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【ローズS 2024】レガレイラが牝馬限定戦を制圧!?Bコース替わり初週の馬場を味方に付ける馬は?出走馬徹底考察!

皆さんご機嫌いかがですか。中崎です。
9月15日(日)に中京競馬場で行われます「ローズステークス」に出走予定の注目馬について、時計比較、レース回顧、アビリティ分析を中心に「ローズステークス」への展望をお伝え致します。
ローズステークスを十分に楽しむためにも、各馬の考察は事前知識になりますので、是非最後まで御覧いただければ幸いです。



◆中京芝2000mについて

今年のローズステークスは例年の阪神芝1800mではなく、京都競馬場の改修工事の影響で中京開催だった2020年~2023年と同じ、中京芝2000mでの開催となります。
中京芝2000mは4回コーナーを回る周回コースで、スタート位置はホームストレッチ上の登坂の中間付近に設定されており、スタート後にペースが上がりずらいコース設定と言えると思います。
向正面の中間付近から3角→4角を通って直線まで、坂を下る形状となっており、ペースが上がりやすいですが、コーナー角度がきつめの設定のため、スピードは控えめにして回って来ないと、コーナーで外に振られる距離ロスを被る形となり、結果不利になります。
また、中京芝コースは先週(9/7~9/8)のAコースから、今週はBコース初週となります。
先週のAコースは3~4角の内側の芝が剥がれていて、見た目には、タフな馬場状態に見えましたが、3~4角から直線に至っても、内に進路を取った馬の好走も多発していたため、『スローで流れれば内目を通った先行馬』が、『ハイペースで流れれば外差しの差し追込馬』も台頭が出来る、見た目以上にフラットな馬場状態でした。
それを踏まえると、今週からBコース初週になりますが、より内が使える馬場状態となることを想定すると、ペースがある程度流れても内を通った先行馬が粘れる要素が増えるのかなという見立てをしています。
ということで、先週のトラックバイアスと、Bコース初週という点を踏まえつつ、注目馬の考察をしていきたいと考えております。


◆カニキュル

◇時計比較/レース回顧

▶瞬発力とトップスピードの高さが求められる後半勝負。
▶三浦特別でのカニキュルの走りですが、好スタートから先行集団に取り付いて、内ラチ沿いを回ってくる競馬。
▶道中はハミを噛みながらの力んだ走りでしたが、直線では追い出しを我慢するくらいの手応えで、ゴール前も余力のある走りでした。
▶レースの上り3F(33.6秒)と完全な上り勝負、瞬発力勝負になりましたが、トップスピードの高さはこのメンバーでは群を抜いており、危なげのない競馬内容という評価です。
▶メンバーレベルは『2着・フォルラニーニ』が次走3着、『3着・ニューステソーロ』が次走1勝Cを勝ち上がるなど、3歳以上1勝Cとしてのレベル感は低くはない印象です。

◇アビリティ分析

▶春はフラワーカップで0.3差6着、フローラステークスで0.3差3着と、同世代の牝馬相手に苦戦している戦績ですが、
▶ただ、レース内容を確認すると、ペースに恵まれなかったり、スタートで後手を踏んだり、レース序盤の折り合いに苦しむなど、自分自身との闘いに苦労していた印象で、決して力負けという競馬内容ではなかったという見立てです。
▶牝馬ですが、2歳11月の未勝利戦で東京芝2000mで2分を切る走破時計を計時するなど、早くから素質の片りんを見せていた馬ですが、
▶血統背景からも半兄にルーラーシップ産駒のトランキリテがおり、決して成長が速い血統ではないですし、
▶そもそも5月5日生まれと遅生まれということもあって、500㎏前後の馬格のある馬ですが、3歳秋以降の成長に期待をしていた1頭で、順調に秋を迎えられて、どれだけ成長しているかが楽しみです。
▶適性的にはトップスピードを生かす瞬発力勝負で持ち味を発揮するタイプという評価で、
▶馬場コンディションも時計が掛かるよりは、高速馬場になってくれた方が圧倒的にパフォーマンスは高くなるという見立てです。
▶またペースについては、溜めて末脚を生かしたいタイプとしては、中盤でしっかりと緩んでくれた方が、タイトなラップが刻まれるレースを走るよりも持ち味を発揮できると考えています。
▶また、関東圏の中山と東京でしか競馬をしておらず、少なからず気性面に不安を抱えている馬としては、初めて中京競馬場での競馬になることはプラス要素ではないですが、
▶左回りについてはこなしていますし、中京でも後半3Fの瞬発力勝負の展開、ペースになれば持ち味は発揮してくれるという見立てです。
▶また、距離延長で2000mのレースとなりますが、距離は不安はないですし、かつてはゲートが遅い馬ではありましたが、前走はしっかりとスタートを決められているので、前進しているという見立てです。

