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【スプリンターズS 2024】スプリント血脈を詰め込んだ悪魔的血統馬を狙え!出走馬徹底考察!

皆さんご機嫌いかがですか。中崎です。
9月29日(日)に中山競馬場で行われます「スプリンターズステークス」に出走予定の注目馬について、『血統分析』『アビリティ分析』を中心に「スプリンターズステークス」への展望をお伝え致します。
スプリンターズステークスを十分に楽しむためにも、各馬の考察は事前知識になりますので、是非最後まで御覧いただければ幸いです。



◆中山芝1200m(外)について

今年のスプリンターズステークスは例年通り、中山芝1200m(外)での開催となります。
中山芝1200mは、スタート地点が外回りコースの向正面に設置されており、スタート地点から3角に向けて下り坂となっています。
中山芝1200mのセオリーは、スタートからスピードに乗った先行馬が直線でも勢いを持続して、そのまま粘り込む競馬です。
また、近年は秋開催の中山競馬場の馬場の高速化も伴って、内ラチ沿いを通ってきた馬の好走も顕著となっており、直近5年では先行脚質・差し脚質を問わず、次の通り内ラチ沿いを通ってきた馬が好走しています。

3人気2頭を含んでいますが、それ以外は5人気以下が好走しており、人気以上に好走をしていることが分かります。
特に走破時計が1分7秒台の決着となると、インを通った馬の好走率が高くなる傾向で、逆に走破時計が1分8秒台超になってくると、2020年のグランアレグリアが勝った年のように、1~3着までの全馬が4角で外目を回してくるような競馬となる可能性が増えるため、当日の馬場状態が大変重要なレースになってくるという見立てです。


◆馬体重別成績/牡馬/直近10回

直近10回の中山開催のスプリンターズステークスでの牡馬の馬体重の傾向を確認してみると、10回を前後5回に分けた場合に、上記表の通り、500㎏以上の馬の成績に明暗が出ています。
決して2013年からの5回の方が、500㎏以上の出走馬の人気(実力)がなかったということでもなくて、2013年~2023年まで500㎏以上の馬は相対的にそこまで人気をしておらず、直近10回のスプリンターズステークスにおける馬体重500㎏以上の出走馬の質に差はあまりないように感じます。
その中でも、2019年以降は『6人気/マッドクール』『8人気/ジャンダルム』『10人気/シヴァージ』などが人気薄で好走しており、マッドクールは結果、その後も強かった事例にはなりますが、ジャンダルム、シヴァージが人気薄でも好走していることを考えると、近年のスプリンターズステークスは、500㎏以上の大型馬が台頭しており、そこから読み取れる要素の一つとして、よりスプリント性能に特化した馬が、好走しやすいレースになって来ているという仮説が成り立つのではという見解です。
ですので、これまでに1200mで強いレース、或いは1200mで強い相手に好走しているということが、スプリンターズステークスを予想する上では、重要な指標になってくるという見立てをしています。


◆好走血統について

2019年以降に行われたスプリンターズステークスで馬券内に好走した馬の血統分析を行い、スプリンターズステークスを好走するために必要な重要血統をピックアップ致しました。

今回紹介した4つの血統は、それぞれ一つ一つが大変重要な血統です。
特にスピードを伝える『Danzig』『In Reality』『Fappiano』のいずれかを血統内に持つことは、日本の時計の速いスプリント戦での優位性が圧倒的に高まってきますので、しっかりと押さえておきたいポイントです。
それでは、この血統傾向を参考にしつつ、注目馬の考察をしていきますので、宜しくお願い致します。


◆ウインマーベル

◇血統考察

▶お母さんの『コスモマーベラス』は中山芝1600mのターコイズSを2勝したOP馬で、コスモマーベラスの産駒は11頭中5頭がJRAで勝利を挙げていますが、出世頭は『ウインマーベル』という血統背景です。
▶ウインマーベルはお母さんのコスモマーベラスが17歳時の産駒となります。
▶配合型としては『Danzig(5/父父方)』『In Reality(5/母父方)』『Roberto(5/父母方)』とスプリンターズステークスの注目血統で取り上げた血脈を多く内包しており、さすが2022年のこのレースの2着馬といった印象で、1400m巧者ではありすが、スプリンターズステークスとの血統相性は抜群という評価です。

