「減税」は、ベーシックインカムに相当するか?【第二回】ベーシックインカムについて考える。

例えば昨年、100万円の税金(社会保障費も含む)を払っていたとして、今年からその税金すべてが免除となったとします。

この人にとっては、今年100万円が手元に増えるので、ベーシックインカムが始まって100万円支給されることになりました!と同じような気がします。

違う点はあるでしょうか?

まずは、税金によって提供されていた公的サービスの質がどうなるか、が気になります。

税金免除になった分、それらの公的サービスが停止され、結局免除された100万でそのサービスを享受することになれば、なんだか変化がなさそうです。

ただ個人の税金は免除となって、その分を法人税などから補填することができ、結局公的サービスも維持されれば、個人は得したといえるかもしれません。

しかし、上の前提は昨年と同じ仕事をして同じ報酬をもらう、という前提での話でしたが、課される法人税が増えてその事業の業績が悪化し報酬が下がることになれば、また結局同じことになりそうです。

ことほどかように、ベーシックインカムという制度や、それに類する制度を考えるときには、ぱっと見手元に残るお金が増えるという点だけに注目しては、その実質性を考察するには足りないというところでしょう。

今回は、減税というトピックから考えてみましたが、その場合は一つの対(つい)として、税金によって担保されている公的サービス、という視点を同時に考える必要がありそうです。

終わり。

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