見出し画像

米国IPO通信(12月21日週の振り返り&12月28日週の戦略&2020年IPO総括)

公認会計士のケイ ( @Kei_IPOstock )です。主に米国IPOに関する情報を発信しています。

米国IPO通信では、毎週日曜日に、米国新規IPO銘柄並びに2020年IPOの主力銘柄に焦点を当て、1週間の振り返りと、次週の戦略についての情報を発信しています。

また、当アカウントでは「1分で理解する新規IPO銘柄」シリーズ、注目IPO銘柄分析、米国IPO株分析を通して会計・ファイナンスを実践的に学べるコンテンツ等も併せて発信しておりますので、ご興味がある方は、是非本アカウント並びにTwitterのフォローもお願い致します。

記事は少しでも多くの方に読んで頂きたいとの思いから全文無料で公開させて頂いておりますが、ご覧頂けますと分かります通り、かなりのボリュームの独自データベースの更新管理に加え、他では有料であろうコンテンツも多々含んでおります。もし、価値を感じて頂いた方は今後継続して発信し続けるためにも、是非サポートをお願い出来ればと思います。今後ともよろしくお願い致します。

1.今週の新規IPO銘柄振り返り(12月21日週)

12月21日週(以下今週)ですが、1件のIPOがありました(SPAC除く)。とは言え、クリスマス休暇のため、IPOに対する注目度もとても低かったと思います。

画像1

2.次週の新規IPO銘柄紹介(12月28日週)

12月28日週(以下次週)ですが、予定されているIPOは0件です(SPACを除く)。

3.急上昇銘柄の検証

本項目では、2020年にIPOした銘柄を母集団として、週間上昇率でランク付けを行い、急上昇している銘柄について分析します。

公開価格、初日終値、前々週終値、前週終値、今週終値の株価推移を追うことで上昇モードに転換した銘柄を早めに見つけ出し、早めに投資することで大きなリターンが望めるのではないかという仮説の下、分析を行っています。

先週の米国IPO通信で、FUBOとTLSが面白そうという形でお伝えしたかと思いますが、いずれも今週大きく跳ねましたね。FUBOは週半ばでショート推奨のレポートが出てしまったため、週半ばで大幅下落しましたが、一時は$60台にも突入するなど物凄い上げでしたね。

画像5

画像4

さて、今週の急騰銘柄は以下の通りです。

画像2

順張り(公募価格を下回っていない)で、ぱっと見た感じ、注目しているのはのは、PUBM、LESLです(バイオ銘柄は専門外のため除く)。

PUBMは広告Tech(AdTech)の会社ですが、最近AdTechのモメンタムが強気な印象なため注目しています。チャートは週半ばで暴騰したものの、一旦は収束傾向にあるため、まずは$29のレジスタンスラインを守れるかが焦点だと思います。ここを守れれば、また上を目指していく可能性は大いにあると思います。

画像6

LESLは9月にIPOしたプール関係の会社です。チャート的にもIPO後の新高値を更新しており、短期的に$25の辺りまで落ちてくる可能性があるかもしれませんが、ここを守れればまた上に抜けていく可能性は高いと思います。

画像5

4.2020年IPO主力銘柄の振り返りと次週戦略

当アカウントでは、2020年にIPOした銘柄の中で、注目度等も勘案しながらウォッチリスト銘柄を選定し、継続的にウォッチしています。

では、早速以下の順でウォッチ銘柄の今週の動向並びに次週の戦略について見ていきたいと思います。

今週の振り返り
①全体の相場観
②決算結果アップデート
③レーティングアップデート
次週の戦略
④決算を迎える銘柄の整理
⑤クワイエットピリオド解除銘柄一覧(ウォッチリスト以外の銘柄も含む)
⑥ロックアップ解除銘柄一覧
⑦主力銘柄チャート一覧
今週の振り返り

①全体の相場観

、週前半は大きくあげたものの、後半はクリスマス休暇前の利確売り等があり、全体としては横横でした。

画像7


②決算結果アップデート

ウォッチ対象銘柄のうち、今週決算を迎えた銘柄はありませんでした。

③レーティングアップデート

IPO後、一定期間クワイエットピリオドと呼ばれる期間が設けられます。

クワイエットピリオド:
IPO後、一定期間(25日間)、証券会社等は、目標株価等の情報開示の自粛期間を設けており、この期間のことをクワイエットピリオドと言う。同期間が解除されると、各社一斉に目標株価等の発信を行う、仮に目標株価との乖離が大きい場合、一気に火がつき爆上げすることもある。

今週クワイエットピリオドを終え、新たにレーティングが発表された銘柄は以下の通りです。なお、ウォッチリストの企業でレーティング発表された銘柄はありません。

12/21(月): HF Enterprises (HFEN), Ozon (OZON), Vision Marine (VMAR)
(Source: IPO Pro)

