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株価計算方法:的はずれな議論に惑わされないためのガイド


相続税株価の考え方

相続税での、取引所の相場の無い株式の評価についてお話しします。こういうと難しいですが、要するに中小企業で上場していない会社の株価はどのように考えられているかということに関してです。

株価の話をすると、的はずれな議論に巻き込まれることが多いことを体験しています。つまり、あの比率は4で割るのか3で割るのかとか、なんだか皆さん計算方法のお話しが好きなようです。

しかし、株価の計算方法のポイントはそのようなところにはありません。なぜ、三種類の計算方法があるのか、それはどんな考え方で適用していけば良いのかというのが、一番大切なところです。
それがないと、あらゆる議論がトンチンカンになってきます。

三種類の計算方法とは
類似業種比準価格、これは上場企業の株価を参考にして統計的に計算する方法です。
配当還元方式 これは将来受ける配当の期待権を株価として表す計算方法です。
純資産方式 これは企業を買収する場合の株価としての計算方法で、売却したとした場合の法人税の負担まで負債として計上します。

そもそも論として、市場で現金化できない中小企業の株式をなぜ保有するのでしょうかというところから 考えなければなりません。

大きく分けてその目的は次の3つです。
会社に売却して利益を得るのか、
配当を期待しているのか、
経営権を取得して買収しようとするのか

現実の相続税の申告では、株主の持つ株式の保有割合や企業規模などの要素をミックスして、それぞれの株価を計算することになります。

その保有目的とそれに伴った計算方法を理解することができれば、理屈がストンと胸に落ちます。

そして、相続税の株価評価はあくまで相続税の申告のための価額の算定方法ですが、基本的な考え方を知れば、それを相続税以外の取引に適用したり、裁判などで主張したりすることも可能になると思います。

純資産方式などは、時価評価という点、税金負債を計上するという点で、国際会計基準を先取りしていますね。




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