◇ローズステークスでのポイント

▶ローテは前走から中12週と休み明けの1戦となります。
▶休み明けの競馬は、中16週だったフラワーカップくらいしか経験はなく、フラワーカップも出遅れて折り合いを欠くという競馬だったことから、
▶休み明け自体はプラスという評価はしづらいです。
▶馬体重は、フローラステークス時はマイナス馬体重で、勝負仕上げという感じでしたが、それ以外のレースは馬体重を増やして出走してきており、
▶先ほども述べた通り、血統背景もそうですし、5月生まれということもあって、ひと夏越して、馬体重が増えてくること自体は歓迎という見立てです。
▶フォトパドックについては、胸が深く心肺機能が高そうですし、トモの幅もあって、クビ差しもがっしりとしており、スピード能力に秀でていることを感じさせる馬体という評価です。
▶また毛ヅヤも良く、胴回りに銭形模様が薄く浮いており、体調面に不安はなさそうです。
▶展開的には是が非でも逃げたい馬というのは見当たらないので、ペースがそこまで流れず、良いポジションで先行した馬が有利になりそうなのと、牝馬同士の一戦なので直線スピードの高さが優位性をもたらしそうという観点で評価をすると、
▶カニキュルは、前走と同じように好位に取り付いて、好位から高い瞬発力とスピード能力を発揮できる展開になれば、上位争いに加われる1頭という評価です。


◆クイーンズウォーク

◇時計比較/レース回顧

▶大逃げの馬にペースを流されましたが、ラスト3Fは加速ラップかつ、11秒中盤までラップが上がる直線スピード勝負。
▶前走のオークスでのクイーンズウォークの走りですが、好スタートを決めて2番枠ということもあり、内ラチ沿いを回ってくる距離ロスの無い競馬。
▶ショウナンマヌエラとヴィントシュティレの2頭が引っ張って、レース全体のペースは流れましたが、
▶クイーンズウォークのポジションで、前半5F(60.4秒程度)と、大逃げの2頭以外はそこまでペースが流れていた訳では無かったです。
▶直線でも大跳びのフットワークで一旦は先頭に立ちましたが、ラスト2Fが『11.5-11.4』という加速ラップで、スタミナとスピードの両面を問われるレース展開になったのと、
▶チェルヴィニアに直線で目標とされてしまったことが辛い展開だったという見立てで、
▶先行勢の中ではしっかりと粘った走りだったという評価です。
▶今年のオークスは前半引っ張った馬が居たので、ラップが特殊性の高いレースになりましたが、後半の失速率の低さを考慮するとレベルの高いレースだったという見解です。

