あの日見た夢の名前を私はまだ知らない
いつか縁のある地で働く時があれば、何かしらの意味を持たせるべきだと入社前から思っていた。しかし予想より早く命じられた異動に、東京生活を手放す勿体無さと、逃げ出してきた街で再び暮らすことへの不安を覚えた。まだ何も成し遂げていないのにと猛省しながら、とにかく何か結果を残したいと動き続けた。成功も失敗も思い出しながら、過去の自分が出来なかったことや他の人がやっていたことも交えて。
初夏の頃、やってみたかった企画で予算以上の実績を上げることができた。他の街でも叶えられたことではある