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#25 モノは壊れるまで使う

昨今では、新型が出たらモノを買い替えるという時代になってきた。
スマートフォンが代表的だが、新しい型が出たらすぐに新しいものに買い替えるという人も多い。
もちろん、仕事で使っているパソコンなど、使用頻度が高く、スピードが求められる道具は最新型に買い替えた方が便利になることも多い。しかし、それだけではなく、あらゆるモノに対して「必要だから買う」というよりは、「欲しいから買う」という考え方に変わってきているような気がしている。私もパソコンは基本的に毎年買い替えるが、それ以外のモノについてはほとんど買い替えることをしない。

例えば、仕事で着るシャツなども、何枚持っているかまで把握しているし、少しくらいデザインが流行から外れていたとしてもあまり気にしない。持っている枚数がそれほど多くないので、必然的に使用頻度も高くなるため、流行遅れになる前にシャツが痛んでくれる。だから古臭くならないうちに買い替えていくことができる。

仕事の革靴などは10年以上履き続けている。こまめにソールを張り替えたり、手入れをしながら履いていると20年だって履き続けることができそうだと思う。私は最新の靴、新しいバッグなど新しいもの、新しいデザインのものを持っている人よりも、大事に使っているんだろうなとわかるような手入れされた年季の入ったものが好きだったりする。

私の今の車は走行距離が8万キロを超えた。一般的には10万キロを超えたら買い替えるという人も多いようだが、私は壊れるまでは乗ろうと考えている。定期的なオイルメンテナンスも行なっているし、消耗品も適宜交換している。時々、ものすごく型式が古いのに輝きを放っている車を見かけることがある。新車とは違う輝き方だが、そういった車を見ると、すごく大事にしているんだろうなと好感を持つ。
もちろん、新型車は広告も上手だし、傷ひとつない輝きを放っているから魅力的には見える。しかし、相棒のようにモノを大事にしている人の方がもっと魅力的に見える。大事なのは「魅力的なモノを持っている人」ではなく、「その人自身」が魅力的かどうかだ。

最近、仲良くしている女性が、子どもの頃から使っているタンスをいまだに手入れをしながら大事にしているところを見た。1つのものをずっと愛用している姿を非常に魅力的に感じた。

新しいものや、流行ばかりを追っていると、自分のこだわりが見つからない。1つのモノをずっと長く、壊れるまで使うと愛着が沸いたり、自分はこんなものが好きなんだと自分自身を知るきっかけにもなる。

例えばノートを使い切った時、ボールペンのインクを使い切った時、電源が入らなくなった瞬間。私はそんなモノの役目を終える瞬間が好きだったりする。

何かモノを買おうとする時、それが今の自分にとって本当に必要なものか、ただ流行に乗っているだけではないか、今持っているモノはまだ使えるのではないか。そんなことを考える時間を取ると無駄に買い物をしなくて済む。

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