見出し画像

【関屋記念2024】ジュンブロッサムが『禁断のローテ』で関屋記念3勝の戸崎騎手と重賞制覇に挑む!出走馬徹底考察!

皆さんご機嫌いかがですか。中崎です。
8月11日(日)に新潟競馬場で行われます「関屋記念」に出走予定の注目馬について、血統分析、アビリティ分析を中心に「関屋記念」への展望をお伝え致します。
関屋記念を十分に楽しむためにも、各馬の考察は事前知識になりますので、是非最後まで御覧いただければ幸いです。



◆血統傾向について

今年の関屋記念は例年通り、新潟芝1600mでの開催となります。
新潟芝1600mはワンターンで、向正面のスタート位置から3角の飛び込みまでの距離が548mと長く、前半のペースは比較的流れやすいコースレイアウトになっています。
3~4角のコーナー角度は他場と比較をしてもタイトですが、下り坂になっているため、減速することも、加速することもあります。
外回りコースのホームストレッチは、ほぼ平坦の659mの直線となっており、日本一長い直線コースのため、3~4角から仕掛けるような展開はほぼほぼ発生しません。
直線でゆったりと加速をしても十分に間に合うため、1F10秒中盤~10秒後半のトップスピードの高さを持っている馬が強みを生かせる舞台設定です。

ということで、2019年以降の新潟芝1600mで行われた関屋記念と、先週の新潟芝コースで行われたレースを中心とした血統分析を行い、今年の関屋記念で好走するために重要な血統を3つ挙げさせていただきます。

Danzig持ち/関屋記念の血統傾向
Haloクロス/関屋記念の血統傾向
トニービン持ち/関屋記念の血統傾向

今回の3つの血統は、ぞれぞれ一つ一つが大変重要な血統ですので、関屋記念に限らず、新潟芝のレース、特に1600m、1800m、外回りの2000mで有用性がありますので、ぜひ参考にしていただけばと思います。
それでは、この血統傾向を参考にしつつ、注目馬の考察をしていきたいと考えております。


◆サクラトゥジュール

◇前走回顧

前走のレース回顧/引用:netkeiba 公式HP

▶前走の東京新聞杯でのサクラトゥジュールの走りですが、3~4角でペースが緩み、後方勢には苦しい展開を、1番枠から道中ロスなく回ってきており、サクラトゥジュールにとって展開的な恩恵はあったレースという見立てです。
▶展開利があったレースではありますが、メンバーレベルが高く2着の『ウインカーネリアン』は次走の高松宮記念4着、3着の『ホウオウビスケッツ』は今年の函館記念の勝ち馬、5着の『マテンロウスカイ』は次走で中山記念勝ち、6着の『マスクトディーヴァ』は次走で阪神牝馬S勝ちと、
▶重賞で活躍する馬たち相手に、0.2差以上の着差をつけたことは評価すべきという見解です。

◇血統

5代血統表/引用:netkeiba 公式HP

▶お母さんの『サクラレーヌ』がJRAで8戦未勝利だった競走馬で、サクラレーヌの産駒はデビューした5頭中3頭がJRAで勝利を挙げてはいるものの、近親にはサクラトゥジュール以外にはこれといった活躍馬がいない血統背景です。
▶サクラトゥジュールはお母さんのサクラレーヌが11歳の時の産駒となります。
▶配合型としては、父『ネオユニヴァース』×母父『シンボリクリスエス』という血統構成で、素軽さよりはパワーに寄った血統構成となっており、前走時で526㎏と馬格もありますが、これまでの走りを見ていても、1600m~1800mの芝向きの軽さも兼ね備えていて、今回の新潟芝1600mの舞台も、昨年こそ0.5差(6着)と負けてはいますが、決して適性的に向かない舞台ではないという印象です。

