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米国IPO通信(1月11日週の振り返り&1月18日週の戦略)

公認会計士のケイ (@Kei_IPOstock)です。主に米国IPOに関する情報を発信しています。

米国IPO通信では、毎週日曜日に、米国新規IPO銘柄並びに2020年/2021年IPOの主力銘柄に焦点を当て、1週間の振り返りと、次週の戦略についての情報を発信しています。

また、当アカウントでは「サクッと理解する新規IPO銘柄」シリーズ、注目IPO銘柄分析、米国IPO株分析を通して会計・ファイナンスを実践的に学べるコンテンツ等も併せて発信しておりますので、ご興味がある方は、是非本アカウント並びにTwitterのフォローもお願い致します。

記事は少しでも多くの方に読んで頂きたいとの思いから全文無料で公開させて頂いておりますが、独自データベースの更新管理に加え、他では有料であろうコンテンツも多々含んでおります。もし、価値を感じて頂いた方は今後継続して発信し続けるためにも、是非サポートをお願い出来ればと思います。今後ともよろしくお願い致します。
注意点:
✔ 米国IPO通信では基本的にはSPACは含んでいませんが、データベースの管理上、一部SPACが含まれており整合が取れていない箇所もある点あらかじめご容赦ください
✔ 財務数値については、主にはFinboxというサイトから抽出していますが、時折数値が誤っていることが散見されます(特にADRの場合)。本記事における数値の正確性に関していかなる責任も負いませんので最終的に投資検討される場合は一次情報を確認して頂きますようお願い致します
✔ 本記事は教育用目的であり、投資を推奨するものではありません。実際に投資をされる場合については、自己責任でお願い致します。

1.今週の新規IPO銘柄振り返り(1月11日週)

1月11日週(以下今週)の新規IPOは8件と盛況な週でした(SPAC除く)。

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全体感としては、初日終値ベースで公開価格割れの案件はなく、まずまずだったと思います。とりわけ、AFRMとPOSHについては、金曜終値ベースで対公募価格比で既に2倍以上の価格となっており、いわゆるミレニアル世代たZ世代が好みそうな銘柄(ロビンフッダーが好みそうな銘柄)に対する需要が強いように見受けられます。一方で、初日終値と比較して金曜終値が下落している銘柄も多いため、IPOに対する過熱感に潮目の変化が起こっていないかについては引き続き注していきたいと思います(同じようなことをじっちゃまも言及されていましたね)。

なお、AFRMとDRVNに関しましては記事を公開しておりますので宜しければご確認ください。

2.次週の新規IPO銘柄紹介(1月18日週)

1月18日週(以下次週)ですが、予定されているIPOは4件です(SPACを除く)。

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あまり注目案件は無い印象ですが、RLXという中国の電子タバコブランド(?)の売上高成長率がとてつもないことになっていたのは気になります。全くまだ目論見書は読めていないのですが、どの様な会社なのか少し気になります。参考までに四半期ベースでの損益計算書推移を以下に掲載しておきます。

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3.急上昇銘柄の検証

本項目では、2020年にIPOした銘柄を母集団として、週間上昇率でランク付けを行い、急上昇している銘柄について分析します。

公開価格、初日終値、前々週終値、前週終値、今週終値の株価推移を追うことで上昇モードに転換した銘柄を早めに見つけ出し、早めに投資することで大きなリターンが望めるのではないかという仮説の下、分析を行っています。

さて、今週の急騰銘柄は以下の通りです。

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上位は相変わらずバイオ系が多いですね。バイオ系以外ですと、サイバーセキュリティのTLSや、SaaS銘柄のASAN、激安ECのWISH辺りは目を引きました。TLSは度々この米国IPO通信でも取り上げてきましたが、ここにきて一気に値を上げてきた感じです。

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WISHは週半ばで高騰しましたが、金曜ではまた値を下げてきますので、当初公開価格の$24のラインをしっかりと守れるかが次週以降重要になると思います。

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4.新高値更新目前の銘柄

本項目では、グロース株界隈で最も有名とも言える、オニールとミネルヴィニの推奨する新高値投資のヒントにでもなればと思い、新高値更新が近づいている銘柄を毎週ピックアップしていきます。

新高値投資を、超簡単に表現するならば、新高値を更新する銘柄は「買い」という考え方です。また、IPOから数年以内にブレークアウトすることが多いと主張しています。

オニールとミネルヴィニの新高値投資の本は、とても参考になりますので、まだ読まれていない方はこちらにリンクを貼っておきますので是非一読されることをお勧めします。

以下は、2020年のIPO銘柄を母集団として新高値に近づいてきている銘柄です。新高値を100%の状況として、新高値に近い銘柄から順番に並べており、株価が新高値の90%の数値の銘柄を洗い出しています。

