朝日杯FS回顧(今後の予想に向けての重要な要素を紹介・解説)

今年の朝日杯FSは、ドルチェモアの無傷の3連勝での戴冠、上位人気3頭での決着と久しぶりに順当な結果のGⅠとなりました。とは言え絶対的な存在の馬が不在で予想は難しかったと思います。
ドルチェモアの勝因は?
次走以降の注目馬は?
この2点を中心にレースを振り返りながら考察していきたいと思います。

レース当日の天候は晴れ。馬場も良好で先週の阪神JF同様好時計が期待できる状態でした。前日及び当日の芝レースを見る限り、先行内有利の傾向が続いていましたので、内寄りの先行馬が狙い目でした。
ただ1600m以下に良績のある先行馬が揃っていたので、平均よりやや早めで流れる可能性も想定されました。時計もややペースによっては先行内有利とはいえ、後方待機の馬にもチャンスが出てくる非常に展開の読みづらさがあったかなと思います。

~ドルチェモアの勝因は?~
1、能力
2、枠

1、能力
2歳馬はまだ戦歴が浅く、他馬との能力比較が非常に難しいです。今回比較出来るのはデイリー杯2歳S組でしょう。ドルチェモアが勝ったサウジアラビアロイヤルカップの3着馬シルヴァーデュークとの着差が0.6秒差。そのシルヴァーデュークが出走したデイリー杯2歳Sでは勝ったオールパルフェと0.4秒差、ダノンタッチダウンとは0.3秒差と、展開やコースの違いがあれど、単純比較で行けばこの2頭には先着出来る計算になります。そして余力の部分ですが、ドルチェモアは秋の東京開幕週で、先行有利の馬場ながら大逃げをうったグラニットを捉えて、映像を見るとゴール後も延びていて余力が感じられた。一方オールパルフェも明らかな失速はなく余力は残していた。ダノンタッチダウンの直線の切れ味は素晴らしく、余力も十分感じられた。その中でオールパルフェは、デビューから全て逃げ切りの戦歴から、2番手以降の位置取りになった場合にパフォーマンスを落とす可能性が考えられるため、過剰評価は危険なタイプ。ドルチェとダノンは甲乙つけがたいが、前残りを想定するならドルチェモア、後方差し想定ならダノンが連軸と考えるのが一般的かと推測されます。その他の馬では1戦1勝のレイべリングも前走で余力十分、調教の動きも上積みが感じられ魅力十分の1頭でしたが、一気の相手強化で読みづらい面がありました。
他の馬と比べて不安要素が少ないドルチェモアの総合力及び安定感が、レースに生きた格好となりました。

2、枠
一番の勝因は枠に恵まれたということだろう。戦前から内の先行有利という馬場状態から考えてこれ以上ない枠。1、2着馬が共に外寄りだったことも奏功した。ラップを見ると最後粘りはしたが失速している上、タイムもペースと馬場状態から考えると平凡と思えるが、直線は強めの向かい風が吹いていた為、先週の阪神JFの勝馬より0秒8遅いが時計以上に評価して良い内容。2000mまでは距離が伸びても対応できそうな感じがします。

~次走以降の注目馬は?~
★オオバンブルマイ
もともとスタートの良い馬だが出負けが致命傷になった。若駒は今までのレースと違うパターンの競馬になった時に惨敗する馬も少なくないが、相手強化の中、直線は後方からかなり差を詰めてきており、敗戦にはなったが馬にとって良い経験になったと言える。近親の成績や血統背景からマイルまでがベストだろうが、2000mまではこなせそう。

★コーパスクリスティ
道中は掛かり気味。この速いペースで掛かるのだからスピードに特化した馬なのだろう。外枠も不運。活躍馬を多数出しているスカーレット一族で距離の融通は利く血統だが、この馬の場合現状一番良いパフォーマンスを出せるのは1200mだと思う。距離短縮なら次走買い。

一口メモ
◎2歳馬は成長期です。レースごとに様々なことを学び馬体も成長していきます。調教内容から以前よりも走破時計が速い、馬体が毎走増加している、厩舎コメント等から上積みを推測できます。そのヒントに気づけることができれば、高配当ゲットのチャンスが広がります。

◎レースを予想する上で”風向き”を考えるというものがあります。
向かい風だとスピードが乗りにくく、追い風だとスピードが乗りやすい。これは人間で考えても同じです。今回の朝日杯は西北西の風で約6.0m/s。阪神競馬場は西風が吹くと直線は向かい風、よって向こう正面は追い風です。基本的に直線向かい風だと差し馬に不利と言われていますので、より前有利の馬場だった可能性があります。そう考えるとダノンタッチダウンは向こう正面で内の中団にいた為、あまり追い風の恩恵を受けられなかったにも関わらず、向かい風を諸に受ける外に出して追い込んできたと考えれば、レース内容として負けて強しの内容だったと考えることができます。
レースの結果から風向きの要素を調べることで、更なる能力の比較が可能となりますので皆さんも是非組み込みましょう。以下に競馬場別での風向き等が分かるサイトを見つけました。また風向きはgoo天気のアメダス風向・風速(例として兵庫県リンクを貼ります)で調べられますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
近畿 兵庫のアメダス 風向・風速 - goo天気
【競馬】風の影響、風向と風力を競馬予想に組み込む | 競馬予想チーム Team.D 【競馬ソフト CrossFactor】 (team-d.club)

いかがでしたか?
結果を振り返ることで、次の予想に繋げていくことが重要です。もちろん勝因や敗因は一つではありませんし、色々な要素が組み合わさっています。多くの知識やパターンを知りそれらを組み合わせて考えることで、より競馬が面白くなります。
この分析によって得た知識によって、あなたの競馬脳が少しでも進化したのであれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?