◇アビリティ分析

▶能力的には先程も述べた通り、展開利があったとはいえ、メンバーレベルが高かった東京新聞杯を勝ち切っている通り、このメンバーでも上位の存在と考えていますが、
気性的な問題もあって、道中の折り合いに難があり、力んで走ってしまうがために能力をしっかりと発揮できないレースも多かった印象です。
▶そういった観点でいうと、堀厩舎ということもありますが、外国人ジョッキーが騎乗した際の直線での反応の良さが目立つ馬ではあるので、今回は佐々木騎手が札幌から駆け付けての騎乗予定も、多少、割り引いて考えても良いのかなという見解です。
▶適性的には瞬発力があって、直線でのスピードレンジの高さも兼ね備えている馬ではあるので、昨年の関屋記念こそ0.5差(6着)と負けてはいるものの、長い直線でパフォーマンスを下げるタイプではないという評価をしています。
▶また、ペースはミドルペースくらいが気性的な面も考慮すると、走りやすいペースという見立てですが、当然ハイペースも対応できますし、スローペースでも好走歴はあるので、ペースは不問なのかなという印象です。
▶あとは、関屋記念の過去のデータ的には7歳以上の馬が、直近10年では24頭出走していて1頭も馬券に絡んでいないのは、やや気がかりな材料です。

◇関屋記念でのポイント

▶ローテは東京新聞以来の中26週と休み明けになります。
▶過去の戦績をみても、休み明けは苦手な傾向にあり、特に休み明けで大幅に馬体重を増やしてきた場合に凡走をしているので、当日の馬体重には要注意です。
▶特に2走前に+22㎏と馬体重を増やして、前走は増減なしと、やや余裕のある馬体重で前走は走ってはいるので、
▶今回、休み明けではありますが、馬体重は多少減っていても良いのかなという見解です。
▶1週前の調整ですが、美浦南Wで6F(81.7)-4F(49.3)-1F(11.1)と相当時計が出ており、
▶直近1年でいうと、6Fの時計は2番目に速く、ラスト1Fの時計は直近1年で最速を計時していますし、調教映像を見ても、活気と前進気勢を感じる走りで、及第点という評価です
▶フォトパドックも、500㎏を超える馬格の馬としては重苦しさはなく、素軽さを感じる馬体で、しなやかさがあってトップスピードが高そうな瞬発力を秘めた馬体という評価です。
▶苦手な傾向のある休み明けではありますが、調整を見ていると動ける状態にはありそうで、
▶しっかりとこの馬の能力を発揮できる状態であれば、当然馬券候補の1頭という評価です。
▶あとは、道中はしっかりと脚を溜めれた時に好走しているのは明白ですので、直近の好走時と同様に内枠を引いて、道中はラチ沿いをタイトに回ってくる競馬が理想の展開という見立てです。


◆ジュンブロッサム

◇前走回顧

前走のレース回顧/引用:netkeiba 公式HP

▶前走の水無月Sでのジュンブロッサムの走りですが、前半3Fの入りが33.8と速く、中盤はややペースが緩んだものの、結果的には後方勢にとって有利な展開となり、ジュンブロッサムには展開利があったという評価です。
▶また少頭数で馬群がばらけたこともあって、ジュンブロッサムは道中で他馬が周りにおらず、比較的プレッシャーを受けずに追走できたことも、良かったという見解です。
▶上り3Fが『11.9-11.6-10.9』という加速ラップを、2着馬に0.5差つける圧勝で、このメンバーでは能力の違いを見せつけましたが、
▶直線での走りを見ると、クビの使い方を中心に身体の使い方にはまだまだ改善の余地があるように感じたため、ここから更にポテンシャルを発揮していける馬という印象です。

◇血統

5代血統表/引用:netkeiba 公式HP

▶お母さんの『エンプレスティアラ』はJRAで2戦未勝利だった競走馬で、エンプレスティアラの産駒はデビューした8頭中5頭がJRAで勝利を挙げており、アベレージの高い優秀な繁殖牝馬という評価です。
▶ジュンブロッサムはお母さんのエンプレスティアラが15歳時の産駒となります。
▶配合型としては『Danzig持ち(5/母方)』『Halo(4/父方)≒Sir Ivor(6/父方)』を持っており、関屋記念と相性の良い血脈を内包していますし、
▶父『ワールドエース』で、ディープインパクト系種牡馬になりますが、相性の良い『Deputy Minister』を持つお母さんとの組み合わせも高評価で、
▶長い直線向きの大跳びでストライドが伸びるジュンブロッサムの特徴はこの『Deputy Minister』の影響をしっかりと受け継いでいるという見解です。

