりやすく言えば、ノーザンダンサーも、ミスタープロスペクターも、サンデーサイレンスも、レディジョセフィンの影響を受けた馬である。
以下血統図はおもに牝系図であるものの、牡馬を挟む場合がある。
その場合は馬名横に牡馬と記す。
産駒傾向は驚異的なスピード以外は細分化されるため、系統図のみ記す。
Fair Trial フェアトライアル
概要
フェアトライアルはイギリスのマイラーで、現代ではダンジグ(母母父父)やリファール(母父父)の血統に見ることができる。
特に日本ではリファールの影響が大きく、リファールを持ったディープインパクトやハーツクライ、ダンシングブレーヴの血統表からフェアトライアルを受け継いでいる。
特性
・硬質な走りでピッチ走法
・小脚が使えるのでマクリに強い
・ピッチでマクれるので小回りに強い
日本では特にリファールクロスを持ったときにフェアトライアルが覚醒しやすい。
その中でも、フェアトライアルを内包したトニービンとリファールを持ったハーツクライは、よりフェアトライアルを発現しやすい。
Mumtaz Mahal ムムタズマハル
父ザテトラークの影響を多分に受け継いだ名馬。父譲りの驚異的なスピードと柔軟性で「空飛ぶ少女(Flying Filly)」と異名がつくほど。
早熟スプシンターで、2歳戦とスプリント戦は負けなしの一方、マイル以上では1回も勝てなかった。
牝系の発展は筆舌し難く、直系ならずともその影響力は果てしない。
サンデーサイレンスやノーザンダンサーのスピードの基といえばその異常さがわかるだろう。
特性
ザテトラーク譲りのスピードと柔軟性。
欧米ではパワーを足して発展。
日本ではキレを足して発展していった。
産駒で特性的に一番近いのはナスルーラで、ナスルーラや父のザテトラークを刺激すると柔らかくスピードに富む産駒になりやすい。
Mahmoud マームード
マームードとは、すなわち日本競馬である。
それくらいの超重要な血統。
直系では無いものの、特に日本への影響の大きいレディジョセフィン系。
英ダービーを驚異的なレコードで勝ったスピード馬。
ナスルーラ3/4同血で、ナスルーラと同様にザテトラーク×ムムタズマハルのスピードを伝えた。
直系では残っていないものの、牝系に入って爆発的な成績を残した。(アルマームードの項を参照)
日本人に馴染み深いところで説明すると、サンデーサイレンスのスピードとキレの基になっていると言えばわかりやすいか。
特にヘイロー産駒にマームードクロスは超ニックス。
上述のサンデーサイレンス(4×5)に加え、
グッバイヘイロー(4×5)
デヴィルズバッグ=グロリアスソング(4×4)
サザンヘイロー(4×5)
など、ヘイローと言えばマームードと言って良いレベル。
これはヘイローの4代父ロイヤルチャージャーの母サンプリンセスとマームードがほぼ同血に理由を見いだせる。
共にムムタズマハル牝系であり、現代にスピードとキレを伝えている。
またマームードはナスルーラの母とも3/4同血で、マームードをイメージしづらい場合はナスルーラ的な印象でも良いかもしれない。
マームードの影響を多大に受けたサンデーサイレンス。その影響を多大に受けた日本はマームードの国と言ってもいいだろう。
更に、娘であるアルマームードを経た系統は、今後競馬が続く限り永遠に残りつづける。
Almahmoud アルマームード
「近代競馬はこの馬を起点に広がった」
娘ナタルマがノーザンダンサーを産み
娘コスマーがヘイローを産んだ
更に代が下っても、ナタルマの牝系からデインヒルやマキャベリアン、バゴなども輩出。直系の近年の活躍馬では、レモンポップも6代母がアルマームードである。
特にデインヒルやマキャベリアンはコスマー×ナタルマの半姉妹クロス(母アルマームードのクロス)を持っており、両馬の爆発的なスピードはアルマームード、引いてはマームードに見ることができる。
また、必然的にサンデーサイレンスとノーザンダンサーを配合すると、アルマームードクロスが誕生する。
もちろん現代では血統表の奥深くに眠ってしまったので、単純にサンデー系×ノーザンダンサー系がニックスとは言えないが、シュヴァルグランのようなアルマームードを刺激する配合を見つけられたら買いであると言える。
ノーザンダンサーとサンデーサイレンスのスピードの質は異なるが、基は同じであると言うことがよく分かる。
血統の真髄の一端ではないだろうか。
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