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読書と日記:6月9日~6月18日:五木寛之さんと『ミステリと言う勿れ』

帰省のJRは本を読むには絶好で、二時間ちょっとの乗車時間をわたしは愛している。本気で。

何事によらず、調和とか統一とかいった発想は、社会の貧血の証拠であろう。

『五木寛之の金沢さんぽ』31ページより

カキツバタのつぼみが夜明けに開く。その時、ポッと小さな音がするのだという。本当か嘘か知らないが、その音を聞くために、夜明け前の兼六園へ出かける人がいるというのは、以前に聞いたことがあった。

『五木寛之の金沢さんぽ』30ページより

金沢の街を歩いて気付くことだが、赤い色彩が次々と減っていくようだ。そして、白い建物だけが無闇に増えていく。
これは世界的な建築界の傾向だろうが、白が本当に美しいのは、金色の陽光と、真青な空の下ではあるまいか。北陸の陰鬱な背景の中では、赤がひときわ美しいはずである。

『五木寛之の金沢さんぽ』32ページより

講談社文庫の『五木寛之の金沢さんぽ』はちょうど半分ほど読み終わったところ。

『ミステリと言う勿れ⑭』は、ちょうどカフェに行ける日にふらりと書店に寄ったら手に入れることができて、カフェでほくほくと読んだ。

田村由美さんは中学生の頃から読んでいるので、今も現役で作品をヒットさせていることが凄いなぁと改めて感じながら、今回も面白く読みました。次巻はガロくんの出番だ。楽しみ!

ちなみに、最初に読んだ田村由美さん作品は『巴が行く!』主人公の巴も、伊織も、上総もカッコよかったな。友達のひとりは、息子に「和総(カズサ)」と名付けていた。

図書館では相変わらず五木寛之さんの本を漁ってしまう。その中の1冊、『親鸞と道元』は、五木寛之さんと立松和平さんの対談本。

立松和平さんと言えば、アルバイトをしていた地元の本屋さんの大奥さんが、「立松和平さんはスキャンダルがないから好きなの」と言って読んでいたのを思い出す。

そんな思い出があるにも関わらず、わたしはまったく手にしたことはなかったんだけど。でも、この対談本を機会に、立松和平さんの『道元禅師』を読んでみようと思う。

…となるから、積ん読は終わらないんだな、と。