◇アビリティ分析

▶能力的には、前走の水無月Sを圧勝もメンバーレベルには疑問符が付くレースでしたので、評価が難しい馬ではあります。
▶また、上り最速を計時しながらも2着という、勝ち切れない競馬が散見されることから、差し損ねるタイプではあるため、ある程度はペース等の展開利が欲しい脚質という見立てをしています。
▶今回の舞台である新潟芝1600mは2勝Cで2着2回という実績で、得意とも言い切れないものの、直線平坦コース自体は京都でこなしているので、特段気にする必要はないという印象です。
道悪は苦戦傾向となっていることからも、良馬場で時計勝負になってこそという評価です。
▶時計については、米子Sの走破時計が相当速いので、この点で人気すると想定になっていますが、
▶実際に2019年以降の外回りの京都芝1600mの走破時計のランキングを見ても、走破時計は最速タイではあるので、ジュンブロッサムとトゥードジボンの走破時計の価値は高いとは思いますが、
▶今年の京都は阪神競馬場の改修工事による代替開催の影響もあって、時計が速い馬場になっていたと考えているので、
▶実際に、走破時計の1位~10位までには2024年のレースが5Rを占めているので、馬場が相対的に速いという点は差し引きは必要だと思います。
▶ペースについては、時計勝負を得意としている馬ですので、ある程度流れてくれた方が、直線スピードが生きてくるタイプで、
▶瞬発力の高さも武器ではありますが、スローペースだと、どうしても脚質的に差し損ねることが多いので、ペースは流れた方が恩恵があるという見立てです。
▶また、夏場の競馬自体は、滅法得意という戦績ではありませんが、まずまずこなしてはいると評価してあげても良いという印象です。

◇関屋記念でのポイント

▶ローテ的には中8週となりますが、レース間隔は開けても、詰めても成績にそこまで差が出るタイプの馬ではないので、レース間隔自体はあまり気にする必要はないという評価です。
▶1週前の調整が、栗東のCWで6F(81.1)-4F(51.4)-1F(11.1)と、時計的には文句のない調整をこなしており、映像で動きを見ても単走で力みなく、パワフルなフットワークで走れており、前走からの出来落ちはなさそうです。
▶正直なところ、戦績的には2勝Cで2着と取りこぼしが多く、勝ち切れずに足踏みをしていた馬が、
▶5歳を迎えてOPまで昇級してきたタイミングになりますが、
▶3歳時に重賞で掲示板の好走実績はあるものの、今回の関屋記念は試金石の一戦という評価が妥当です。
▶前走が3勝Cとはいえ、走破時計の優秀さと、2着馬に0.5差という着差を付けたことからも注目を集める存在になりそうですが、
▶昇級戦、かつ重賞馬がいるメンバーに入っていきなり人気をするようであれば、馬券的には軸にはしづらいタイプなのかなという見解です。


◆ディスペランツァ

◇前走回顧

前走のレース回顧/引用:netkeiba 公式HP

▶前走のNHKマイルCでのディスペランツァの走りですが、3~4角で12.0-12.0と落ち着いたラップになり、直線入口付近では馬群が凝縮しましたが
結果としては、ペースは後方勢に不向きな展開で、中団やや後方でレースを進めたディスペランツァは差し届かずという競馬でした。
▶ただ、直線では進路をカットされる不利もあり、勝ち馬から1.0差の7着という結果をそのまま受け止める必要はありませんが、『ボンドガール』『 キャプテンシー』とディスペランツァ以上に直線で不利を被った馬もいるので、
▶正直、この1戦だけでは正確な能力比較をする材料としては乏しい印象です。

