神さまのご計画のお話

※以前勤めていた職場は、プロテスタント系の学校だったため、毎朝礼拝がありました。その礼拝で私が話したものの記録です。毎回、指定された聖書箇所からお話を考えます。私の解釈が間違っていることもあるかもしれないですが、大目に見てください。

2015.07.26
※学校の宿泊行事、最終日の朝の礼拝のお話です

ローマの信徒への手紙8章28節
神を愛する者たち、つまり、ご計画に従って召された者たちは、万事が益となるようにともに働くということを、私たちは知っています。

私がここに来るのは、今回で4回目になります。何回訪れてもこの場所に足を一歩踏み入れた時に感じる気持ちは初めて訪れた時に感じた気持ちと同じで、まずは自然の素晴らしさに圧倒され、心がすぐさま癒されます。

そして、みんなが一生懸命、真剣な表情で楽しみながらさまざまなプログラムに参加する姿を見ていると、なんだかとても幸せな気持ちになります。

みなさんにとって今回の課外教室はどうだったでしょうか?キャビンリーダーの先生やお友だちやカマドーマとのキャビン生活、自然観察や水泳やカッター、野外炊飯などなど盛りだくさんのプログラム。たくさん楽しめたでしょうか?友だちや先生の素敵なところを発見しましたか?大自然からさまざまなことを学びましたか?

もしかすると、今あげたようないい事や楽しいことばかりではなく、湖で泳ぐのはちょっと嫌だったなぁとか、もっとお友だちと話がしたいのに10時に寝なくちゃいけないのは嫌だったなぁとか、虫最悪とか、インスタは見れないし、UPもできないなんて最悪とか、そういう気持ちもあったのでしょうか?

さて、私がみなさんと同じくらいのとき・・・かれこれ15年くらい前のことになりますが、中1のときには富浦というところで2キロの遠泳を行なう海の学校がありました。また中2のときには槍ヶ岳、白馬、唐松の3種類の山の中からどこかしらの山を選択して登る山の学校がありました。

どちらも宿泊行事で、先生方と友だち、そして海、もしくは山といった大自然と過ごす行事でした。これらの行事に参加している時は、友だちとうまくいかず、帰りたいなーと思った日もあったり、海でクラゲに刺されて痺れるといった辛い思いをしたり、なかなか先の見えない山道や、2、3日お風呂に入れない山小屋生活の中、高山病になったりして帰りたいなと思ったときもありました。

1つ1つ考えると嫌なこともあり、これらが絶対に必要だったかと言われるとよく分かりません。けれど、全てやり終えて、あとから振り返ってみると、それらはバラバラではなくどこかが繋がっていて、たくさんの友だちとたくさんの思い出を作ることができました。

さらに、大好きな友だちと先生と一緒だったから最後まで頑張ることができ、大きな達成感を味わえたり、自然の素晴らしさを改めて感じることができました。これらの行事は自分自身にたくさんのことを気づかせ、そして自分自身を大きく成長させてくれたものであり、これらがあったから今の自分があるといっても過言ではないと思います。

そう思う理由の一つに、ちょうど今のみなさんと同じ、中2の時の、山の学校という行事のときに、将来教員という職につきたいと思うようになったことが挙げられます。

それまでは、スポーツ選手になりたいという夢を持っていたのですが、現実的に考えて、選手になるのは厳しいかなとなんとなく思うようになり、中2の宿泊行事の時に一緒に行っていた先生方を見ていて、とても楽しそうに見え、教員になりたいと思うようになった、そんなきっかけを与えてくれた行事でもあったからです。

ですが、当時の私にとって、海の学校という宿泊行事も、山の学校という宿泊行事も、嫌な部分もあったし、教員になりたいと思うようになったのも、スポーツ選手は無理そうだから取り敢えず妥当な夢にしておこうということで、大好きな先生に影響されたものであり、それらは、一つ一つで見ると人生において単なる点でしかありませんでした。

今、点と言いましたが、スタンフォード大学の卒業式のスピーチの中でアップル社の共同設立者の1人であるスティーブ・ジョブズ氏はこんな話をしています。「バラバラの点であっても、将来それがなんらかの形で必ず繋がっていくと信じることで、点と点が自分の歩んで行く道の途中のどこかで必ずひとつにつながっていく。」と。

つまり、私自身がみなさんくらいの頃に体験してきた毎年行われる宿泊行事や、中2のときに影響を受けて教員を目指したいなと思ったことや、それ以外にも、以前礼拝のときにお話した、洗礼を受けたこととか、その他にも、今回は詳しく話しませんが、今みんなの前でこのように話をするような教員という職に辿りつくまで、様々な点を通ってきました。

それらは、単体で見ると、本当に点でしかなく、意味があったのだろうか・・・遠回りしてしまっただけなのではないか・・・と思ってしまうことも少なくありません。けれど、スティーブ・ジョブズ氏の言葉からもわかるように、振り返ってみると、全てがひとつに繋がっていて、今この素敵な場所でみなさんにこのお話をすることができている今日まで、ずーっと導かれてきたのだと思います。

今日お読みした聖書箇所ですが、
「神を愛する者たち、つまり、ご計画に従って召された者たちは、万事が益となるようにともに働くということを、私たちは知っています。」とあります。

1つ1つをバラバラに見たら、それは益となっているようには到底見えません。しかし、神さまがご計画されていることを信じて、それらがともに働くとき、それは益となるということです。

神さまの計画である点と点が繋がっていることを信じて、それぞれの点を一生懸命過ごす、つまり、ゴールに行くまでのプロセスであるそれぞれの点を神さまとともに楽しんでいくことで、最高の自分になれるのではないでしょうか。

ですから、今回の宿泊行事は、たとえ、ネガティブなことがあったとしても、それも神さまの御計画のうちであり、みなさんにとって、これから歩んで行く人生の中にある点の一つです。この点は他の点とつながり、きっとこれからの自分自身に生きてくるのではないかと思います。

この宿泊行事を成功させるために、事前に準備をしてくださった多くの方々、宿泊行事期間中たくさんえてくださった先生方、快くこの夏期学校へ送り出してくださったみなさんのご両親、そして、いつも見守ってくださっている神さまに感謝し、今回の夏期学校を自分自身の素晴らしい点の一つとして大切にし、さらに成長していって欲しいと思います。

お祈りします。
天にいらっしゃいます父なる神さま、今日も新しい朝をありがとうございます。
今日で最終日を迎えました。ここまで、天気にも恵まれ、プログラムも無事に行うことができたことに感謝いたします。そして、多くのことを学べたことに感謝いたします。今回の経験も神さまのご計画であると信じることができ、自分にとって大きな益となるよう神さまとともに歩んで行くことができますように。今回参加することができなかった子たちの上にも大きな祝福がありますように。また、帰り道もお守りください。このお祈りを主イエスキリストのみなによって御前にお捧げいたします。アーメン。

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