◇アビリティ分析

『能力』
▶ここまで重賞を4勝しており、重賞レベルでも勝ち切る決め手を持っている馬です。
▶また、重賞4勝のうち、3勝が昨年の12月以降に挙げており、5歳秋を迎えましたが、充実期に入っている印象です。

『適性』
▶重賞4勝のうち、3勝が芝1400mですし、そもそも3歳時にスプリンターズステークス2着の実績はあるものの、古馬になってからは明らかに1200mよりも1400mでの成績が良い状況です。
▶ただし、昨年(2023年)のスプリンターズステークスは出遅れ、今年(2024年)の高松宮記念は苦手な重馬場での競馬になっている点は考慮が必要です。
▶短距離馬としては素軽いフットワークをするタイプということもあって、渋った馬場よりも、時計の速い良馬場でのパフォーマンスの方が良いタイプです。
▶また、近走はゲートが改善しており、五分でスタートを切れるようになっている点は高評価です。

『状態』
▶中19週と休み明けの一戦となりますが、ここまでの戦績を確認すると、レースを使いつつ良くなってくるタイプで、休み明け、しかもGⅠとなるとハードルが高い印象です。

◇スプリンターズステークスでのポイント

▶今回はピューロマジックが横山典弘騎手に乗り替わったことで、展開想定の難易度が上がりましたが、ウインマーベルとしては内枠を引いてミドルペースくらいに落ち着く流れの中で、先行する競馬ができれば、チャンスはあるかなという評価です。
▶1400m巧者ではありますが、血統的にはスプリンターSへの適性は高いですし、そもそも3歳時にスプリンターS2着の実績があり、適性を疑う必要はないのかも知れません。
▶また先ほども述べた通り、近2走のスプリントGⅠは言い訳がつくレースでもあるので、1200mへの適性が嫌われて人気をしないようであれば、馬券的には狙える1頭という評価です。


◆オオバンブルマイ

◇血統考察

▶お母さんの『ピンクガーベラ』はJRAで未勝利ですが、牝系は短距離志向が強い快速牝系で、母母の『ルシュクル』からは『ビアンフェ』『エントシャイデン』『アフランシール』『ブランボヌール』など、1200m~1400mの活躍馬が輩出されています。
▶とくに母母の『ルシュクル』はディープインパクトやハーツクライなど距離適性が長めの種牡馬を付けても短距離馬を輩出していたことから、スプリント志向が相当高い牝系という評価です。
▶オオバンブルマイはお母さんの『ピンクガーベラ』が6歳時の産駒となります。
▶配合型としては『Fappiano(5/母母方)』『In Realityクロス(5×7)』を持ち、スプリンターズステークスの注目血統で取り上げた血脈をしっかりと内包しています。
▶またお父さんの『ディスクリートキャット』はアメリカの先行力のあるダートマイラーで、力強さとスピードを兼ね備えており、時計勝負は問題ないタイプの種牡馬という評価で、秋開催の中山の高速馬場は苦にしない印象です。

◇アビリティ分析

『能力』
▶前走のキーンランドカップは、勝ち馬の『サトノレーヴ』を筆頭に2着『エイシンスポッター』4着『モリノドリーム』と、4角で比較的インを立ち回った馬が好走しており、4角最後方、かつ大外をぶん回してきたオオバンブルマイにとっては厳しい展開で、能力的な評価を落とす競馬ではないという見立てです。
▶ただ、3着だったNHKマイルカップを振り返っても『シャンパンカラー』『ウンブライル』と上位争いをしていたことを考えると、マイルが適性距離ではなかったとしても、能力的な評価はそこまで高くは出来ないというのが本音です。

『適性』
▶素軽いフットワークで走る馬で、時計の速い馬場コンディションがベターという評価です。
▶また、マイルでも1400mでも中団から差す競馬をしており、エンジンの掛かりもやや遅めで、良績が東京や阪神と直線の長いコースに集まっていることを考えると、初の中山競馬場ということもあって、適性面では評価を下げたいところです。
▶また馬体重も前走時で448㎏と『牡馬』『短距離馬』としては小柄で、直近5年の500㎏以上のスプリント適性が高い馬が好走しているスプリンターズステークスの傾向とはズレるという見解です。