◇血統

5代血統表/引用:netkeiba 公式HP

▶お母さんの『ルパンⅡ』は米国産で現役時代は主だった競走成績はありませんが、産駒には『Dansili≒Promising Lead』の2×2が話題となった皐月賞1番人気3着の『ファントムシーフ』がおり、デビューした産駒3頭全てがJRAでオープンクラスに昇級をしている一流の繁殖牝馬という評価です。
▶ディスペランツァはお母さんのルパンⅡが7歳時の産駒となります。
▶配合型としては、『Danzig持ち(4/母方)』かつ『トニービン持ち(3/父方)』という血統構成は、関屋記念との相性が良い点も評価できますが、そもそも『トニービン×Danzig』がニックスの関係性ですので、より評価の高い血統構成です。
▶またお母さんのルパンⅡのボトムラインの『Sookaeraの父が『Roberto』ですので、『Kingmambo×Roberto』パワー増強型ニックスになる点は、血統構成としてバランスがよく、これも高評価です。

◇アビリティ分析

▶能力的には、メンバーレベルが高かった『昨年の京都2歳S』の競馬内容を評価していて、3~4角で外を回した距離ロスや、そもそもディスペランツァにとって2000mは距離が長かったため、直線では脚が上がってはしまいましたが、直線で一瞬突き抜けるかと思わされる脚を繰り出しており、素質の高さを感じるには十分な競馬内容だったと評価しています。
▶かつ『京都2歳S』は、ダービー3着の『シンエンペラー』、ダービー馬『ダノンデサイル』、皐月賞2着、弥生賞勝ちの『コスモキュランダ』と、現3歳世代の能力上位馬がしのぎを削っていた点も評価が必要という見立てです。
▶距離適性としては、完全なマイラーという評価で、今回の舞台設定には特段不安はないですし、
▶大跳びで直線でのピッチもそこそこ上がるタイプで、操縦性、加速力は高いものをもっており、トップスピードも1F10秒台を計時できるだけのポテンシャルを見せている点は強みという見解です。
▶ペースについては、道中で脚を溜めて直線勝負をしたいタイプなので、ここまでのレースを見ていても、ハイペースで馬群が縦長になるよりは、ある程度馬群が凝縮するスローペースを、直線ヨーイドンの瞬発力勝負で抜けてくる方が好走率が高そうですので、好走にはペースが鍵を握ってきそうです。

◇関屋記念でのポイント

▶ローテ的には中13週となりますが、レースを使いつつ状態を上げてくるタイプと見ており、休み明けはやや割引という評価です。
▶調整内容ですが、これまで通り、水曜、木曜の追い日は軽めで、週末に時計を出す調整パターンとなっていますが、8/3(土)に栗東坂路で4F(51.3)-1F(11.8)と時計を出してきており、動きは映像がないので評価は出来ませんが、時計だけを見ると、直近1年でも4Fの時計は3番目に速く、ラスト1Fの時計は最速と動けてはいそうですので、あとは当日の馬体重含めた気配の確認をする必要がありそうです。
▶ただ、フォトパドックを見る限り、馬体のシルエット自体はややボヤっとしていて余裕残しな印象で、GⅠからの折り返しで状態面がしっかりと維持できているかはポイントになりそうです。
▶勝ち上がった未勝利戦での直線のフットワークに素質を感じて、それ以降、ずっと追いかけている馬で、
▶前走のNHKマイルカップでは直線不利もあって、不完全燃焼の競馬だったことを考えると、評価を下げる必要はないと思いますし、
▶そもそもマイルの距離ならば現3歳世代でも上位の能力を持っていると評価をしていた馬だけに、今回は古馬混合戦で試金石にはなると思いますが、能力だけでいえば、個人的に上位と評価をしている1頭です。
▶あとはGⅠからの折り返しの一戦になるので、状態面さえ整っていればというところではないでしょうか。
▶フォトパドックを見る限り、少し不安がありそうという評価です。


◆トゥードジボン

◇前走回顧

前走のレース回顧/引用:netkeiba 公式HP

▶前走の米子Sでのトゥードジボンの走りですが、内枠からハナを取り切って距離ロスなく回ってくる競馬でした。
▶ペースは3角からの下りを上手く使った先行馬有利の後傾ラップで、逃げてこのペースで走ったトゥードジボンには、相当展開利はあった印象です。
▶走破時計的には、ジュンブロッサムのところでも述べた通り、2019年以降の京都外回りの芝1600mでは最速タイで、逃げて自らペースを作ったとはいえ、前半のスローペースと後半の加速力を考慮すれば、時計的な評価は高いですが、
▶先ほども述べた通り、馬場自体は高速馬場でしたので、そことの差し引きは必要と考えており、走破時計の速さだけを鵜呑みにするのは危険なのかなという見立てです。