◇アビリティ分析

▶桜花賞で3人気、オークスで5人気に評価をされており、現3歳世代の牝馬の中では高い能力を持つ馬と評価されていて、実際にオークスの走りからは世代上位の実力を示してくれた印象です。
▶ただ、桜花賞は大跳びのクイーンズウォークにとっては、内で窮屈な競馬を強いられて苦戦という言い訳が利きそうですが、
▶クイーンカップについては『2着・アルセナール』『3着・ルージュスエルテ』の次走以降の成績を見ると、メンバーには恵まれていたと言わざるを得ない状況で、
▶本当の意味でレースでハイパフォーマンスの走りを披露したのは、積極的な競馬をした前走のオークスだけなのかなという評価です。
▶適性的には持続力を生かせる大箱コースの適性が高く、結果を出している東京コースはドンピシャな競馬場で、
▶大跳びで器用さに欠けるフットワークから、小回りやインで窮屈な競馬となっていまうと能力を生かし切れない競馬になってしまう印象で、
▶良い意味で伸び伸びと走らせて能力を発揮できる馬、悪い意味でいうと器用さに欠け大雑把な競馬になりやすい馬という評価です。
▶また、お母さんがBCフィリー&メアスプリントで2年連続好走したウェイヴェルアベニューで、半兄にフランケル産駒のグレナディアガーズがおり、時計勝負は大歓迎という血統背景という評価をしています。
▶中京競馬場は初めてになりますが、ペースによっては外を回しても十分に前に届く競馬場ではあるので、大跳びのクイーンズウォークにとっては、
▶内で立ち回るよりも、ある程度外々を回してきたいところですが、
▶3~4角のコーナー角度がきついだけでなく、下り坂で遠心力で外に膨れやすいコースレイアウトのため、大跳びでコーナリング性能にやや不安があるクイーンズウォークにとっては、相性はそこまで良くない競馬場という見解です。
▶また、距離については体型からみても1600m~2000mが守備範囲という評価で、前走の2400mから距離短縮となる点は、プラス材料です。

◇ローズテークスでのポイント

▶ローテ的には中16週の休み明けの一戦となります。
▶デビューした昨年11月から今年のオークスまで、レース間隔をあまり開けずにコンスタントに走ってきた馬なので、休み明けのレース自体が経験に乏しく未知数です。
▶馬体重は前走時で522㎏で、オークス時は栗東から関東への輸送もある中で『+8㎏』と馬体を増やしていたのは、
▶桜花賞からオークスの期間でぐっと成長をしてきたという評価で、
▶3歳春の時点である程度、馬体的には完成形に近づいていたという見立てです。
▶フォトパドックでは、骨太感のある分厚い骨格の持ち主で、
▶下腿部の血管も浮き上り、胴回りに銭形模様も浮き上がっていることからも、体調面に不安はなさそうです。
▶前後のバランスが良くて、まとまった体型ですが、やや胴は詰まっている馬体の造りからも、距離はオークスの2400mから2000mへの短縮は歓迎という評価です。
▶どうしても逃げたい馬が不在の今回は、ペースが落ち着くという想定で考えると、クイーンカップのように後ろから競馬をして、直線で外を回して差してくるよりも、
▶オークスの時のようにスタートを決めて、ある程度積極的にポジションを取りに行く競馬をした方が好走率は高くなりそうです。
▶能力的には今回のメンバー相手なら上位という見立てですが、レースレベルが上がってからは決め手に欠いていた印象もあるので、
▶勝ち切るには展開の手助けは欲しいという評価です。
▶馬券としては相手候補までの評価が賢明なのかなという見立てです。