『状態』
▶前走から中4週で、休み明けを一度使ってのローテなので、前走から状態面で上げて来ても不思議ないという評価で、
▶実際に1週前の調整からも前進気勢を感じさせる走りを見せており、前走も休み明けでしたが調整の動きは良かったので、良い意味で状態はキープ出来ており、しっかりと能力は出せそうな状態という評価です。

◇スプリンターズステークスでのポイント

▶とにかく展開待ちで、逃げ・先行勢が激しくやりあって、後方勢に出番があるようなレース展開が必要という見立てで、
▶イメージとしてはグランアレグリアが勝った年のような外差し決着で、2、3着を拾ってくる馬という評価です。
▶今年でいうと『ピューロマジック』と『ビクターザウィナー』がどういうペースを作るか次第ではないでしょうか。


◆サトノレーヴ

◇血統考察

▶お母さんの『チリエージョ』はJRAで1000m~1400mで5勝を挙げた短距離馬で、チリエージョの産駒には短距離重賞3勝のアドマイヤムーン産駒の『ハクサンムーン』がおり、産駒にもスプリント適性をしっかりと伝えている牝系です。
▶サトノレーヴはお母さんの『チリエージョ』が18歳と高齢時の産駒となります。
▶配合型としては『In Reality(5/父母)』を持ちスプリンターズステークスの注目血統で取り上げた血脈をしっかりと内包しています。
▶また母父が『サクラバクシンオー』ということで、お母さんの短距離志向が強いですが、ボトムラインには『Shirley Heights』や『マルゼンスキー』を持ち、スタミナ面での下支えも持ち合わせており、一介のスプリンターではない印象です。

◇アビリティ分析

『能力』
▶前走のキーンランドカップは、いつも通り、好位から内ラチに近い進路を通った距離ロスの少ない競馬での完勝でした。
▶ナムラクレアに先着はしているものの、ナムラクレアに直線の進路でトラブルがあっての結果で、手放しでナムラクレアを負かしたとは言いづらく、
▶また直近は1200m戦を3連勝中と勢いに乗っている馬ですが、戦ってきたメンバーを見渡すと、目立っているのは1400mがベストのウイングレイテストくらいで、本当に強いスプリンターとの対戦はなく、
▶今回が初GⅠ参戦ということで試金石の一戦という見立てです。

『適性』
▶好位をとって先行抜け出しの競馬が出来るのが最大のセールポイントです。
▶この手のタイプは決め手で見劣って瞬発力に屈するというタイプも多いですが、サトノレーヴについては決め手もしっかりと兼ね備えており、理想の先行馬という評価です。
▶馬場は高速馬場の方がベータという評価で、時計も今年の春雷ステークスで『1:07.1』と時計決着をこなしており、現在の中山の高速馬場にも不安はありません。
▶馬体重が前走時+16㎏で548㎏と大型馬で、スプリンター気質のがっちりとした馬体ですが、前走が裕残しだった面もあるので、一度レースを使って絞れてくるようだと、更にパフォーマンスを上げて来れるのではという見立てです。

『状態』
▶中4週で、今年の阪急杯以降は順調にレースを使ってきており、今年5戦目となります。
▶1週前の調整は、動きに柔らかさを感じさせる終い重点の調整内容で、併走馬が走らなかった面はありますが、併走馬を置き去りにするくらい身体を動かせており、体調面での不安はない印象です。

◇スプリンターズステークスでのポイント

▶スタートが問題なければ、先行して内をロスなく回って来れますし、直線で馬群を捌いて脚を伸ばすことも苦にしないタイプなので、隙が少なく、常に安定して走って来れるという評価です。
▶また、前走からレーン騎手が継続騎乗できる点も高評価ですので、
▶あとは、スプリント路線の未対戦組との力関係だけで、
▶適性的には器用なタイプで時計勝負を苦にしないことからも、高松宮記念よりもスプリンターズステークス向きと見ているだけに、
▶初GⅠにはなりますが、陣営としてもここは勝負度合いが強い局面ではないかという見立てです。


