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ブックレビュー 世界の一流は「雑談」で何を話しているのか


「雑談」と聞いて、何を思い浮かべますか?天気の話、テレビ番組の感想、週末の予定…それらは日本的な雑談の定番ですよね。しかし、ピョートル・フェリクス・グジバチの『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』を読んでいると、そんな雑談観が一新されます。

グジバチ氏が働いていたグーグルでは、「Let's chat!」という言葉が頻繁に飛び交っていたそうです。しかし、その意味するところは、ただの無駄話ではありません。むしろ、雑談の名を借りた「対話(ダイアログ)」に近いもので、明確な意図を持って行われる創造的なコミュニケーションが中心です。

日本のビジネスマンがしばしば行う雑談は、緊張をほぐすための潤滑油のようなもの。しかし、それだけではもったいないとグジバチ氏は説きます。一流のビジネスマンたちは、雑談を通じて相手との関係を深め、仕事のパフォーマンスを上げるための戦略的なツールとして活用しています。彼らの雑談は、ただの「世間話」ではなく、業務の効率を高めるための重要な要素なのです。

また、本書は「雑談が苦手」と感じる人にも朗報です。グジバチ氏は、雑談を単なる無目的な会話と捉えるのではなく、目的を持って行うことでその価値が最大化されると主張しています。目的を持って行動することが得意な人なら、雑談もその延長として武器に変えることができるのです。

『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』は、雑談を見直し、ビジネスシーンでのコミュニケーションを一段と高めるための指南書です。世界の一流ビジネスマンの雑談術を学ぶことで、日本のビジネスマンも仕事の質を向上させる新しい視点を得ることができるでしょう。

最後に、特筆すべきは本書の構成の緻密さです。日本人が抱く雑談の概念を覆し、世界の一流がどのように雑談を活用しているかを丁寧に解説しています。社内のチーム力を高める雑談術や、ビジネスの場での雑談の使い方、そして避けるべきNGポイントなど、実践的なアドバイスが満載です。

雑談を軽視しているそこのあなた、本書を手に取って、世界の一流と肩を並べるための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?雑談という名の「武器」を手に入れれば、あなたのビジネスライフはきっと一変することでしょう。


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