かき氷 006〜010

006 / マツシタキッチン・チョコレート
大阪・玉造。この日は小雨で少し寒かったのでコンディションがあまりよくなかった。玉造に来る前に福島のカフェ・トウェルブへ顔を出したが、この時点で3時間待ちだった。7月頭のころである。それに平日。すごいことです。
マツシタキッチンは小さな店で、順番待ちが怖かったものの全員揃っていなくても席に通してもらい、店員さんの機転に助けられた。小雨で人入りが少なかったおかげだと思う。普段はそうはいかないはず。
ここのかき氷は四角くて、トレーもステンレスの金属で見た目がかっこいい。チョコレートは特に見た目で選んでしまった。たぶん味はパッションフルーツのほうが好みだったと思う。ココアパウダーが美しい。山みたい。
好きな人は好きだろうと思うし、いいところがたくさんあるのに、なぜか自分の心には強く残らなかった。そういうこともある。自分の心がぼんやりしてしまっているタイミングで来てしまったのがよくない。
2023/07/05

007 / AMATO・杏仁豆腐
名古屋・栄。言わずと知れた有名店で夏の7・8・9月にしかオープンしない期間限定店。なぜ有名なのかと言うと、言わずと知れた岐阜の銘店赤鰐の店長がここで修行をしたからだ。
オープンしたばかりで、AMATO初体験だったので気合を入れて開店前に来てみたら、別に並んでいなかった。後から通ってわかったことだが、AMATOは世界一ゆったり入れるかき氷ガチ店で、来ているのもカフェだと思い込んでいる一般客よりゴーラーが多いのに、席数が多いためかほとんど混まない。もちろん土日のピークタイムは混んでいると思うけど、避けているので知らん。昼や朝は全然空いている。並んだことなし。こんなにうまいのに。
初めてのAMATOは杏仁豆腐だった。初めて食べた時にびっくりした。赤鰐の店長がよくインタビュー記事で言っているのと全く同じ感想を持った。
雪が降ってポストの上に積もっているのを、母親にバレずにこっそり食べた時を思い出した。雪。すごい。すごい雪。シロップもおいしい。感動したのはさらにまたその次の瞬間で、器の山の部分を雪じゃ雪じゃと食べ進めると、器の下に盛られている氷は削り方が違うことに気がついた。少し粗めに削られている。じゃくじゃくとした、よくいろんな店で食べるタイプのさくふわ系の削り方。
部分によって削り方を変えているのだ。おいおいマジかよ。大体の店が初雪の黒いやつとか白と青のやつでブーンて削ってんねんぞ。私は素人ながらにAMATOのかき氷一杯から物語を一本聴かせられた気分にさせられてしまった。すごすぎる。
これがレジェンド……、と思いながらその後何日もAMATOのかき氷を思い出した。1年経って、それからたくさんいろんなお店で食べてきた今でも、AMATOは日本でも上位に入るかき氷屋さんだと思っている。
2023/07/08

008 / べつばら・メロンミント
この日はかき氷ハシゴをした日で、べつばらは本来大阪のお店なんだけども、名古屋の東別院のマルシェに出店していた日だった。先に整理券をとり、その間にAMATOに行ってきたというわけ。今振り返っても最適解のルートすぎて自分でも感心する。
べつばらは非常に人気店で、整理券の列もとても長かったし、整理券がなくなるのも早かった。そしてこの日はまた雨が降っていた。別院に戻る頃にはまた小雨。
じめっとした湿度の中、振り落ちる雨を見ながら食べたメロンミントは、振り返ってみると非常にこのシチュエーションに適していた。この当時はAMATOからの帰りでいたく感激していたのもありピンときていなかったけど、思い返せばこのジメジメした雰囲気にとてもマッチした、爽やかで甘すぎないメロンとミントはとても美味しかった。
細かくて、少し硬いチョコチップがかかっていて、これもよかった。組み合わせがかなりオシャレだ。見た目も綺麗だった。オシャレすぎてまだ自分がべつばらのかき氷に追いつけていなかったのだと思う。
翌年店舗へ食べに行って、脳を焼かれてしまうかのような体験をしている。間違いなく大阪のナンバーワン、べつばら。絶対行けし。もはや私は大阪行ったらべつばらだけでもいいまであるね。
2024/07/08

