見出し画像

C3.ai (AI) 決算解説

今回は3月2日に発表されたC3.ai (AI) のFY2021Q3の決算解説をしていきたいと思います。

なお、AIについては過去に徹底分析した記事を書いてますので宜しければこちらも是非。様々な切り口から財務分析をしており、活きたグロース株を使った財務分析の実践的教材としても使えると思います。また、本記事の後半で記載する決算解説記事に関しては、恐らくこの徹底分析記事の後半をしっかりと読んで頂いた方が頭に入りやすいかと思うので、本記事公開から2日間程度、定期購読マガジン購読者の方には追加料金なしで見れるように設定したいと思います。この機会に是非読んでみて下さい。

ということで、前半で決算の事実関係の確認、後半ではより深く決算のポイントや今回の決算に対してどう解釈すべきか私なりの所感も書いていきたいと思います。

FY2021Q3決算概要

概要については、ユーエスさんのツイートをお借りします(ユーエスさんいつもありがとうございます)。

本ツイートではEPSは✖になっていますが、じっちゃまの記事タイトルではOKになっており、正直なところ見ているものによって異なっているのかなと思います。とはいえ、正直グロース株にとってあまりEPSは重要でないので(後半部分で解説します)、まずは売上高がBeatしているかや、ガイダンスの強さがどうかという点を気にしたほうが良いかなと。その点、売上高、ガイダンスともにBeatはしています。

第3四半期決算ハイライト

売上高:四半期の総収入は4910万ドルで、1年前の4130万ドルから増加し、前年同期比19%増
売上総利益率:第4四半期の売上総利益率は3,690万ドル(75%)で、前年同期の3,040万ドル(74%)から22%増加
Non-GAAP売上総利益率:3730万ドル(76%)で、前年同期の3050万ドル(74%)から増加し、前年同期比22%の増加
営業損失:第3四半期の営業損失は1850万ドル(前年同期は1040万ドル)Non-GAAP 営業損失: 1,190 万ドル(前年同期は 840 万ドル)だった

最近のビジネスハイライト

✔ シェル、米空軍、米陸軍、ニューヨーク電力公社、コンエド、バンク・オブ・アメリカ、ジョンソン・コントロールズでの新たなエンタープライズ生産展開により拡大
✔ マーケットパートナーのエコシステムを大幅に拡大し、世界的な流通・サービスネットワークを拡大。Microsoft、Baker Hughes、ENGIEとの市場パートナー活動の拡大に加え、レイセオン社との関係を拡大し、防衛・情報コミュニティにサービスを提供し、グローバルな金融サービスソフトウェア会社であるFISとの関係を拡大し、銀行・金融サービス業界にサービスを提供し、インフォア社との関係を拡大し、グローバルなERP市場にサービスを提供
✔ マイクロソフトおよびアドビとの提携により、業界に特化したAI対応CRMアプリケーションのファミリーである「C3 AI CRM」の提供を発表。また、データサイエンスの民主化を可能にする、マスマーケット向けのクラウドネイティブ、ローコード/ノーコードアプリケーション「C3 AI Ex Machina」をリリース
✔ 米国特許庁は、C3 AIに「企業向けAIアプリケーション開発プラットフォームのためのシステム、方法、および装置」と題する重要な特許を授与(第10,817,530号)。この特許は、モデル駆動型ソフトウェアアーキテクチャをエンタープライズAIアプリケーションに適用する基本的な概念をC3 AIの知的財産として確保したもの
✔ 重要性が増している気候とエネルギーの持続可能性市場への投資と市場浸透を拡大。シェル、マイクロソフト、ベーカーヒューズとの提携により、C3 AIは、C3 AIエネルギーアプリケーションのためのオープンマーケットプレイスであるオープンエネルギーAIイニシアチブを形成。C3.ai Digital Transformation Institute (DTI)への投資を拡大し、AI COVIDの研究に資金を提供し、AIとデジタルトランスフォーメーションをエネルギーと気候安全保障に適用する革新的な研究に資金を提供するための新しい論文募集を発表。
✔ C3 AIは、元SAPの共同CEOであるジム・スナベ氏を取締役会に加え、会社のリーダーシップを拡大。また、C3 AIは、国会議員で元英国内務大臣兼元英国財務長官のSajid Javid氏、元米国海軍次官補のDennis McGinn氏、元NSA副長官のRick Ledgett氏、元SAP社長のFranck Cohen氏、元Alteryx社長兼COOのGeorge Mathew氏を取締役会に加え、グローバルアドバイザリーボードを強化

決算解釈

以下は、上の事実関係やC3.aiのビジネスモデルを踏まえて、より深く決算を精査し、どの様に今回の決算を理解し、解釈していくべきかを私なりの視点で分析したコメントになります。決算のどの様な点を見れば良いのかわからないといった初心者の方にも、どの様にして決算を確認し、メンテナンスをしていけば良いのか分かるように出来る限り平易な言葉で書いていますので、最後まで読んで頂けますと幸いです。

ここから先は

5,064字 / 15画像

¥ 250

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?