◆セキトバイースト

◇時計比較/レース回顧

▶前走の桜花賞は0.6差7着の掲示板外だったので、0.2差2着だったチューリップ賞の時計比較とレース回顧としています。

▶前半のペースが流れたこともあり、ラスト1Fが0.7秒失速していますが、直線では11秒中盤のスピードが求められており、時計面からもレベルの高いレースだったという印象です。
▶チューリップ賞でのセキトバイーストの走りですが、好スタートを決めてそのままハナを取り切り、道中は内ラチ沿いをタイトに回って距離ロスのない競馬。
▶コーナーもブレずに上手に回ってきて、直線入口でも余力を感じさせる手応えで走れており、『勝ち馬・スウィープフィート』の瞬発力にこそ屈しましたが、3番手以降はしっかりと押さえきって2着に逃げ粘りました。
▶前半3Fの(34.5秒)は直近10年で3番目に速く、稍重馬場を考慮すると、ペースは相当流れていましたが、マイペースで走れたことで、先行勢にきついペースも乗り切れたという評価です。
▶メンバーレベルとしても、『勝ち馬・スウィープフィート』は次走の桜花賞で4着、『4着・タガノエルピーダ』が次走の忘れな草賞を勝利、その他にも次走で1勝Cを勝ち上がる馬が3頭おり、今年の3歳牝馬のトップレベルは不在でしたが、出走馬の平均レベルは高かったという見立てです。

◇アビリティ分析

▶3歳牝馬は春のクラシックシーズンまでは、阪神芝1600mと東京芝1600mに強い馬が集まりやすいということを考えると、チューリップ賞での好走や、桜花賞で大負けをしていない点を考慮すると、一定水準以上の能力の持ち主と評価すべき1頭です。
▶実際に桜花賞ではクイーンズウォークに先着していますし、そもそも桜花賞でのセキトバイーストの走りは、自身の得意な持続力を生かす競馬ではなかった点を踏まえると、悪くはない走りだったという評価です。
▶適性的には瞬発力勝負になると分が悪いので、直線で前の馬を捕まえに行くのではなく、前受けをしてしっかりと粘り込んで持続力を生かす競馬がベターという評価で、ペースも道中緩みなくイーブンペース以上で流した方が合っている印象です。
▶馬場状態も高速馬場が苦手ではないですが、時計が掛かったり、渋った馬場になった方が、他馬比較でいうと浮上してくるタイプと見ており、
▶当日の馬場状態によって評価の上げ下げを考えても良いと考えています。
▶課題は2000mへの距離延長になりますが、体型的にはマイルくらいまでという馬体の造りをしていることは確かですので、苦しい戦いが想定されますが、
▶血統的にはBlushing Groomを3本持っており、Blushing Groom自身はマイラーでしたが、産駒からは凱旋門賞馬や英国ダービー馬が輩出されるなど、底力と粘り強さが強調されたタイプで、
▶チューリップ賞のようにマイペースで競馬が出来れば、底力と粘り強さで距離も持たせることが出来るかも知れません。
▶ですので、他の逃げ、先行勢の動向に左右されそうですので、展開の影響を多分に受ける側面が大きくなりそうです。

◇ローズステークスでのポイント

▶ローテ的には中22週で休み明けの1戦となります。
▶セキトバイーストは昨年7月のデビューから桜花賞まで7戦していますが、コンスタントにレースを使われ、休み明けらしい休み明けのレースはなかったので、
▶チューリップ賞で(-10㎏)、桜花賞で(-4㎏)と馬体を減らしながら、上級条件で走っていたことを考慮すると、
▶一度休みを入れて、体勢を立て直すという観点でいうと、プラスに働いてきそうという見立てです。
▶フォトパドックを見た印象は、先ほども述べた通り、コンパクトにまとまった馬体で距離はマイルくらいまでという印象です。
▶桜花賞時のフォトパドックと比較をするとトモを中心にボリュームアップをしていて、夏に休みを取った効果は大きいのかなという印象です。
▶今回は特別登録の段階では、セキトバイーストよりも先行力がありそうな馬はレディーヴァリューくらいで、そこまで激しい先手争いにならなそうな点はこの馬にとって展開利がありそうです。
▶あとは距離の壁がどうかですが、コーナーリング性能も良い馬なのでマイペースで距離ロスなく4つコーナーを回って来れれば、ある程度直線でも粘れるという見解ですが、
▶距離を意識して道中でペースを緩ませるようなペースメイクをしてしまうと、2000mに適性が高く、瞬発力に長けた馬に歯が立たないという場面もありそうで、評価が悩ましい1頭です。