◇血統

5代血統表/引用:netkeiba 公式HP

▶お母さんの『コッパ』は米国産でダート重賞勝ちのある競走馬で、近親にはJRAでこれといった活躍馬はいないという血統背景です。
▶トゥードジボンはお母さんのコッパの6歳時の産駒です。
▶配合型としては、短距離志向のスピード能力の高い『In Realityのクロス(5×4)』が特徴的で、その他にも『Raja Baba』『Fappiano』『Cozzene』など、短距離からマイルの距離でスピード能力を発揮する血脈を豊富に内包しており、トゥードジボンのスピード能力の源泉となっている印象です。

◇アビリティ分析

▶能力的には、マイラーズCや東京新聞杯のレース振りを見ていると、重賞では上位馬に及んでおらず、『コレペティトール』や『サクラトゥジュール』との比較ではやや劣勢なのかなという評価です。
▶ただ、馬場が渋ったレースでの成績が微妙という観点でマイラーズカップは言い訳が出来ますし、輸送競馬での成績が振るっていないという観点で東京新聞杯も言い訳ができるので、判断が難しい部分ではあります。
▶そういった意味でいうと、新潟競馬場は初めてとなるため、やや不安な面はありますが、この馬自身は京都巧者で直線平坦のコースと、高低差は違いますが、3~4角で坂を下るコースレイアウトは得意な部類なので、初新潟でもいきなりこなしてきても不思議はないとう見立てです。
▶良い脚を長く使える持続力タイプで、高速馬場での時計勝負は大歓迎といった戦績なので、その観点からも新潟への舞台替わりで評価を下げる必要もないのかなという印象です。
▶ペース的にはスローペースで競馬をしたいタイプで、今回は同型馬で気になるのは、マイルや2000mを走っていた時に逃げていた『サンライズロナウド』くらいなので、
▶ペースメイクはしやすいメンバー構成にはなりそうで、この馬の得意な前半ゆったりと入る展開に持ち込めれば、好勝負も可能な存在という見解です。

◇関屋記念でのポイント

▶ローテ的には中7週で、年明けから今回の関屋記念で6戦目となります。
▶今年に入ってからはコンスタントにレースに使われており、馬体重の大幅な変化がないタイプで体調面が安定しているタイプではありますが、
▶前走からの上積みまで見込むのは酷なのかなという評価です。
▶1週前の調整が、栗東CWで6F(82.6)-4F(52.8)-1F(11.4)と、コースでは時計が出る馬としては、そこまで時計的な負荷は掛けられていない印象で、コンスタントにレースを使いつつという臨戦過程を考えると、強い調教は不要という判断なのかなという見解です
▶フォトパドックを見る限り、胸前に厚みがあってパワフルさを感じる馬体で、アバラが薄っすらと浮いているものの、トモにはやや余裕が感じるという印象です。
▶今回のメンバーを見渡しても、ほぼこの馬が単騎で逃げられそうなメンバー構成になっている点は、スローペースに落としたいこの馬にとっては絶好という見立てで、
▶あとは、マイペースで競馬をしてこのメンバーで残せるかどうかにはなりますが、時計勝負になれば、当然この馬におあつらえ向きの展開になるでしょうから、
▶順当に逃げられれば、展開面での恩恵は相当受けられそうな1頭という評価です。


◆プレサージュリフト

◇前走回顧

前走のレース回顧/引用:netkeiba 公式HP

▶前走のメイSでのプレサージュリフトの走りですが、東京芝1800mでは不利とされている大外からスタートを決めて、逃げ馬を見る形での競馬でした。
▶ペース的にも前有利な展開で、1~4着までが4角で3番手以内で回ってきていることからも、後方からレースをした馬にとってはノーチャンスで、プレサージュリフトとしては展開利があったという評価です。
▶上り3Fのレースラップが、11.2-11.2-11.8で、ラスト1Fの失速はペースを考えると、やや不満ではありますが、プレサージュリフトの走りとしてはやや身体を持て余している感はあったので、
▶まだまだ、状態面的にもパフォーマンスを上げて来れるだけの余力はあるのではないかという見立てです。

