飲食店開業の第一歩

飲食店を開業する夢、叶えられますか?

飲食店を開業したいと思ったことはありませんか?カフェ、居酒屋、ラーメン屋、焼肉屋…色々ありますよね。でも、どこから始めればいいのでしょうか?いきなり物件を契約して店を開いてしまうのでしょうか?

やめて!

飲食店の開業は多くの人が夢見る一方で、その夢の先には厳しい現実が待っています。以下の数字を見てみましょう。

飲食店の生存率

  1. 初年度の閉店率:多くの飲食店は開業後1年以内に閉店する可能性が高いです。具体的には、約30%から40%の飲食店が開業から1年以内に閉店します。

  2. 3年目の生存率:3年間営業を続けられる飲食店は開業した店の約50%程度です。

  3. 5年目の生存率:5年間営業を続けられる飲食店は、開業時の約30%から40%です。つまり、5年以内に閉店する飲食店は全体の約60%から70%にのぼります。

  4. 10年目の生存率:10年間営業を続けられる飲食店はさらに少なく、開業時の約20%程度とされています。

日本政策金融公庫のデータによると、飲食店の新規開業後の1年後の生存率は約63.5%、3年後の生存率は約48.7%、5年後の生存率は約38.5%です。

これを見てやる気が萎える人もいるかもしれません。しかし、この数字の中には元々長くやるつもりではなかった店も含まれています。例えば、短期間で廃業する店の中には、消費税対策のために2年足らずで廃業と開業を繰り返している場合も含まれます。

開業前の準備不足が原因

それでも、多くの飲食店が短期間で廃業に追い込まれるのは事実です。その大きな理由の一つに『開業前の準備不足』があります。準備には、資金、情報、人材、技術などがありますが、特に疎かになりがちなのが『情報』です。

資金が貯まり、腕に自信があるからといってすぐに開業するのではなく、正しい情報を持つことが大切です。正しい情報があれば失敗する確率を下げることができます。

今回は構える店の場所やメニュー構成、言わば城を築く場所や形を決めるのに最も重要な『市場調査』についてお話しします。市場調査には以下のステップが重要です。

市場調査のステップ

  1. ターゲット市場の特定

    • 人口統計情報:年齢層、性別、所得レベル、家族構成などを調査。

    • ライフスタイル:食事の好み、外食の頻度、健康志向など。

    • 地理的特性:店舗の周辺地域の特性、交通の便、競合店の位置など。

  2. 競合分析

    • 競合店舗の調査:近隣の飲食店の種類、メニュー、価格帯、サービス内容などを調査。

    • 強みと弱みの分析:競合店の成功要因や課題を特定。

    • 市場ギャップの特定:競合が提供していないニッチ市場や差別化ポイントを見つける。

  3. 顧客調査

    • アンケート調査:ターゲット顧客に対してアンケートを実施し、ニーズや期待を把握。

    • フォーカスグループ:小規模なグループディスカッションを行い、深いインサイトを得る。

    • オンラインレビュー分析:競合店舗のオンラインレビューを分析し、顧客の満足度や不満点を把握。

  4. マクロ環境の分析

    • 経済状況:地域の経済状況や消費者の購買力を調査。

    • 法規制:飲食店に関する法規制や許認可の要件を確認。

    • トレンド分析:飲食業界の最新トレンドや消費者の嗜好の変化を把握。

  5. サイト調査

    • 立地の評価:人通り、駐車場の有無、交通アクセスなどを評価。

    • 不動産市場調査:賃料相場や物件の供給状況を調査。

  6. SWOT分析

    • 強み(Strengths):内部資源や能力を評価。

    • 弱み(Weaknesses):内部の課題や改善点を特定。

    • 機会(Opportunities):外部環境から得られる成長機会を見つける。

    • 脅威(Threats):外部環境のリスクや競争要因を把握。

  7. データの活用

    • 統計データの収集:政府や業界団体の統計データを活用。

    • データ分析ツールの使用:顧客管理システムや分析ソフトを用いてデータを解析。

これらのステップを踏むことで、市場の理解を深め、効果的なビジネス戦略を立案することができます。次回も、飲食店開業のための重要な情報をお届けしますので、お楽しみに!

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