文系学部に進学した人が気を付けなければいけない事

(1)研究者の世界で生きていける人はごく一部である。
 理系の学問の場合、大学以外にも研究機関はたくさんあります。企業が研究職として人を雇う場合もあります。
 それに対して文系の学問の場合、研究者として生きていくためには大学の教員になる以外道はほぼありません。一般企業が文系研究職の求人を出している例は、過去に見たことがありません。
 どれだけ高尚なことをやっているつもりでも、お金を稼ぐために役立てられない場合、それはただの趣味にすぎないということは、分かっていた方がいいと思います。

(2)企業に就職する場合ほぼ全員が総合職(営業職)となる。
 専門の資格を持っている場合は別ですが、そうでない場合は基本的に営業職として働くことになります。(理系であれば研究職や技術職もあります。) 
 営業職の世界は、勉強ができればそれだけでなんとかなるという世界では絶対にないです。そこをカン違いして、
「必死で勉強していい大学に入れば何とかる。」
と思っていると痛い目を見ます。学歴が役に立つのはせいぜい入社するまでの話です。(入社に関しても、一般的に思われている程の効果はありません。)
 もし営業職としてやっていく自信がないのであれば、文系学問が得意でも文系の道に進むのはやめるというのも、一種の手段であると思います。(というより、専門職や公務員になるつもりがないのであれば、ほぼ確実にやめた方がいいと思います。)

(3)大学の専攻は就職と無関係
「法学部や商学部は実学を学ぶから就職に有利」
「文学部や教育学部は就職に不利」
というのは大嘘です。文系の場合、どこの学部を出てようが就職における有利不利はありません。新卒総合職の場合、企業が見ているのはポテンシャルです。(研究職や技術職の場合はやや違ってきます。)今の時点の知識や経験がどうとかいう話ではないです。同じような理由で、資格で武装するのも無意味であることは、分かっていた方がいいと思います。

(4)難関大学でも、就活で失敗する人は普通にいる。
 確かにいい大学に入った方が、就活の面でも有利であるのは間違いないです。(情報収集、環境等)しかし有利であることと確実であるのとは、また別問題です。あまり目立たないだけで、無職のまま卒業する人も一定数存在します。そして前述したように、上手く就職できても予後が芳しくない人は、世間でイメージされているよりは全然多いというのが現状です。

(5)好きなことで行くのは難しい。

 文系に限った話ではないですが、これが身も蓋も無い真実ではあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?