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2位のGFLですが、環境サービス企業ですが順調に高値を更新しています。

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3位のOZONはロシアECですが、一気に新高値を更新してきました。新興国EC枠としてとても面白いと個人的には思っており、私自身も最近とても注目しています。

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5位のAZEKもジムクレイマーが2021年のトップピックとして取り上げた銘柄ですが、同社はIR姿勢としてESG銘柄であることを前面に出しており、ESGに対する追い風が吹く中で地味ではありますが引き続き面白いと思っております。

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他にもお宝が眠っているかもしれませんので是非参考にしてみてください。

5.2020年IPO主力銘柄の振り返りと次週戦略

当アカウントでは、2020/2021年にIPOした銘柄の中で、注目度等も勘案しながらウォッチリスト銘柄を選定し、継続的にウォッチしています。

ウォッチしていく銘柄は以下の通りです。

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では、早速以下の順でウォッチ銘柄の今週の動向並びに次週の戦略について見ていきたいと思います。

▶今週の振り返り
①全体の相場観
②決算結果アップデート
③レーティングアップデート
▶次週の戦略
④決算を迎える銘柄の整理
⑤クワイエットピリオド解除銘柄一覧(ウォッチリスト以外の銘柄も含む)
⑥ロックアップ解除銘柄一覧
⑦主力銘柄チャート一覧

▶今週の振り返り

①全体の相場観

1月11日週は、全体としては横横でした。ウォッチリスト銘柄の平均上昇率(週間)は、0.9%、平均上昇率(月間)は、1.2%となっています。以前に比べやはり「高PSR×SaaS」の銘柄は上値が重そうな感もあるため、引き続き全体としてどの様な値動きになっていくかは注視したいです。

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②注目銘柄の決算結果アップデート

ウォッチ対象銘柄のうち、今週決算を迎えた銘柄はありませんでした。

③レーティングアップデート

IPO後、一定期間クワイエットピリオドと呼ばれる期間が設けられます。

クワイエットピリオド:
IPO後、一定期間(25日間)、証券会社等は、目標株価等の情報開示の自粛期間を設けており、この期間のことをクワイエットピリオドと言う。同期間が解除されると、各社一斉に目標株価等の発信を行う、仮に目標株価との乖離が大きい場合、一気に火がつき爆上げすることもある。

今週クワイエットピリオドを終え、新たにレーティングが発表された銘柄は以下の通りです。12月IPOの注目銘柄が発表されましたが見事に割れた印象です。

1月11日(月):BCAB, MDWT, OCG, UPST, VIRI, WISH, WNW
1月12日(火):MASS
(Source: IPO Pro)

UPSTとWISHは、レーティングを踏まえて一気に値を上げてきた印象です。

UPST

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WISH

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Source:Marketbeat

いずれの銘柄も以前記事を公開していますのでそちらも併せて見てみてください。

また、ウォッチ銘柄の目標株価(アナリスト平均)は以下の通りとなっています。目標株価等の乖離等の観点で宜しければ参考にしてみてください。

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▶次週の戦略

では、ここからは次週(1月18日週)のトピックについて拾っていきたいと思います。なお、週明けの1月18日(月)は米国は休場となります。

④ 決算を迎える銘柄の整理

まず、ウォッチリスト対象銘柄のうち、次週決算を迎える銘柄はありません。

⑤ クワイエットピリオド解除銘柄一覧(ウォッチリスト以外の銘柄も含む)

次週クワイエットピリオドの解除が予定されている会社は以下の通りです。

1月18日(月):Inhibikase Therapeutics (IKT)
(Source: IPO Pro)

⑥ ロックアップ解除銘柄一覧

次週ロックアップ解除が予定されている銘柄は以下の通りです。

1月18日(月):  Jamf (JAMF)
1月19日(火): Montrose Environmental (MEG)
1月20日(水): Annexon (ANNX), Inozyme Pharma (INZY), iTeos Therapeutics (ITOS), Nurix Therapeutics (NRIX)
(Source:IPO Pro)

また、その翌週の1月26日(火)にはLIのロックアップ解除、さらにその翌週の2月2日(火)にはRKTのロックアップ解除も控えてますので、ロックアップ解除前の売りが入り始める時期かと思いますので、ご留意ください。

⑦ 主力銘柄チャート一覧

最後にウォッチリスト銘柄のチャート一覧(日足)を以下に掲載しますので、参考にしてみてください。

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以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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