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(760-47)*0.21-PaCO2/0.8-Pa02❓❓❓ってなった人へ

対象 [国家試験を勉強中の医学生、呼吸に詳しくなりたい医学生]
僕も勉強中です、少しでも考え方をシェアできたらいいなぁと思ってます。

国家試験の勉強してると(760-47)*0.21-PaCO2/0.8-Pa02っていう式に出会います。国家試験の勉強で出てくる一番難しそうな数式だと感じてます。
今回はこの式を攻略するための説明をしていきます‼︎

最初に結論!!

(760-47)*0.21-PaCO2/0.8-Pa02の式がわかると患者さんの呼吸状態が悪いと評価できます。具体的にはシャント、肺換気血流比の不均衡、拡散障害のいずれかであるとわかります。

そもそも何の式なの⁇

この式はA-aDO2(肺胞気動脈血酸素分圧較差)と呼びます。この式は肺胞内の酸素の量と動脈血内の酸素の量の差分を表してます。
では、A-aDO2が高い人と低い人どっちが呼吸の状態は良いでしょうか⁇
呼吸の目的は酸素を血液に送り届けることです。より効率的に肺胞の酸素を動脈血に送り届けることができていたら、肺胞内の酸素の量と動脈血内の酸素の量は近づきます。つまり、A-aDO2は低い人の方が呼吸の状態は良いということになりますね。

A-aDO2が高いとどこが悪い⁇

A-aDO2が高い人は肺胞の酸素を血液に届けることができてない訳なので、肺そのものが悪いと考えることができます。具体的には、換気血流比不均衡、拡散障害、シャントが挙げられます。

いよいよ式の説明‼︎

今日の本題に入ります。ここからが大変ですが読んでいただけると嬉しいです。(760-47)*0.21-PaCO2/0.8-Pa02の説明でしたね。数式を理解するには、まず全体から理解していく方が僕は好みです。
あと、数式を理解するには実際に手を動かして計算してみるのが一番の、近道だと感じています。是非ノートに書きながら読み進めてみて下さい。

A-aDO2は肺胞内の酸素の量と動脈血内の酸素の量の差分であると説明しました。(760-47)*0.21-PaCO2/0.8これが肺胞内の酸素の量です。PaO2が動脈血内の酸素の量です。この2つを引き算することで差分が分かります。
次に肺胞内の酸素の量がどのように決まっているのかを考えます。肺胞内の酸素の量は吸い込んだ酸素の量と肺胞から動脈血の吸収した酸素の量の差分です。まずは、肺胞内に吸い込んだ酸素の量について考えます。式としては(760-47)*0.21の部分です。760とは大気圧です、要するに空気の重さだと考えればOKです。47は水蒸気圧です。吸い込んだ空気は肺が乾燥しないように気道で加湿されます。その分の空気の重さが減るのです。これに0.21をかけます、空気のうち酸素が占める割合は21%だからです。これで吸い込んだ酸素の量がわかりました。次に血液内に吸収した酸素の量を考えます。呼吸では吸い込んだ酸素と体内で発生した二酸化炭素を交換しています。ただし、この時の交換が1:1ではないのです。実は酸素10個に対して二酸化炭素が8個交換されています。よって排出さてた二酸化炭素の個数を0.8で割返してあげると吸収された酸素の個数がわかるのです。これで吸い込んだ酸素の量と吸収された酸素の量がわかりました、この差分こそが肺胞内の酸素の量となります。

A-aDO2の基準値

最後にA-aDO2の基準値ですが、余裕がない人は10ぐらいと覚えておけばいいと思います。ただし余力がある人は、年齢によってA-aDO2が変化することを覚えておきましょう。年齢が上がるにつれて肺が酸素を取り込む能力は下がるのでA-aDO2の値は大きくなっていきます。

A-aDO2の基準値<年齢*0.3

となります。

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