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三ヶ月ぶりの婦人科で、青ざめたのが自分でも分かった。 「は〜い、今日はエコーと、癌検診ですね〜」 エコーだけかと油断していた。否、それだけでも昨夜から緊張して身を固くしていたのだ。それが、もっと痛い、癌検診も今日だって? 「荷物を置いて、お隣の検査室にどうぞ」 にこやかに告げる美人女医に逆らえるはずもなく、涙目で立ち上がった。エコーの冷たい器具も不快だが、癌検診は、擦り取られるから痛いのだ。しかも今日は寝坊して朝食を摂っていなかった。自業自得なのだがコンディショ
憧れのバンドマンは円山町で女子大生の私を抱いた。「東京って怖い!」と当時は面白がってしまったものだ。定期的に会う訳でもないのに縁は途切れず、今夜も数年ぶりにまた杯を交わしている。好きでもないのに「オトモダチ」だったのはこの人くらいだなとぼんやり思う。行き過ぎたコミュニケーションの手段として、たまに一緒に寝ていただけ。それもすっかり過去の話だ。 「おじさん、繋がってるって何だろうね?」 「おじさんって何だよ、3歳違いだろ」 「あんたはおじさん、あたしはおばさん、現実見てよ」
初めて煙草を吸ったのはハタチの終盤、成人式前に帰郷した際の飲み会で。キャンペーンガールがくれたサンプルの銘柄なんて勿論憶えていない。経験値として消化され、肺は恐らく綺麗なままだ。 オフィスビルには複数の会社が入っていて、時々交流会と称した飲み会が催される。先月知り合った彼とは音楽の話で盛り上がり、今度はゆっくり、と個別に誘われたのだ。 「え、じゃあ1回しか吸ったことないんだ」 「はい、しかも一口だけ。その後、派遣の仕事で自分でも配ったんですよ。制服のスカートが結構短くて嫌