◆ナムラクレア

◇血統考察

▶お母さんの『サンクイーンⅡ』は米国産で、デビューした産駒8頭のうち6頭がJRAで勝ち上がる子出しの良い繁殖牝馬です。
▶ナムラクレアはお母さんの『サンクイーンⅡ』が11歳時の産駒となります。
▶配合型としては『Danzig(5/父母方)』『Roberto(4/母母方)』を持ち、昨年のスプリンターズステークス3着という実績が示す通り、スプリンターズステークスとの相性が良い血脈をしっかりと内包しています。
▶また、ボトムラインの『Coup de Genie』経由で、『Haloクロス(4×5)』を持ち、スピードと瞬発力を増幅する血統構成となっていて、差し馬のスプリンターという比較的特殊性の高いナムラクレアのパフォーマンスを下支えてしているという評価です。

◇アビリティ分析

『能力』
▶スプリントGⅠで3度馬券になっており、高いレベルで安定しているという評価です。
▶また3歳時にはスターズオンアースが勝った桜花賞で3着するなど、早い時期から能力の高さを示して、息の長い活躍をしています。

『適性』
▶昨年のスプリンターズステークス3着馬に大変失礼となりそうですが、瞬発力タイプでありながら、渋った馬場を苦にしないということからも、高松宮記念向きのタイプという見立てで、高松宮記念で見せたパフォーマンスよりは、スプリンターズステークスではパフォーマンスを落とすという評価をした方が妥当という見解です。
▶ペースについてはこれだけ経験値の高い馬なので、特段気にする必要はないと思いますが、スプリンターズステークスに限っては、馬群の隊列が縦長になるよりは、ある程度馬群がタイトに詰まってくれた方が、他馬比較で瞬発力を生かせるという評価です。

『状態』
▶中4週でキーンランドカップからのローテは昨年と同じパターンです。
▶ただ、昨年は高松宮記念後ににヴィクトリアマイルを挟んでおり、今回はヴィクトリアマイルをパスした分はプラスという見立てです。
▶馬体重は前哨戦はプラス馬体重で出走をしてきて、本番は絞るというパターンが多い馬なので、今回は輸送もありますが、馬体重は減っていても問題はなさそうです。
▶1週前調整ですが、流石に休み明けのキーンランドカップを使って、今回の方が動きに切れが出てきており、状態面は上がっているという評価です。
▶また、近走は1週前はCWでコース追いをする調整でしたが、今回は坂路を上がってきており、調整パターンに変化を加えるなど、陣営の試行錯誤が垣間見られます。

◇スプリンターズステークスでのポイント

▶時計勝負自体は、2023年シルクロードステークスで『1:07.3』と好時計で走れており問題はないですが、
▶先行馬に有利な中山競馬場ですと、どうしても展開的に厳しい面があるので、馬券的には高松宮記念で買いたいタイプです。
▶ただ、今回は『中山マイスター』の横山武史騎手に乗り替わりということで、新しい面が引き出さればなという評価です。
▶能力的にはGⅠを勝つべき馬という評価をしているだけに、あとはスムーズな競馬をして、足りるかどうかではないでしょうか。


◆ビクターザウィナー

◇血統考察

▶配合型としては『Danzigクロス(5×4)』『Fappiano(4/母母方)』を持ち、スプリンターズステークスの注目血統で取り上げた血脈をしっかりと内包しています。
▶ただお父さんの『Toronado』が『Sadler's Wells系×Gone Wes系』ですし、お母さんは『母父Green Desaert系』の『Cape Cross』で、ボトムラインに『Fappiano』を持つなど、欧州血統と米国血統がバランス良くかけ合わせれている印象ですが、
▶特徴的なところでいうと、『Sadler's Wells×Nureyev』の『Special牝系クロス』でタフさが増強されており、タイプ的には時計が掛かる馬場の方が好相性という印象で、
▶香港の洋芝であったり、今年の馬場が渋った高松宮記念での好走は血統背景からも適性が高ったという評価です。
▶スタートが速い馬で、今回は同型馬のピューロマジックとの兼ね合いになると思いますが、中山の良馬場で時計勝負となった場合に、高松宮記念くらい走れるかのかどうか?となってしまうとやや不安な面があるという評価です。
▶高松宮記念3着の実績が評価をされて、今回も人気をするようであれば、馬券的には今回が嫌うタイミングなのかなという見解です。


