パズルと報酬

とある研究でパズルと報酬について行われた。

2組のグループに分かれてキューブ型のパズルを絵の通り組み立てるようにと頼んだ。

1日目は、どちらのグループも報酬を貰わなかった。
2日目、一方のグループに完成した分に応じて報酬を支払うと伝えた。
3日目、前日支払いを受けたグループに今日は、報酬が出ないと伝えた。

3日間1度も報酬を受け取らなかったグループは、段々とパズルに夢中になった。
ただ単に面白い、楽しいと感じられたからだろう。
日を追うごとにパズルを完成させる時間を短縮させていった。
また、観察対象でない休憩時間でさえもパズルを完成させようとしていた。

2日目に報酬を受けたのち、3日目に受けなかったグループは、異なる行動を取った。
2日目には、予想通り小遣いを稼ごうとより懸命にパズルを完成させた。
けれども3日目、2日目より熱意が無くなっただけでなく1日目、支払いのことなど考えず、本能的にパズルを楽しんでいただけの初日と比べても意欲が下がっていた。

言い換えれば、ワクワクするパズル遊びが報酬の導入によって「仕事」になってしまったのだ。

仕事となれば、支払いも受けられないのにやりたがる人はいない。

この発見をもっと年齢の低い子供の調査でも確認した。

お絵かきの好きな幼稚園児グループに、その日は絵を描いたらおかえりの前にご褒美「青いリボンと賞状」をあげると告げた。

2週間後、園児たちは明らかに絵を描くことへの興味を失っており、自由にお絵かきすることもご褒美をあげた日の前より減っていた。

もともと熱心だった四歳児にとって、お絵かきが仕事に、つまり青いリボンがもらえなければ価値のない物事になってしまったのだ。

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