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米国IPO通信(11月2日週の振り返り&11月9日週の戦略)

公認会計士のけい ( @Kei_IPOstock )です。主に米国IPOに関する情報を発信しています。

米国IPO通信では、毎週日曜日に、米国新規IPO銘柄並びに2020年IPOの主力銘柄に焦点を当て、1週間の振り返りと、次週の戦略についての情報を発信しています。

また、当アカウントでは「1分で理解する新規IPO銘柄」シリーズとして、目論見書の重要な点についてサクッと理解できるようなコンテンツも併せて発信しておりますので、ご興味がある方は、是非本アカウント並びにTwitterのフォローもお願い致します。

記事は無料で公開させて頂いておりますが、IPO銘柄データベース等の更新等、かなりの時間と労力をかけて対応しております。もし、価値を感じて頂いた方は今後の継続して発信し続けるためにも、是非投げ銭サポート頂けますと幸いです。今後ともよろしくお願い致します。

1.今週の新規IPO銘柄振り返り(11月2日週)

11月2日週ですが、大統領選挙の関係で、SPAC(特別買収目的会社)を除く通常のIPOは0件でした。

これは大変珍しいことですが、過去の歴史を振り返ってみると、2016年の大統領選挙の週もIPOはなく、2016年11月全体で見ても、4件のIPOしかなかった様なので、歴史に照らし合わせるといつものことのようです(出所:Renaissance Capital)。

2.次週の新規IPO銘柄紹介(11月9日週)

11月9日週ですが、上記の通り、大統領選挙月ということもあり、先週に続き大変少なく、2件のIPO予定となっています。

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いずれもバイオテクノロジー企業となっており、オファリングサイズ的にも注目のIPOはないと言えるかと思います(そのため、次週もS-1サマリーの更新予定はありません。代わりに何かしら別のコンテンツを発信したいと思います)。

3.急上昇銘柄の検証

本項目では、2020年にIPOした銘柄を母集団として、週間上昇率でランク付けを行い、急上昇している銘柄について分析します。

公開価格、初日終値、前々週終値、前週終値、今週終値の株価推移を追うことで上昇モードに転換した銘柄を早めに見つけ出し、早めに投資することで大きなリターンが望めるのではないかという仮説の下、分析を行っています。

先週の米国IPO通信で、動きが出てきた可能性があり面白そうと指摘したLIとPLTRですが、両社とも大きく今週上げてきました。

さすがに、こんなに早くここまで一気に急騰するとは思いませんでしたが、何となく私も占いが当たったような感じで正直結構嬉しいです(笑)。

さて、今週の状況を見てみましょう。

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上の表で今週値動き的に結構面白そうだなと個人的に注目しているのは、以下の5社です(バイオはあまり知見がないので除いています)。

なお、ファンダメンタルについては一切分析見ておらず、単純に上表の値動きと会社概要だけ見てのドタ勘ですので、その点あらかじめお含みおきください。

✔ Kingsoft Cloud Holding (KC)
✔ Li Auto (LI)
✔ Lufax Holding (LU)
✔ Nano-X Imaging Ltd. (NNOX)
✔ Yalla Group (YALA)

特にKingsoft Cloud Holdingなんかは、値動き的に化ける可能性あるのではないかと注目しています。

さて、今週の占い結果やいかに。

4.2020年IPO主力銘柄の振り返りと次週戦略

当アカウントでは、2020年にIPOした銘柄の中で、注目度等も勘案しながらウォッチリスト銘柄を選定し、継続的にウォッチしています。

なお、バイデン候補が正式に次期大統領に決まり、ヘルスケアセクターにより注目が集まる可能性があると思っていることから、遠隔医療系で9月にIPOしたAmerican Well (AMWL)を今週からウォッチリストに追加しました。

ここでは、以下の順で継続ウォッチ銘柄の今週の動向並びに次週の戦略について見ていきたいと思います。

今週の振り返り
①全体の相場観
②決算結果アップデート
③レーティングアップデート
次週の戦略
④決算を迎える銘柄の整理
⑤クワイエットピリオド解除銘柄一覧(ウォッチリスト以外の銘柄も含む)
⑥ロックアップ解除銘柄一覧
⑦主力銘柄チャート一覧

①全体の相場観

大統領選挙の不確実性の高まりや長期金利上昇等の影響を受け、非常に苦しかった10月を経て、今週はその反動と言える位に、大きくリバウンドしました。ようやく長い長い梅雨が明けた感じです・・・。グロース株ホルダーの皆様(私含め)大変大変お疲れ様でした・・・。

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重要なポイントをいくつかまとめると、以下の点かなと考えています。

✔ 週間上昇率ではFROGを除き、全て上昇したが、初日終値と比較すると、初日終値を下回っている株も半分くらいあり、総じてパフォーマンスが良い状況とは言えない
✔ 月間上昇率で見ても、勝ち組と負け組に二極化している
✔ 今のところの勝ち組は、CRSR、PLTR、U、YALAと言える