◆マッドクール

◇血統考察

▶お母さんの『Mad About You』は愛国産で、現役時代には愛1000ギニーで2着するなどの活躍馬です。
▶マッドクールはお母さんの『Mad About You』が14歳時の産駒となります。
▶配合型としては『Danzig(4/母母方)』『Fappiano(5/母母方)』を持ち、スプリンターズステークスの注目血統で取り上げた血脈をしっかりと内包しています。
▶また、お父さんの『Dark Angel』はイギリス、アイルランドで1000m~1600m路線で重賞勝ち馬を多く輩出しているスピード豊富な種牡馬で、
▶マッドクールはボトムラインが『Danzig系×Sadler's Wells×Fappiano』とスピードと底力に秀でてた血統構成の牝系ということもあり、
▶豊富なスピード血脈を詰め込んだスプリント気質が高い血統という評価です。

◇アビリティ分析

『能力』
▶前走のチェアマンズスプリントは出遅れて外枠から先手を主張する競馬をして、3~4角で手応えが怪しくなって直線では反応できずの敗戦。
▶レース序盤の負荷も高くスムーズに運べなかったことを考慮すれば度外視で良いという見解です。
▶今年の高松宮記念でナムラクレアの猛追を振り切る競馬でG1 初制覇。スローペースで前有利、馬場も内有利と展開利はありましたが、3着ビクターザウィナーには0.5秒差と力を示す内容という評価です。
▶当然、昨年のスプリンターズステークス2着馬でもあるので、現在の日本のスプリント路線では実績上位の1頭です。

『適性』
▶先行力があって、渋った馬場も不問のパワータイプで、持続力で押し切るスプリンターという評価です。
▶マッドクールについては、中山の急坂でややもたつく面は見せますが、概ね中山でも中京でもパフォーマンスは変わらないタイプという見立てです。
▶ただ、時計勝負になってしまうと他の有力馬との比較でやや劣後する印象で、
▶昨年のスプリンターズステークス2着は、勝ち時計が1分8秒台だった恩恵があったという見立てです。

『状態』
▶中21週と香港遠征帰り初戦となります。間隔を開けながらレースに使っていた馬ですが、デビュー以来、最もレース間隔が空いての競馬となります。
▶馬体重は前走時で534㎏と直近5年の500㎏以上の生粋のスプリンターが好走しているという傾向には合致しますが、
▶馬体的にはまだ緩さが目立つ状況で、前走のチェアマンズスプリントも、2走前の高松宮記念も、パドックでお腹がポヨポヨしていたことを考慮すると、
▶馬体的な完成にはまだもう少し掛かるのかなという印象で、今回どれくらいの馬体重で出走してきて、馬体の締まり具合にも変化があるかは要注目です。
▶調整はいずれも栗東CWで、2週前に4F(50.7)-1F(11.8)、1週前相当の9/20(金)に4F(51.1)-1F(10.9)と時計を出しており、映像がないので判別が難しいです。
▶外厩でどれくらい乗り込んでいるかにはなりそうですが、当週の動きにも注目をしたいところです。

◇スプリンターズステークスでのポイント

▶走破時計が1分7秒台中盤くらいの時計勝負になってしまうと、この馬よりも適性がありそうな馬がいるので、厳しい戦いになりそうです。
▶ただ先行力もあって立ち回りが巧いタイプでもあるので、流れに乗って大崩れはしないとは思いますが、
▶勝ち切るには、馬場が渋るなどの恩恵があった方が、より他馬比較で有利に戦えるのではないかという見立てです。


◆ママコチャ

◇血統考察

▶お母さんの『ブチコ』はJRAのダート1800mで4勝を挙げています。ブチコの産駒には白毛のGⅠ馬『ソダシ』がおり、ママコチャと併せてGⅠ馬が2頭と、デビューした産駒4頭中2頭が大活躍をする優秀な繁殖牝馬です。
▶また母母のシラユキヒメからは『ソダシ』『ママコチャ』以外にも、『メイケイエール』『ハヤヤッコ』『アマンテビアンコ』など重賞活躍馬が多数輩出され、現在の日本の牝系の中でも活気がある牝系の一つとなっています。
▶ママコチャはお母さんの『ブチコ』が7歳時の産駒となります。
▶配合型としては『Roberto(5/父母方)』を持ち、スプリンターズステークスの注目血統で取り上げた血脈をしっかりと内包しています。
▶また、血統構成としては『Kingmambo×Roberto』のパワー増強型のニックス配合となっていますし、お父さんのクロフネが『Deputy Minister系』ということで、豊富なスピードと持続力をママコチャに伝えており、
▶ママコチャは前進気勢が強いタイプではありますが、スピードの持続力で勝負しつつも、底力を感じさせる走りをする点は、距離適性はややズレますが、全姉の『ソダシ』に近いタイプなのかなという印象です。