◇血統

5代血統表/引用:netkeiba 公式HP

▶お母さんの『シュプリームギフト』は函館スプリント2着などJRAの芝スプリント路線を中心に4勝を挙げた競走馬で、シュプリームギフトの産駒にはマクフィ産駒でアイビスサマーダッシュを勝った『オールアットワンス』がおり、芝でのスピードに秀でた繁殖牝馬という評価です。
▶プレサージュリフトはお母さんのシュプリームギフトが11歳時の産駒となります。
▶配合型としては、『Danzig持ち(4/父方)』『Halo(4/母方)≒Sir Ivor(6×6)のニアリークロス』で、関屋記念の血統傾向に合致しています。
▶また『Lyphardクロス(5×5)』を持ち、機動力や先行力が補完されている血統構成で、3歳時は後方からの競馬が多かった馬ですが、4歳秋以降、特に2走前の1400mの京都牝馬Sで前目で競馬が出来るくらいに先行力が付いてきたのも、この『Lyphard』の影響が大きいという見立てです。

◇アビリティ分析

▶能力的には前走のメイSはメンバーレベルは低めだったので、評価が難しいですし、2走前の京都牝馬Sは差し決着の展開を先行する苦しい競馬だったことを考慮すると悲観するような内容ではなく、度外視で良いのかなという見解です。
▶この馬を能力的に評価するには、昨年(2023年)の3着だった東京新聞杯が物差しになりそうで、この時が『ウインカーネリアン』『ナミュール』『ジャスティンカフェ』とGⅠでも掲示板以上の好走が出来る馬と0.1差以内の着差だったことを考慮すると、今回のメンバーに入れば当然、能力的には上位の存在という見立てです。
▶適性的には4歳秋以降はポジションを取って持続力を生かす競馬が出来るようになっており、競走成績はまだまだ及んではいませんが、イメージ的には『リスグラシュー』に似たタイプなのかなという印象です。
▶距離的には現状はマイルがベストだと考えていますし、時計勝負に滅法強い訳ではないですが、軽い馬場は得意としているので、新潟競馬場は初参戦となりますが、現在の新潟の芝であれば能力は問題なく、発揮できるという見立てです。
▶ペース的にはスローペース~イーブンペースくらいを得意としているので、今回はハナを主張する馬も少ないですし、ペースも落ち着きそうということを考えると、展開利はありそうな1頭という見立てです。

◇関屋記念でのポイント

▶ローテ的には中11週にはなりますが、元々レース間隔は開けながら使っている馬なので、特段問題はないという見立てです。
▶牝馬ですが、近走は大幅な馬体重の増減もなく安定しており、これが体調面での安定度にも起因している印象です。
▶1週前の調整は美浦南Wで6F(81.7)-4F(52.2)-1F(11.9)と、6Fの時計は直近1年でも2番目に速い時計で調整出来ており、調教映像がないので断定はできませんが、体調面は近走同様に特段問題はなさそうです。
▶フォトパドックでは胸が深く心肺機能も強そうで、ゆったりとした馬体の造りから持続力も感じますし、トモの容量も豊富でスピード能力の高さも感じられます。
▶また毛艶も良さそうで銭形模様も浮いていることから、体調面は相変わらず安定していそうです。
▶前走のメイSは馬体を持て余している走りもあって、内容的には物足りなかったことは確かですが、
▶能力的には先程も述べた通り、2023年の東京新聞杯を物差しにすれば、ここでも当然上位の存在ですし、
▶近走の先行力を生かす競馬スタイルからも、逃げるトゥードジボンの後ろ辺りで競馬が出来れば、展開利も得られそうなメンバー構成だという印象なので、
▶人気するタイミングにはなりそうすが、馬券的には検討をせざるを得ない1頭という評価です。