◆タガノエルピーダ

◇時計比較/レース回顧

▶前走のオークスは16着(1.8差負け)と、差し馬が台頭する直線スピード勝負で好走出来ずという競馬だったので、2走前の忘れな草賞の時計比較とレース回顧としています。

▶8頭立てと少頭数で、大逃げをした3頭が残り3F付近でタガノエルピーダに捕まっているので、後半3Fの『11.9-11.4-12.1』というラップは、ほぼタガノエルピーダの個別ラップであると考えると、ラストの登坂部分で失速するコース形態に素直なラップ構成という評価です。
▶忘れな草賞でのタガノエルピーダの走りですが、五分のスタートを決めて、ペースを上げて大逃げする前3頭を離れた4番手で追走する競馬。
▶8頭立てという頭数もあり道中はタイトな馬群にはならず、プレッシャーを受けることなくスムーズに追走できており、
▶残り3F付近で先頭に立ってからは能力で推し切る形で、ラスト2Fも『11.4-12.1』と失速してはいますが、
▶脚色自体はしっかりとしたフットワークでゴール前まで走り切っていたという評価です。
▶ただ、メンバーレベル自体は次走で馬券内に入った馬が『8着・オオナミコナミ』だけと手薄だったことは否めないので、
▶この忘れな草賞の結果をもって、この馬の能力を推し量る材料とするのは厳しいという見解です。

◇アビリティ分析

▶能力的には朝日杯FSでのパフォーマンスが評価が高く、シュトラウスが作った激流を道中3番手で追走し、直線では馬群に飲み込まれそうな手応えになりながらも、直線半ばで巻き返す持続力を発揮。
▶逃げ先行馬が壊滅するタフなレース展開の中、先行し、かつ4角で外を回したタガノエルピーダがデビュー2戦目で披露をしたパフォーマンスは正に圧巻の一言でした。
▶昨年の朝日FSは1週前の阪神JFと比較をしてレベルを疑問視されたレースではありましたが、現時点で振り返ると、『勝ち馬・ジャンタルマンタル』は皐月賞3着、NHKマイルC勝利と3歳最強マイラーでしたし、『4着・ジューンテイク』も京都新聞杯で重賞勝ち、『8着・ダノンマッキンリー』もファルコンステークス勝ちと重賞勝ち馬を複数含むハイレベルな一戦でした。
▶また、タガノエルピーダはそもそも新馬戦のパフォーマンスが優秀で、京都芝1600m(内)で計時したレースの後半4F(45.5秒)は、2009年以降の2歳戦では最速ですし、さらに後半2F(11.0-11.0)という強烈なラップ刻んだ中で、抜群のフットワークで駆け抜けたことからも、相当なポテンシャルを秘めているという評価でした。
▶ただ、小柄な馬体ということもあって、3歳春時点での成長は限定的だった印象で、チューリップ賞は『外枠+ハイペース』で展開負けでしたし、オークスは距離の壁にぶつかるなど、持てるポテンシャルを生かし切れていないレースが続いたという評価です。
▶適性的には持続力に振り切ったタイプで、瞬発力勝負になってしまうと苦しいことは否定できませんが、
▶馬場コンディションは高速馬場でも時計が掛かる馬場でもしっかりと走って来れるので、馬場状態で評価の上げ下げは必要ないと見ています。
▶スタートも上手ですし、先行力もあるので、ペースが緩んで瞬発力勝負になることがこの馬にとっては最も組しづらい展開ということを考えると、
▶ある程度、自らペースメイクするというのも選択肢となりそうです。