Unityを除き、基本的にはPSRの水準がそこまで高くない銘柄が順調に上げてきている印象です。やはり、今年IPOした銘柄はもともとが割高水準で推移していたこともあり、結果だけを見た場合は、あまりネームバリューに囚われずに、まだそこまで割高になっていない銘柄を探したほうがアップサイドを狙えるかなと個人的には思っています

②決算結果アップデート

ウォッチ対象銘柄のうち、今週はARRY、BIGC、FROGが決算を迎えました。株価の反応は様々なでしたが、決算自体はどこも良かった印象です。

ARRYの決算については、私の方でもTwitterでコメントしていますので、宜しければご参考にしてみてください。

簡単に言うと、この会社は売上高よりも、受注残高の推移をしっかり見ることが重要だという事を、私自身の過去の経験(ARRYと同業界の会計監査人を担当した経験)をもとに記載しています。

③ レーティングアップデート

IPO後、一定期間クワイエットピリオドと呼ばれる期間が設けられます。

今週クワイエットピリオドを終え、新たにレーティングが発表された銘柄は以下の通りです(ウォッチリスト銘柄では該当なし)。

11月2日(月): Aziyo Biologics (AZYO) , fuboTV (FUBO)
11月3日(火): Intrusion (INTZ), Kronos Bio (KRON), Shattuck Labs (STTK), Spruce Biosciences (SPRB)
11月4日(水): iHuman (IH)
(Source:IPO center)

また、ウォッチリスト銘柄で今週新たにアップデートがあった銘柄は以下の通りです。

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また、その他ウォッチリスト銘柄の現在のレーティング状況は以下の通りとなっています。

目標株価等の乖離等の観点で宜しければ参考にしてみてください(ちなみに、ARRYはまだクワイエットピリオド期間中のはずなのですが、なぜかYahoo Financeにレーティングが載っていたのでそれを転記しています、なぜだろう・・)。

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④ 決算を迎える銘柄の整理

では、ここからは次週(11月9日週)のトピックについて拾っていきたいと思います。

まず、ウォッチリスト対象銘柄のうち、次週決算を迎える銘柄は以下の通りです。

オレンジ色でハイライトしている銘柄が次週決算を迎える銘柄ですが、見ての通り、明日からが山場ですね・・・・。とりあえずみんな一緒に祈りしましょう・・(笑)。

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また、次週決算を迎えるVRMについては、私の方で、VRMについての概要、決算で見るべき指標、並びに私自身の投資方針等について、恐らく日本で一番詳しいVRMの日本語情報を先日公開しております。

ホルダー並びに保有を検討している方には役立つ内容になっているかと思いますので、ご一読をお勧めします。

⑤ クワイエットピリオド解除銘柄一覧(ウォッチリスト以外の銘柄も含む)

次週は以下の銘柄のクワイエットピリオドの解除が予定されており、各機関から目標株価等の新規アナウンスが行われる予定です。

ウォッチリスト銘柄の中では、ARRYが9日(月)に新規レーティングが発表される予定です。楽しみですね。

11月9日(月): Codiak BioSciences (CDAK), Array Technologies (ARRY), Miniso Group Holding (MNSO)
11月10日(火): Aligos Therapeutics (ALGS), Eargo (EAR), Kiromic BioPharma (KRBP), Praxis (PRAX), Tarsus Pharmaceuticals (TARS)
11月11日(水): Opthea (OPT)
(Source:IPO center)

⑥ ロックアップ解除銘柄一覧

次週ロックアップ解除が予定されている銘柄は以下の通りです(ウォッチリスト銘柄の中では、特に該当ありませんが参考情報として掲載させて頂きます)。

11月11日(水): ADC Therapeutics (ADCT) 

なお、ウォッチリスト銘柄のうち、多くの銘柄が12月にロックアップ解除されることに気付きました。

その点、先日ツイートさせて頂いたところ、結構バズりましたので(人生初バズり)、改めてそのツイートも掲載しておきます。

ツイートのスレッドにも記載の通り、因果関係は定かでないのですが、過去の歴史を見てみると(少なくとも私の方で分析したDOCU、PTON、ZMは)、ロックアップ解除1か月前位から、株価は下落傾向にあったので、今回は決算時期とも重なりますので、その点、留意しておくと良いかもしれません(特にVCの保有率が高い会社は注意)。

なお、ツイートでも訂正しましたが、Corsair Gamingは間違いで、正しい解除予定日は、2021年3月22日ですので無視してください。

ロックアップ解除とともに、主に役員等のインサイダーや上場前から株式を保有しているVC等の既存投資家による株式の市場売却が可能になりますのでご留意ください。

⑦ 主力銘柄チャート一覧

最後にウォッチリスト銘柄のチャート一覧(日足)を以下に掲載しますので、参考にしてみてください。

ざっと見た印象ですが、FROG以外はどれも力強いチャートですね。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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引き続き宜しくお願い致します。

(2020年11月8日 21:40 急上昇銘柄の検証の表の計算に一部ミスがあったため差し替え、また一部の誤字脱字を修正)

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