◆ロジリオン

◇前走回顧

前走のレース回顧/引用:netkeiba 公式HP

▶前走のパラダイスSでのロジリオンの走りですが、前半3Fが35.5秒とスローで入ったため、前に行った馬が有利な展開になり、中団の外目で競馬をしたロジリオンにとっては、前が止まらず、捕まえきれずという競馬でした。
▶上り3Fのレースラップが11.2-11.3-11.6では、中団から後方の馬にはノーチャンスなので、度外視で問題ないかなという評価です。
▶このパラダイスSを勝った『オーキッドロマンス』とは『ダノンマッキンリー』と併せて、今年の3歳世代の芝1400mのカテゴリーで、常に順番を入れ替えながらしのぎを削っていた力関係でもあるので、
▶正に展開次第の力関係なのかなという評価で、この一戦だけでロジリオンの評価を殊更に下げる必要はないとう見解です。

◇血統

5代血統表/引用:netkeiba 公式HP

▶お母さんの『ビービーバーレル』は現役時代にフェアリーステークスを勝った競走馬で、ビービーバーレルの産駒はデビューした3頭全てがJRAで2勝を挙げているアベレージの高い繁殖牝馬です。
▶ロジリオンはお母さんのビービーバーレルが8歳時の産駒となっています。
▶配合型としては、『Haloクロス(5×5)』があり関屋記念の好走血統に合致しています。
▶リオンディーズ産駒なので、気性的な危うさがどうしても懸念されがちですが、ロジリオンは出遅れ癖こそあるものの、表面的には気性面での課題が表れていない点は、リオンディーズ産駒として及第点なのかなという印象です。

◇アビリティ分析

▶能力的にはNHKマイルカップを物差しとすべきだとは思いますが、3着という着差こそ立派ではありますが、出走馬全体の次走以降の成績がそこまで振るっておらず
▶正直なところ、勝ち馬の『ジャンタルマンタル』、2着の『アスコリピチェーノ』の2頭が抜けていて、あとは直線で不利があって次走のクイーンステークスで、2着と恰好を付けてくれた『ボンドガール』の3頭が能力上位という評価です。
▶あとは、ゴンバデカーブースが態勢をしっかり整えて、どこまでやれるかといった程度で、
▶ロジリオンは現3歳世代の芝1400mであれば中心的な存在ではありましたが、マイル以上だと能力的には一枚落ちるかなという評価をしています。
▶適性的には後半3F勝負、瞬発力勝負で浮上してくるタイプという評価ですが、出遅れてポジションを悪くして差し届かずや、直線で進路なくして詰まるという競馬が散見されるので、
▶スタートが鍵を握ってきそうという見立てです。
▶そういった観点で言うと、これまでは1400mで結果を出していますが、NHKマイルカップを見ていてもマイルくらいの距離の方が追走を含めて、走りやすい距離レンジなのかも知れません。

◇関屋記念でのポイント

▶ローテとしては中6週にはなりますが、NHKマイルカップを使って、パラダイスSを使って、さらに今回の関屋記念と、G1後から間隔を置かずというローテになりますし、
▶そもそも直近2走は『-6㎏』⇒『-4㎏』と馬体重も減らしつつ、レースを走ってきていることからも、状態面でのお釣りがどうかという懸念がありますし、上積みまで期待するのも酷なのかなという印象です。
▶1週前の調整は、美浦南Wで6F(84.7)-4F(52.8)-1F(11.5)と、元々は調教で時計が出るタイプとしては負荷は軽めの調整で、調教映像をみても、併走馬を追いかける形で、急かさずに馬なりでの調整となっていて余力を感じる調整内容という評価です。
▶レース間隔も比較的詰まっていることからも強い調教は不要なのかなという見立てです。
▶出遅れ癖もあって、レース巧者という訳ではないので、乗り難しい面もあるので、ここまで乗ってきた騎手の中では、戸崎圭騎手と手が合っていたという評価で、
▶今回は永野騎手が騎乗予定ですが、戸崎圭騎手の方が個人的には買いやすかったという評価です。
▶正直、他馬比較で能力的にも、適性面でもアドバンテージがある座組ではないと見ているだけに、
▶NHKマイルカップくらい『ロスなく』『不利なく』『展開が向いて』掲示板内に入れるかどうかかなという力関係という見立てをしています。


◆関屋記念のまとめ

それでは!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?