ウォッチリストではありませんが、海外投資家のPuruさんも保有するロシアECのOZONのレーティングが開始しました。

画像8

Source:Marketbeat

また、以前に目論見書のサマリー記事も公開していますので気になる方は是非ご覧ください。

ウォッチリスト銘柄で今週新たにアップデートがあった銘柄は以下の通りです。FOUR、ZIのいずれも強気ですね。

画像9

また、その他ウォッチリスト銘柄の現在のレーティング状況は以下の通りとなっています。目標株価等の乖離等の観点で宜しければ参考にしてみてください。

画像10

次週の戦略

では、ここからは次週(12月28日週)のトピックについて拾っていきたいと思います。

④ 決算を迎える銘柄の整理

まず、ウォッチリスト対象銘柄のうち、次週決算を迎える銘柄はありません。

⑤ クワイエットピリオド解除銘柄一覧(ウォッチリスト以外の銘柄も含む)

次週クワイエットピリオドの解除が予定されている会社は以下の通りです。なお、ウォッチリスト銘柄で対象銘柄はありません。

12月28日(月):DCBO, KNTE, POWW
12月29日(火):ONDS, SBTX, SEER, SGTX, YQ
(Source: IPO Pro)

上の銘柄ですと、SEERとYQについては持っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

なお、YQは中国のEdTechの会社ですが、以前私の方で目論見書をサマリーした記事を公開していますので、気になる方はご確認ください。

⑥ ロックアップ解除銘柄一覧

次週ロックアップ解除が予定されている銘柄は以下の通りです。ウォッチリスト銘柄のうち、LMND、SNOW(一部株式)がロックアップ解除を迎えます。また、最近話題のFUBOもロックアップ解除を迎えます。

12月28日(月): DNB, ORPH
12月29日(火): ACCD, LMND
12月30日(水):FUBO, SNOW(一部)
(Source:IPO Pro)

SNOWはIPO後から180日経過していませんが、一部株式が12月30日でロックアップ解除を迎える予定ですのでご留意ください。

⑦ 主力銘柄チャート一覧

最後にウォッチリスト銘柄のチャート一覧(日足)を以下に掲載しますので、参考にしてみてください。簡単な所感としては以下の通りです。

・ARRY:$35の公募価格帯での攻防を乗り越え一気に上昇中
・BEKE:BABAや監査問題等、中国株に最近は逆風が吹いているが、持ちこたえられるかに注目
・BIGC:最近底堅い。値幅も落ち着いてきたので、上向き始めたら面白いかも。
・PLTR:近いうちに上か下かで方向性が決まりそう
・RPRX:最近強い。$50台が見えてきた。

画像11

画像12

画像13

画像14

画像15

画像16

画像17

画像18

画像19

画像20

画像21

画像22

画像23

画像24

画像25

画像26

画像27

画像28

画像29

画像30

5.2020年総括

いつもは、4.で終わりなのですが、年内最後の米国IPO通信という事でIPO界隈における2020年の総括も簡単に行っていきたいと思います。

IPO件数

3月のコロナショックがあったものの、いざ蓋を開けてみたら最終的には、2020年のIPO件数は216件のIPOととても多い年となりました。特に、ハイテクグロース株のバリュエーション高騰が進み、12月のIPOが特に印象的でした。

2021年も有力なIPO候補銘柄が待ち構えていることから、大きくセンチメントが変わらない限りはIPOのモメンタムは強気であると思っています。

画像31

(Source: Renaissance Capital)

公募価格からの上昇率ランキング

1位は、バイオ企業のGreenwich LifeSciences (GLSI)で+583%でした。それ以外も見て頂けるとわかる通り、1位~8位まで全てバイオ系ですね。やはりバイオ系は当たると凄い上昇率だなという印象です。続いて、9位にfuboTVがランクインしました。FUBOは12月の上昇率がものすごいことになっていましたね。

画像32

初日終値からの上昇率ランキング

公募価格では基本的に買うことが出来ないため、我々の様な一般的な投資家はこの初日終値からのランキングの方が参考になると思います。結果は以下の通りでした。公募価格上昇率ランキング同様に、1位はGreenwich LifeSciences (GLSI)の+686%でした。公募価格を下回って初日が終わっていたようです。その後、ものすごい勢いで上昇したんですね・・・(持っていた人羨ましい)。バイオ系以外ですと、FUBO、PLTR、CRSR、YALA、U、DADA、FOUR辺りは、IPO時の初日終値ベースで買った場合においても、既にダブルバガーになっている状況です。

画像33

主幹事(アンダーライター)ランキング

IPO銘柄の毛並みを見る際に、IPOの主幹事を見ると良いということがよく言われますが、今年の主幹事ランキングは以下の通りです。Goldman Sachs、Morgan Stanley、J.P. Morganの3強ですね。来年も主幹事についてはしっかりと見ていきたいと思います。

画像34

画像35

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

記事が面白かったり、参考になった場合は、是非イイねボタン、RT、サポートのほど宜しくお願い致します。

では、皆さまにとってまた明日から素敵な一週間になりますようお祈りしております。また、よいお年をお迎えください。

ここから先は

0字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?