◇ローズステークスでのポイント

▶ローテ的には中16週で休み明けの1戦となります。
▶馬体重がデビュー時の440㎏から細かな増減がありながら、結果的にオークスでも440㎏でした。
▶ただ、オークスは関東への輸送もあっての440㎏なので、多少成長はしていたとみても良さそうですが、それでもデビュー時からガラッと馬体が変わってきたという印象はなかったので、ひと夏を越して馬体の成長を期待したいタイミングです。
▶そもそも4月20日生まれと遅生まれの部類に入ると思うので、成長曲線としてもこれからの馬という見立てです。
▶フォトパドックは、前後のバランスが良い好馬体で、胸が深く心肺機能も高そうで、この馬の厳しいペースで発揮する持続力の源泉になっている印象です。
▶また、毛艶も良く体調面での不安は心配なさそうで、
▶背中のラインも胴の造りも、馬体が小柄ということもありますが、比較的短めで、距離は1800mを中心に前後1Fずつくらいなのかなという見立てです。
▶そういった観点でいうと、今回は前走の2400mからの距離短縮になりますので、舞台条件的にはプラスという評価です。
▶デビュー戦と2戦目の朝日杯FSで見せたパフォーマンスの高さは世代の上位と遜色ないと評価しており、近走はメンバーレベルが低かった忘れな草賞以外はピリッとしない競馬になっていますが、
▶能力は確かなものを持っているだけに、しっかりと休みを挟んで成長をしてきてくれれば、ここでも主役を張れる1頭という見立てです。
▶ただ、この馬の最大のネックは瞬発力勝負で他馬に劣後する面があることで、芝のレースは上級条件になればなるほど、瞬発力お化けが出走馬の中に増えてくるため、
▶どうしても、何かに差されて2、3着という成績が増えてしまうことは、頭に入れて馬券を組んだ方が良いという見解です。


◆レガレイラ

◇時計比較/レース回顧

▶前走の日本ダービーは上り最速の末脚で追い込んで来ましたが、前残りの展開ということもあって0.7差5着でした。比較対象の芝2400mのレースが同日の4歳以上2勝Cの青嵐(あおあらし)賞か、1週前のオークスしかないので、時計比較とレース回顧はコースレコードでの決着となった皐月賞とします。

▶後半4Fが失速率の低い持続力戦となっており、このラップを刻まれると後方から直線スピードの高さで逆転したい差し・追込馬には苦しい後半戦だったという評価です。
▶皐月賞でのレガレイラの走りですが、スタートは出遅れて後方からの競馬。
▶道中は1角入口付近や、向正面で他馬と接触をしながら削りあう地味にハードな競馬内容となっています。
▶メイショウタバルの大逃げで2番手集団が競馬しやすくなったこともあり、後方勢がなし崩し的に脚を使わされる展開となって、
▶直線で勝負圏内に迫れず、前の馬を捉えるのも難しい形にはなってしまいましたが、
▶終いの脚は相変わらずしっかりとしていたので、展開負けという評価が妥当という見解です。
▶メンバーレベルについては、特段ここで言及する必要がないくらい、今年の3歳牡馬の一線級が揃ったレースだったという評価です。

