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#19 一気にやりきれ!

何か目標ができた時に、多くの人は計画を立てるだろう。例えば、いつの試験までにマスターするとか、何月までにスキルを身につけるとか期限を設ける。期限を設けてやることは非常に良い。期限を設けずに、なんとなく取り組むという人もいるが、この人たちはおそらく目標を達成できない。人は締め切りに追われると本気を出せる。夏休みの宿題のように、あと何日という時点になれば嫌でも机に向かう。

ここまでは一般の人の話だ。私ように成功したければ、目標が立ったら一気に突破するくらいの勢いでやるのがいい。私は博士号を習得しているが、博士課程は3〜4年という期限が定められている。その中の多くが途中でリタイヤしたり、4年でも論文を仕上げることができずにもう1年という感じで期限を延ばす。

しかし、私は4年間も集中して作業に取り組めると思えなかったし、入学した時の高ぶった気持ちがそんなに続くとは思えなかった。そこで、私は指導教授に博士課程では論文は何本くらい読めばいいのかを尋ねた。「それは、はっきりとは答えられないけど、自分の場合は300本くらい読んだかな。」という答えだった。

それを聞いた多くの人は「3〜4年をかけて300本を読むためには、1週間に何本の論文を読まなきゃな」という風に考える。しかし、私は空き時間を全て論文を読むことに費やして2ヶ月で300本を読んだ。今思い出してもハードだったと思う。しかし、そのおかげで自分の博士課程のテーマはこれにしようと、すんなりとテーマを決めることができた。

テーマが決まれば、計画を立てて実験をしていくのだが、これも私はものすごく早かった。
例えば、30個の何かを作成しなければいけないとする。ここでも多くの学生は数ヶ月、時には1年以上かけて実験を行なっていく。物理的にどうしても数週間待たなければいけないというような実験もあるが、あとは待つだけというところまで私は一気に持っていく。今日は5個、また来週5個やろうという風には考えない。本当に一気に短時間で30個を仕上げてしまうのだ。

私は仕事をしながら博士課程に通っていたので、実験に取り組んでいる期間は、仕事の後にいつも大学院に行き、休日は朝から晩まで実験をした。結局、その実験はうまくいかず、私は博士課程の中で研究テーマを4回も変えた。しかし、のんびりとやっていたのであれば、絶対にクリアできなかっただろうと思う。

論文を書き上げるスピードもとにかく早かった。教授に驚かれたほどだ。実験データもしっかりとまとまっていない段階から既に論文を書き始め、実験データがどう転んでも対応できるようにいくつかのパターンで論文を書いた。結局4年の在学期間があるにも関わらず、私は1年数ヶ月で博士論文を書き上げ投稿した。

これを聞くと、ほとんどの同僚がなんでそんなに頑張れるの?と聞いてくる。しかし、私にとってはダラダラと「やらなければいけないこと」を先延ばしにすることのほうがきついのだ。やる気は時間と共に失われていく。だからやる気や高揚感があるうちにさっさと作業を済ませてしまうのだ。

これは、私の博士課程だけではなくあらゆるところに通じる話だ。
読書にしても、勉強にしても、家事にしても、やらなければいけないことをさっさと終わらせれば、頭の中でずーっと「やらなきゃ」と思い続けなくていい。
あなたにも経験があるはずだ。やならければいけいないことはわかっているのに、先延ばしにした結果。遊んでいる時も、何をしている時も「そういえばあれをやらなきゃ」と自分を追い立ててくる。ものすごくストレスではないか?

だから、一気にやり切ってしまうというのが最も楽な方法だと思う。確かに、睡眠時間を削ったり、仕事の後にやらなければいけないことに取り掛かるのは骨が折れる作業だ。しかし、頭の中でずーっと繰り返される「やらなきゃな」という自分の声を聞き続ける方がかなり強いストレスになる。

夏休みの宿題なんて最初の5日で終わらせてしまえば後は遊んでもいいし。別のことにも取り組める。そんなの無理だと思うかもしれないが、ほとんどの学童は終わりの5日間で宿題を終わらせる。そう考えると、初めに取り組むのか、終わりに取り組むのかの違いでしかない。

しかし、夏休みの終わりが近づくにつれて宿題に手をつけていない子は、頭のなかで「宿題やらなきゃ」と考えたり、両親から「宿題やらなくていいの?」と言われ続ける。そんな中で、遊びを本気で楽しめるかという話だ。

先日のNOTEの記事で、私の勉強方法を書いた。そこでも、いかに短期集中っで一気に取り組むかが理解してもらえると思う。

そう言っても、私も最後の5日間で夏休みの宿題をするような子どもだった。社会人になっても、やらなければいけないことを後回しにしてやるべきことを積み上げていた。ToDoリストやタスク管理方法を勉強したり、仕事の優先順位を決める本を読み漁ったりした。

しかし、修士課程の2年目でふと気がついた。なんで、こんなにのんびり研究をしているんだろう。さっさと終わらせて、自由な時間を過ごしたいと思った。修士は2年間の最後までギリギリだったが、博士になったら本気でやってさっさと終わらせてやろうと思った。仕事の後に大学院に行って、休みもなく大学院に行ってというような生活をあと4年も続けられないと思ったのだ。
そこからの私は人が変わったようだと教授にも言われた。しかし、これが本当に良かった。最初は大した学歴のない私を大学院の皆は馬鹿にしていたが、勢いに乗ると誰も私を馬鹿にすることはできなくなった。
結局は早期修了という形で博士号を取得することができた。

それからというもの、私はやらなければいけないと思ったことを後回しにするのが嫌いになった。ほとんどのことは手をつけさえすればすぐに終わる。そもそもToDoリストを作成したり、タスク管理を勉強する必要などないのだ。やるべきことを手当たり次第に片付ければ、タスクを管理する必要、優先順位をつける必要すらない。

しかし、今日はここまでにしようとか、今日は疲れたから明日からやろうというように後回しにするといつまで経っても終わらない。

他にも集中してやるといい事はもう一点ある。
読書などで考えてもらえるとわかると思うが、途中まで読んで、次にページを開くまで数日から1週間空けると、どんな内容だったかもう一度、数ページ戻らなければいけなくなる。これが一気に読めばそんなことはないし、中断しても次の日にページをひらけば、内容を忘れているということは避けられる。

ジョギングにしてもそうだ。時々走るという感じでやるといつまで経ってもきついままだ。しかし、毎日走るとすぐにいつも走っている距離に慣れる。こんなふうに人間は慣れていくし、一気にやっていくと、それができる体力や集中力が身に付く。

いつまでもやらなければいけないことを後回しにして人生を無駄に過ごしているのか考えてみてほしい。
やるべきことを全て終わらせれば、休日にストレスを抱えることもなく、思いっきり好きなことができるのだ。
一気に終わらせる。このイメージで取り組んて見てほしい。人生が変わる。

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