009 / カフェくらがり・徳川家康雪うさぎ
くらがり渓谷というのが愛知県にあって、わりと遠い。渓谷というからには山の方なのである。キャンプ場施設などがある。名前がとてもいい。
家からとっても遠いけど、車で行けなくもない場所。天気があまりよくなかった。そんな場所に人気のエスプーマ氷のカフェがあるという。岡崎は毎年夏になるとかき氷街道というスタンプラリー企画をやっていて、このお店も参加していた。
別にスタンプラリーには興味がなかった。かき氷情報を収集したかっただけなので。で、その中で一番遠かったこの場所へドライブをかねて行った。
カレーが人気らしいのでカレーも食べた。おいしかった。
私はエスプーマをほぼ体験したことがなく、なんかクリームみたいなやつっしょくらいにしか思っていなかった。このかき氷にはうさぎの耳が生えていて、味噌の使われたエスプーマが全体を覆い、塩などふって食べてねというスタイル。
結論から言うとちゃんと美味しかった。あまじょっぱ系ではある。エスプーマ、悪くない。わりと思っていたよりうまい。としか言えない。めちゃくちゃ好きかと言われると、この店だけではまだそうだとは言えなかった。ただ食べ終わるのがわりと早かったので、おいしくて夢中になって食べられたのだと思う。塩はいらなかったと思う。
よくわかんないけどこういう旅もまあたまにはいいな、と思った日。
2023/07/09

010 / Suria Coffee・ティラミス
かき氷ハイになっていて、3日連続でかき氷を食べた。自分でも衝動的になっているなと自覚することはある。この店は名古屋の新瑞橋にある、パッと見は普通の喫茶店。
この場所は普段からよく通る場所で、隣の山田餅には子供の頃から買いにきているし、こんなところにかき氷屋なんてあったっけ、くらいの感覚でいた。喫茶店で、夜20時まで営業しているため仕事終わりでも来ることができる。
どうしてこんな普通っぽい店に、プロゴーラーがやたら来て写真をあげているんだろうな、と不思議だった。とりあえずで入ってみてびっくりしたのがメニューが死ぬほど多い。かき氷のメニューが。盛りなしで50種類はある。
さらに酒のかき氷メニューもある。カクテル氷のような。バイクで来ていたためこれは食べられなかった。季節ものやイベントに合わせたものもある。
この店が異様なのはメニューの豊富さだけでなく、年中やっており、20時まで三重の天然氷で食べられる、という点。なかなかこんな条件が揃う店はない。かなりヘンだ。
喫茶店のふりをしているため、普通にコーヒーを飲みにくるおじさんなどもおり、夏はあたりまえのようにエアコンがかかっているが、さらに扇風機が3台くらい回っている。小さい店なのに。そんな環境でかき氷を50種類展開して、客に食わせようとしている。怖すぎる。
かき氷、めちゃうまいです。が、その環境のおかげで極寒状態になります。温かい飲み物を頼むとよいでしょう。私は凍えながら夏の日にバイクで帰宅し、家に帰っても冷えが取れませんでした。また行きます。
2023/07/10

010 / 蜜氷・マンゴスチンくりち
氷活を始めて一ヶ月、ついに予約制の店に手をだすの巻。この頃、この蜜氷さんはまだお店をオープンさせて1年経っていなかった頃だったと思う。ネットで検索してもほぼヒットせず、インスタのみで探したがすでに常連さんができつつある雰囲気はあった。
美味しいものを探すにはGoogleよりインスタ、というのはもう完全に鉄則。予約もインスタからというお店が増えている。
始めて予約システムを利用したので自信がなく、DMで大丈夫か聞いたほどだった。このお店に限らないが、完全予約制のかき氷店は独特な雰囲気がある(かき氷にも限らないが)。
静かで、ものわかりがよく、玄人じみた客しかいない。そして少し緊張する。蜜氷は夏場でも温かいお茶(セルフ)、ブランケット、ストーブが用意されている(ストーブはない時もある)。また、おかずみたいなメニューが多いのが特徴。初めての時がコーヒーだとかマンゴスチンだとか、わりと直球で良かった。マンゴスチンは別皿で添えられてきたので、かき氷を食べながら頃合いを見てマンゴスチンを喰んだ。
蜜氷は今でも比較的予約が取れやすい店だが、高い独自性を誇っている。先述のようにおかずのような具材の組み合わせたがあったり、高級フレンチのような具材の組み合わせが出てきたりする。一杯のかき氷ながらコース料理を食べているような気分になる。
以降、定期的にリピートするようになるお店になった。
2023/07/15

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