◇アビリティ分析

▶能力的にはこのメンバーに入れば最上位の存在であることは間違いないかなという評価です。
▶ホープフルS⇒皐月賞⇒日本ダービーと牡馬の王道路線で1番人気、2番人気と上位人気を背負い続ける評価を受けたことは、決して人気先行ということではなく、実力を評価されてのものだったという印象です。
▶圧巻の競馬だったのは、やはりホープフルステークスで、道中淀みのないペースの中、ラスト2F(12.0-11.5)と加速ラップを刻んだレースでしっかりと差し切るパフォーマンスというのは圧巻の一言です。
▶ホープフルステークスのレガレイラの個別ラップはラスト1Fが(推定11.1秒)と見ているので、中山で繰り出す末脚としてはこれ以上は望めないという末脚でした。
▶血統的にもLyphardのクロスを持っていて、小回りコースでの立ち回りの巧さ、機動力に優れていると評価しており、
▶日本ダービーの動画でも述べましたが、成長してきてゲートが改善されてくると、同じLyphardクロスを持ちで、ハーツクライ系という共通点もある『リスグラシュー』のようなタイプに成長するとみており、
▶中山や阪神内回りで機動力を生かして、びゅんびゅん立ち回る器用なタイプになると考えています。
▶皐月賞、日本ダービーは前有利な展開に泣かされた面が多分にあると見ており、その中でも牡馬に交じって常に最速の上りを使いながら、前を追い掛ける姿を見ると、春の2戦で殊更に評価を下げる必要はないという見解です。
▶適性的にはトップスピードの高さと加速力の高さが持ち味の馬で、直線勝負が望ましいタイプなので、
▶直線入口でどれだけ先行する馬たちを射程圏に入れて4角を回って来れるかに掛かっていると思いますが、
▶中京のコーナー角度はきついですし、3~4角の区間はしっかりと坂を下っているので、スピードを上げると遠心力で外に振られてしまうため、
▶例え立ち回りの巧さがある馬でも、距離ロスには難儀をしてしまうという見立てです。
▶ペース自体もハイペースが得意という訳ではないですが、淀みのないラップで淡々と流れる厳しめのペースを得意としていると評価をしているだけに、
▶今回の逃げ馬が手薄なメンバー構成で、中弛みのスローペースになってしまうと、流石のレガレイラでも差し損ねる展開は想定しておいた方が良さそうです。

◇ローズステークスのポイント

▶ローテ的には中15週と休み明けの一戦となります。
▶これまでの戦績を見ても分かる通り、レース間隔が詰まっていたのは、皐月賞から中5週となった日本ダービーくらいで、
▶あとはぶっつけGⅠを含む、ほとんどのレースが休み明けだったと考えると、今回も評価を下げる必要はないという見解です。
▶馬体重はデビュー時が452㎏で前走が458㎏と、劇的な馬体の変化はありませんでしたが、馬体重は常に安定しており、体調面での起伏が少ない印象です。
▶ひと夏を越して、馬体の成長を見せて欲しい局面ではあると思います。
▶血統的にはスワーヴリチャード産駒で、巷ではスワーヴリチャード産駒の早熟傾向が囁かれていますが、
▶確かにハーツクライ系を3歳クラシックに間に合わせるためには、北米の速い血脈との配合がセオリーで、そうなってくると成長が早く、ピークも3歳春になるというのは理屈は通る部分はありますが、
▶そもそもスワーヴリチャード自体が5歳時にジャパンカップを勝利している馬なので、血統のどの部分が産駒に表現されるかに左右されるかと思います。
▶レガレイラは、Lyphardクロスや牝系のウインドインハーヘアから引き継ぐ、スタミナを感じるタイプなので、古馬になっても一線級で活躍できる馬という評価です。
▶フォトパドックでは胴を長く見せる馬体で、距離は2000m以上無いと足らないと思わされるくらい長距離志向が強いタイプです。
▶馬体はすっきりと見せており、毛ヅヤも良く休み明けからでも仕上がりは良さそうという評価です。
▶逃げ馬が手薄なメンバー構成で中盤が緩むスローペースになるのは、デビュー以来全てのレースで出遅れているレガレイラにとって、嫌な展開になりそうではありますが、
▶そうはいっても、これだけの能力を持っている馬ですので、馬券から外すという選択肢は、個人的にはないと考えており、
▶レガレイラが馬券に絡んでも期待値を確保できるような、穴馬を検討するか、相手を極端に絞るかが必要になってくるレースという見解です。


◆ローズステークスのまとめ

レガレイラについては当然能力的に嫌う必要はないですし、軸候補と考えているので、AAA評価のカニキュルとタガノエルピーダが相手候補の中心になってくるという評価としたいと思います。
あとは、オーロラエックスとチェレスタの前走の勝ち時計は高い評価をしていますし、フレミングフープも前走の勝ち時計はまずまずで、今回も馬券内に迫れるくらいの能力は示せているので、何とか馬券候補を絞ってレースに臨めるよう、日曜日まで検討したいと思います。

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