『恒大集団』

負債総額33兆円など、連日報道されている

中国の不動産開発大手『恒大集団』について情報を共有いたします。

中小型物件で拡大

創業者は許家印(Xu Jiayin)。
深センの貿易会社の子会社の社長を務めた後、1996年起業。2019年3月時点は世界22位、中国3位の富豪とされていた。

恒大集団はコンパクトな部屋を配した集合住宅を手がけ、標準化された物件開発を高速ですすめることによって規模を拡大。中央都市ではなく、二級都市や三級都市等そもそも物件が存在しなかった地域で事業を展開した。
中小型物件を販売し、2010年に提供した65,000件のうち55%は初めて物件を購入する人だった。
2009年に香港市場に上場。


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事業の多角化

中小物件を売り続けるビジネスモデルの成長性には限界があり、許家印は柱となる事業を探し続けてきた。
2016年の年次報告書では「4つの事業セグメント」を定義。
不動産事業の他に金融事業、観光業、健康を主力事業とすることを公表している。

EV事業にも積極的に投資をしており、2019年には電気自動車の販売を宣言。わずか3〜5年で世界最大の新エネルギー車メーカーになるという大胆な目標を掲げた。2020年には6つのEV車種を発表している。

13.5兆円の負債

多角化を進める中で財政状況の悪化は止まらない。

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2019年末手元の現金同等物は1,500億元(2.5兆円)、
同時期のBS上の借金は合計8,000億元(13.5兆円)に迫っており、そのうち3,700億元(6.3兆円)あまりが流動負債である。

借金に頼って事業を拡大し、手を広げ過ぎた一方で成長が鈍化し、首が回らなくなっている。




中国の不動産市場



中国の出生率は公表されている数値よりも遥かに小さいとも言われており、20年以上にわたり続いた不動産ブームが終わろうとしている。

恒大集団に限らず、中国不動産会社のデフォルトリスクは今後も市場に影響を与えるだろう。

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