◇アビリティ分析

『能力』
▶昨年のスプリンターズステークスの勝ち馬で能力的には上位の1頭です。
▶3走前の阪神カップは先行勢に厳しいペースを先行しながら直線では良く粘っていましたし、
▶2走前の高松宮記念は中京の外枠からの競馬で恵まれず、レース後のジョッキーコメントでも『暖かくなってから』という評価もあり、状態面もトップコンディションではなかったという見立てです。

『適性』
▶前進気勢が強いタイプでフットワークのピッチも上がるため、全姉の『ソダシ』よりも距離は短いところに適性があるという評価です。
▶持続力型で溜めて競馬をするタイプではないので、直線の長い高松宮記念よりも、スプリンターズステークス向きのタイプという見解です。
▶馬場は高速馬場が大歓迎というタイプではないですが、時計勝負もこなせるので、雨で渋るよりは良馬場の方がという印象です。
▶ペースについては前進気勢があって溜める競馬に向いていないので、ある程度流れる展開が理想です。
▶また、前走のセントウルステークスの内容をみても、夏場の方が体調面は上がってくるタイプという見解です。

『状態』
▶中2週となりますが、前走のセントウルステークスが+10㎏と、スプリンターズステークスを見据えた状態だったという見解で、
▶むしろ気性面の観点からも、レース間隔は詰めた方が良いタイプなのかなという見立てをしています。
▶また斤量も前走の57㎏から56㎏となる点も、この馬にとってはプラス材料です。

◇スプリンターズステークスでのポイント

▶昨年の勝ち馬で適性云々は問題ないですし、
▶ローテ的にもこのスプリンターズステークスを見据えて、前走のセントウルステークスは余裕残しで競馬させており、
▶大目標へ向けて万全の態勢なのかなという評価です。
▶あとは、『ピューロマジック』や『ビクターザウィナー』が、この馬向きの淀みのないラップでレースを引っ張ってくれれば、ママコチャにおあつらえ向きの展開になりそうで、今年も中心視するべき1頭という見解です。


◆モズメイメイ

◇血統考察

▶お母さんの『インラグジュアリー』は未出走馬です。ボトムラインが『Cat chat』の牝系で、近親には『レッドベルオーブ』『レッドベルジュール』が輩出されています。
▶モズメイメイはお母さんの『インラグジュアリー』が6歳時の産駒となります。
▶配合型としては『Danzig(5/母父方)』『Fappiano(5/母母方)』『In Realityクロス(4×6+7)』を持ち、スプリンターズステークスの注目血統で取り上げた血脈を非常に多く内包しています。
▶血統構成からもスピード色がかなり強く、お父さんの『リアルインパクト』の母『トキオリアリティ』からはオーシャンS勝ちの『アイルラヴァゲイン』も輩出されていますし、『ウィルパワー』を経由して『インディチャンプ』とスプリンターズステークス3着の『アウィルアウェイ』にも繋がるなど、短い距離でピッチが滅茶苦茶上がるタイプの産駒が多く、先ほども触れた『In Reality』の短距離志向の影響が色濃い血統となっています。
▶モズメイメイは、昨年のスプリンターズステークスが16着、今年の高松宮記念も15着とスプリントGⅠで奮っていないのが現状ですが、
▶3走前の北九州記念と、2走前のアイビスサマーダッシュでは脚質転換が板についてきた印象ですし、
▶前走のセントウルステークスも1番枠から直線狭い所を抜け出してくるなど、レースに幅が出てきているという評価です。
▶夏に北九州記念→アイビスサマーダッシュ→セントウルステークスと、レース数を使っていることと、斤量も前走の55㎏から56㎏に負担増になる点はネックではありますが、
▶余力さえ残っていれば、血統背景の面から、面白い穴馬になりそうという見解です。


◆スプリンターズステークスのまとめ

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