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経営アドバイス 銀行借入は交渉次第


企業が銀行からの評価を高めるためには、借入が大きなポイントとなります。たとえば、借入金がゼロで預金が1000万円の企業と、借入金が3000万円で預金が4000万円の企業とでは、実質的な資産状況は同じでも、銀行の評価は後者の企業に軍配が上がります。これは、現預金が多いことに加え、「どこかの銀行が融資をした」という事実が信用を生むためです。

銀行から「借りてください」と言われるためには、手元資金を十分に確保する必要があります。しかし、手元資金を十分確保するためには、銀行から「借りてください」と言われる状態を作る必要があるという、まさに「卵が先か鶏が先か」の問題です。さらに言えば、「借りたかったら借りられる状態を作っておけ」ということになります。具体的には、「借入限度額まで借り、手元資金を厚くしておく」ことが重要です。

中小企業の銀行との付き合い方

中小企業が銀行と付き合う方法は大きく2つに分かれます。一つは「銀行が全然いい顔をしてくれなくて困っている」会社であり、もう一つは「銀行から借りてくれと言われていて、うるさくて仕方がない」という会社です。後者の状態が本当に会社の実力を反映しているとは限りません。銀行担当者もノルマに追われているため、中間決算期の3月や9月には、普段なら通せないような融資案件を通すこともあるのです。つまり、銀行借入は交渉次第という一面もあるのです。

融資をスムーズに受けるためのポイント

銀行からスムーズに融資を受けるためには、以下のようなポイントを押さえることが重要です。

  1. アポなし訪問を避ける
    銀行の窓口にアポなしで訪問することは避けましょう。銀行から「借りてください」とアプローチを受けていない状況で融資を受けるのは極めて難しいと言えます。もし銀行から「借りて欲しい」というアプローチがあれば、そのルートを本当に大事にしてください。

  2. 信頼関係を築く
    私は税理士であると同時に、コンサルタントでもありますが、銀行融資の相談業務の大きな部分を占めるのが「融資してくれる銀行(またはノンバンク)を探すこと」です。信頼関係を築くことが、融資をスムーズに受けるための第一歩です。

  3. 融資を受ける準備をする
    融資を受けるための書類や資料を事前に整えておくことも重要です。企業の財務状況や将来の事業計画を明確に示すことで、銀行の信頼を得ることができます。


銀行借入は単なる資金調達手段ではなく、企業の評価を高めるための重要なポイントです。適切なタイミングと交渉力を持って銀行と付き合うことで、企業の信用を築き、さらなる成長を目指すことができます。銀行からの融資を上手に活用し、企業の健全な財務体質を維持するために、日頃からの準備と交渉力を磨くことが求められます。

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