(クリスマスは過ぎてしまったけれど)メリークリスマスおおかみさん

※以前勤めていた職場は、プロテスタント系の学校だったため、毎朝礼拝がありました。その礼拝で私が話したものの記録です。毎回、指定された聖書箇所からお話を考えます。私の解釈が間違っていることもあるかもしれないですが、大目に見てください。

2015.12.01

旧約聖書1078ページ
イザヤ書11章1節から10節

平和の王
エッサイの株からひとつの芽が萌えいで その根からひとつの若枝が育ち その上に主の霊がとどまる。知恵とその識別の霊 思慮と勇気の霊 主を知り、畏れ敬う例。彼は主を畏れ敬う例に満たされる。目に見えるところによって裁きを行わず。耳にするところによって弁護することはない。弱い人のために正当な裁きを行い この地の貧しい人を公平に弁護する。その口の鞭を持って地を打ち 唇の勢いをもって逆らう者をしに至らせる。正義をその腰の帯とし 真実をその身に帯びる。
狼は仔羊と共に宿り 豹は子山羊と共に伏す。子牛は若獅子と共に育ち 小さい子供らがそれらを導く。牛もくまも共に草をはみ その子らは共に伏し 獅子も牛もひとしく干し草を食らう。乳飲み子は毒蛇の穴に戯れ 幼子は蝮の巣を手に入れる。私の聖なる山においては 何ものも害を加えず、滅ぼすこともない。水が海を覆っているように 大地は主を知る知識で満たされる。その日が来れば エッサイの根は すべて民の旗印として立てられ 国々はそれを求めて集う。そのとどまるところは栄光に輝く。

今日は、絵本を皆さんに紹介したいと思います。その絵本は「メリークリスマスおおかみさん」というものです。読んだことがある人もいるかもしれませんが、12ページほどからなる、薄いかわいい絵本です。

この絵本に登場するのは12匹の子ブタの兄弟と、1匹の腹ペコオオカミです。

クリスマスを翌日に控えた12匹の子ブタの兄弟が、歌いながらツリーやリースを飾っています。

そこに、1匹の腹ペコオオカミがやってきます。

オオカミは、子ブタたちを追いかけながらツリーやリースをメチャクチャにします。そして、あっという間に12匹の子ブタを捕まえ、「今夜はごちそうだ!」といって捕まえたまま走り出します。

すると、オオカミは自分が壊したツリーにつまずいて転んでしまいます。子ブタたちは柔らかい草の上に落ちたので怪我をしなかったのですが、オオカミはピクリとも動きません。12匹の子ブタは、オオカミのことを心配しています。

気を失ったオオカミが目を覚ますと、オオカミはベッドの上で寝ていました。オオカミは体中が痛くて手も足も動かすことができません。1匹の子ブタが、オオカミが目を覚ましたことに気がつき、「気がついたよ!」そういったとき、オオカミは、「お前たちを食ってやるー!」と叫びました。

けれど、オオカミの口には包帯がグルグル巻きにされています。なので、子ブタたちには「ううううう」としか聞こえません。その叫び声を「ごめんねと言っているのかもしれない」、「ありがとうって言っているのかな」と連想する子ブタたちはオオカミに、「もういいんだよ、オオカミさん。お薬塗ったらすぐよくなるからね。」と言います。

それに対してオオカミは、「違う、違う!怪我が治ったらお前たちをむしゃむしゃくってやる!」といいます。そう言っても、子ブタたちには「ううううう」としか聞こえません。

悔しくなってオオカミは涙を流すも、子ブタたちには痛がって泣いているようにしか見えません。その夜、子ブタたちはベッドの上に「僕たちからのクリスマスプレゼントだよ、早くよくなってね」と、そっと赤い手袋を置きました。

次の日の朝です。子ブタたちが起きると、オオカミはどこにもいませんでした。子ブタたちが外に出ると、ドアには綺麗に直ったリースがかかり、そしてクリスマスツリーも立っていました。森の中には子ブタたちの歌が響いています。そんな中、オオカミは足を引きずりながらゆっくり歩きだし、口の包帯を取ってそっと「メリークリスマス」と言いました。

この絵本を今ここでお見せできないのが残念ですが、イラストはとてもかわいく、読みやすく、子ブタの優しさに心が温かくなる、とても素敵な絵本です。

オオカミと子ブタは食うか食われるか・・・の関係です。オオカミが何を言っても、ここでは完全に子ブタの勘違いとはいえ、子ブタが常に優しさと思いやりと愛を降り注いでいました。すると、最終的にはオオカミの心は動かされます。

みなさんが普段の生活の中で、不安や恐れに負けて流れそうになってしまうときに、まず立ち止まってみましょう。そして、神さまの声を聞いてみましょう。もしかすると、すっかり切り倒され、何も残っていないかのような根株のような状態だとしても、神さまはその根株からも新芽を生えさせ、若枝を出させ、実を結ぶようにしてくださいます。

神さまはこの絵本に出てきた子ブタのように、決して見捨てるようなことはしません。私たちのさまざまな傷に絆創膏をはってふさぐだけではなく、たくさんの優しさと思いやりと愛を降り注いでくださっています。

その声を聞いて、しっかり歩んでいくことが大切なのです。

お祈りします。
神さま、今日も新しい朝をありがとうございます。今日与えられたこの一日の恵みに感謝しつつ、あなたの支えと導きによって仕える歩みができますように。今、心や体に痛みを覚えている者や、この場に集えない者がいましたら特別に顧みてください。今日も一日、学校生活をお守りください。この小さきお祈りを主イエスキリストの御前にお捧げいたします。アーメン。

よいクリスマスをお過ごしください。

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