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税理士試験の簿記論: 必要な学習時間と私の経験

こんにちは、税理士の高木です。今日は簿記関係の資格と必要な学習時間についての解説をします。

簿記の資格を取得するには、それぞれの段階に応じた適切な学習時間と努力が必要です。この記事では、簿記の資格と学習時間の関係について詳しく説明します。

簿記3級
簿記の基礎となる3級の取得には、約30時間の学習が適切です。このレベルでは、基本的な簿記の理解と技術を身につけることが目標です。

簿記は会計の基礎であり、ビジネスにおいて財務管理や経理を行う上で欠かせないスキルです。私の感覚としては、すべてのビジネスマンが簿記の3級レベルの知識を持つことが必要だと考えています。また、経理関係の業務に従事する場合には、最低限の簿記の資格を取得することが求められます。

簿記の重要性
簿記とは、企業の財務状況を記録し、管理するための基本的な会計の手法です。収支や資産、負債などの情報を整理し、報告することで、経営者や関係者が企業の健全性を把握し、意思決定を行うのに役立ちます。また、税務申告や監査などの業務にも簿記の知識が必要です。

ビジネスマンにとっての簿記の必要性
ビジネスを行う上で、資金の流れや収益の状況を正確に把握することは非常に重要です。簿記の知識を持つことで、自らのビジネスにおける財務管理が効率的に行えるだけでなく、他の企業や投資先の財務状況を理解し、適切な判断を下すことができます。

経理関係の業務と簿記の資格
経理関係の業務に従事する場合には、簿記の資格が求められることがあります。特に中小企業や個人事業主などでは、経理業務を担当する人が簿記の知識を持っていることが重要です。簿記の3級レベルの資格は、基本的な簿記の知識を身につけるための初歩的な資格であり、仕事での活用に適しています。

簿記2級

簿記2級は、3級の知識に加えて、工業簿記の基礎知識が加わります。

2級に進むと、学習に要する時間は増えます。専門学校で学ぶ場合、約200時間の学習が必要です。2級では、より高度な簿記の知識と技術が求められます。

すべての人に簿記2級が必要かどうかは議論の余地があります。しかし、特定の業種や経営戦略のシミュレーションなど、特定の状況下では、簿記2級レベルの知識が重要とされます。以下では、その理由について詳しく説明します。

製造業における簿記2級の重要性
製造業は、原材料の調達から製品の製造、販売、在庫管理まで、複雑な財務取引が行われます。簿記2級の知識があれば、これらの取引を正確に記録し、管理することが可能です。原価計算や在庫評価などの製造業特有の会計処理について理解することは、企業の経営にとって重要です。

経営戦略のシミュレーションにおける簿記2級の必要性
経営戦略の立案やシミュレーションでは、過去の財務データを分析し、将来の業績を予測する必要があります。簿記2級レベルの知識があれば、財務諸表の読解や財務分析がより深く行えるため、より正確なシミュレーションが可能となります。また、投資や資金調達の判断においても、簿記の知識は不可欠です。

すべての人に簿記2級が必要かどうかは状況によりますが、製造業や経営戦略のシミュレーションなど、特定の分野では簿記2級レベルの知識が重要とされます。製造業では原価計算や在庫管理などの会計処理が必要ですし、経営戦略の立案においても正確な財務分析が求められます。したがって、経営幹部を目指される方や、戦略立案の分野に従事する場合には、簿記2級の取得が有益であると言えます。

簿記1級
1級を目指す場合、簿記2級を取得するレベルの知識がある場合は約300時間の学習が必要です。もし全くの初心者の場合は500時間くらいは必要です。
1級はより高度な簿記の理解と応用能力を要求します。


税理士試験や公認会計士試験

税理士試験の簿記論や公認会計士試験の簿記科目に対する学習時間は、簿記1級程度の基礎知識がある場合は、専門学校を利用すれば最低500時間程度で良いと思います。

初学者の場合は最低でも1000時間以上の学習が必要となるでしょう。

なお、簿記の検定は検定試験ですので、一定の点数以上なら合格しますが、これらの試験は競争試験ですので、一定の点数を取れば合格というのではなく、上位何%までが合格という仕組みになっています。

私の場合は、簿記を知ったのは社会人になってからだったので、合格まで非常に苦労しました。たぶん数年かかって2000時間以上は勉強しているでしょうね。

なんで借入が増えるのに貸方なんだろうってとか、お金は増えるときの仕訳は左側、つまり左手でお金を受け取る時が増加、なんて、最初はそんなトンチンカンなことを考えながら勉強していました。

そんなレベルから始めた私でさえ合格したのですから、これから目指す方はご安心ください。

要はあきらめさえしなければ必ず合格します。



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