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ke shi ki 5th anniversary story
2016年にスタートしたレザーバッグブランド ke shi ki は、皆様のお力添えのおかげで、2021年10月に設立5周年を迎えることができました。これを記念しブランディングビジュアルを制作いたしましたので、そのストーリーと制作背景をご紹介できればと思います。
今回は少しおとぎ話のような世界観です。
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Prologue
舞台は町の外れの小さなお家。
そこには長いこと老婦人が1人で暮らしていましたが、時が経ち、その家はとうとう家主を失ってしまいました。
その町に引っ越してきたばかりの少女。
1人外で遊んでいると、小道を歩いていく女性を見かけます。友達になれないかと、好奇心のまま後をついていくことに。向かう先は、だれも住んでいないはずの家・・・。
女性の後を追い空家に迷いこんだ少女は、そこでふかふかの絨毯を目にします。家主だった老婦人に大切に使われてきた家具や道具は、まるで今も使われているかのようです。思わず家の中を探検し、クローゼットから大人の洋服を引っ張り出して遊ぶ少女。部屋から部屋へ歩き回り、陽の差し込むリビングにたどり着きます。
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リビングには女性の姿がありました。そっと近づく少女の視線の先には、椅子に置かれたレザーバッグ。大人の持ち物に憧れる少女は、バッグを手に取り、走り去ります。女性は突然の出来事に驚き、少女の後を追いかけます。
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寝室を覗くと、少女は鏡の前でバッグを身につけて遊んでいました。楽しげな少女とすっかり散らかった部屋を、女性は静かに眺めます。
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女性は少女に誘われて、2人で遊びはじめました。「積み木をしよう!」少女はそう言って、寝室やリビングに置いてある小物を集めます。どちらが高く積めるでしょうか。
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「名前はなあに?」と少女は尋ねましたが、女性は微笑むだけで何も話しません。それでも2人はすっかり仲良くなりました。
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「次はお絵かきをしよう!」2人はお部屋にあるものや空想のものを描きはじめます。少女は先ほどのバッグを思い出して絵を描きつつも、次第に眠くなってくるのでした。
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気がつくとうたた寝をしてしまい、寝室で目を覚ます少女。長い夢を見ていたような気がします。辺りを見渡すと、側には先ほど描いたバッグの絵が置いてありますが、女性の気配がありません。
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少女が寝ている間に、女性は1人Flat bagを組み立てていました。家主だったおばあさんといつもお出かけが一緒だったバッグは、次の外出を待つあまりに1人の女性に姿を変えていたのでした。
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少女は眠気を感じたまま女性を探しますが、家のなかはすっかり静まり返っています。2人で遊んだお部屋の扉をノックして、そっと開いてみました。
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窓際にはレザーバッグが置かれていました。隣にはお手紙があり、遊んでくれたお礼と、バッグはプレゼントであることが書かれていました。
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長く一緒に過ごした持ち主を失ったバッグは、お友達になった少女の元へと受け継がれていくのでした。帰りがけに少女が家を振り返ると、そこは門も閉ざされた人気のない空家の姿でした。少女は、バッグを大切に使っていたらまた女性に会えるかもしれない・・・と思うのでした。
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fin.
ストーリーの全編を、ぜひムービーにてご覧ください。
ke shi kiは、日々の景色に溶け込む佇まいを大切に考え、シンプルなデザインと手仕事による精緻な作りを特徴としております。
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5周年という節目に当たり、これから先のブランドイメージを象徴するムービーにすべく参考にしたのは、デンマークを代表する画家、ヴィルヘルム・ハマスホイの絵画です。静寂を描き出した室内風景画の、少しアンダーな色彩や奥行きのある構図を取り入れ、ブランドが大切に考える「景色」のなかでの佇まいや、普遍的な美しさを表現しています。
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ストーリー面は、長く大切に使われてきた家を舞台に、かつての家主だった老婦人のバッグが、ある少女の元へと受け継がれていくという設定です。
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多くの物に溢れ、安価に物が手に入る社会のなかで、一つの物に心が宿るかのように大切に使う体験や、人から人へその気持ちが繋がっていく様子を描き、ブランドの目指す世界観を表現できればと思いました。
この物語は、実際にお客様がバッグを親子で使用されていたり、二十歳のお祝いのプレゼントとして選んでいただくことも多く、そのようなブランドとお客様のストーリーから想起されたものです。長持ちする素材で仕立てたシンプルなデザインのレザーバッグが世代を超えて受け継がれていく様子を、架空の物語にのせて表現しました。
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まだまだ小さなブランドですが、これから先、実際にお客様に長く使っていただけるブランドとなれるよう精進いたします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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Cast: Nao (Gunn’s), Fuka Okayama
Stylist : Sho Takeno
Hair Make : Maila Tsuboi
Accessories by : noguchi BIJOUX
In association with : Profoto
Image Director / Photographer: shuntaro
Director / Prop Stylist : Ruri Hosokawa
Cinematographer : Daisuke Abe / Ryusuke Honda
Editor / Colorist : Kyo Kuboyama
Retoucher : Akko Noguchi
Project Manager : Yuki Koike / Task Watanabe
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