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コボラーの日本 オブジェクト指向と従来のプログラミングの違い


こんにちは、プログラミング愛好家の皆さん!今日は、プログラミングの世界に革命をもたらした「オブジェクト指向(Object-Oriented Programming、OOP)」について、そしてその革新にもかかわらず、未だに多くの日本企業が依存している「重厚長大」のコボル(COBOL)についてお話ししましょう。

まず、オブジェクト指向とは何でしょうか?そして、従来のプログラミング(手続き型プログラミング)と何が違うのでしょうか?

オブジェクト指向の基本概念

オブジェクト指向は、プログラムを「オブジェクト」の集合として捉える考え方です。オブジェクトとは、データとそのデータを操作する手続きを一つにまとめたもので、具体的にはクラスから生成されます。クラスはオブジェクトの設計図のようなもので、属性(データ)とメソッド(操作)を定義します。

オブジェクト指向の主な特徴は以下の通りです:

  1. カプセル化: データとメソッドを一つのオブジェクトにまとめ、外部から直接アクセスできないようにすること。これにより、データの保護とモジュール化が可能になります。

  2. 継承: 既存のクラスを基に新しいクラスを作成し、コードの再利用性を高めることができます。

  3. ポリモーフィズム: 同じ操作が異なるオブジェクトに対して異なる動作をする能力。これにより、柔軟で拡張性の高いプログラムが作成可能です。

  4. 抽象化: 複雑なシステムを簡略化し、重要な部分に焦点を当てることができます。

従来のプログラミングとの違い

従来の手続き型プログラミング(例えば、C言語やPascal)は、プログラムを一連の手続きや関数の集合として捉えます。手続き型プログラミングでは、データとその操作が分離されており、データの変更が他の部分に影響を及ぼしやすいという問題があります。

オブジェクト指向はこれを改善し、データと操作を一つの単位として扱うことで、プログラムの構造をより明確にし、保守性と再利用性を高めます。

プログラムの革命

オブジェクト指向の登場は、プログラムの設計と開発に革命をもたらしました。モジュール化と再利用性の向上により、大規模なシステムの開発がより効率的かつ管理しやすくなったのです。また、ポリモーフィズムや継承などの概念は、プログラムの拡張性と柔軟性を飛躍的に高めました。

しかし、ここで日本特有の問題が浮き彫りになります。それは、未だに多くの企業がCOBOLに依存しているという現実です。

日本の企業とCOBOL

COBOL(Common Business-Oriented Language)は、1959年に開発されたビジネス用途のプログラミング言語です。COBOLは、大規模な業務システムにおいて広く採用されており、特に金融機関や保険会社などのミッションクリティカルなシステムで今でも現役です。

その結果、日本では多くのプログラマーがCOBOLプログラムのメンテナンスに従事しており、これが一種の「メンテナンス要員化」問題を引き起こしています。

メンテナンス要員化の問題点

COBOLシステムのメンテナンスは、多くの場合、レガシーシステムの維持に過ぎません。新しい機能の追加や革新よりも、既存システムのバグ修正やデータ更新が主な業務となるため、プログラマーのスキルアップやキャリア成長が制限されがちです。

また、COBOLを知るエンジニアの高齢化も深刻な問題です。新しいプログラマーは、現代的なプログラミング言語や技術に触れる機会が少なく、結果として、業界全体の技術革新が停滞するリスクがあります。

未来への道筋

では、どうすればこの状況を改善できるのでしょうか?

  1. 教育とトレーニングの充実: プログラマーが最新の技術や言語を学ぶ機会を提供することが重要です。オンラインコースや企業内トレーニングプログラムを活用し、オブジェクト指向や最新技術の理解を深めることが求められます。

  2. システムのモダナイゼーション: レガシーシステムを段階的に現代的な技術に移行することも必要です。これには、既存のCOBOLシステムをJavaやC#などのオブジェクト指向言語にリプレースするプロジェクトが含まれます。

  3. 企業文化の変革: 企業全体で技術革新を推進する文化を醸成することが不可欠です。トップダウンでのイニシアティブや、現場からのボトムアップの提案が受け入れられる環境を作ることが求められます。


オブジェクト指向はプログラム開発に革命をもたらしましたが、日本の多くの企業が未だにCOBOLに依存している現実があります。この現状を打破するためには、教育とトレーニング、システムのモダナイゼーション、企業文化の変革が必要です。

皆さんも、オブジェクト指向の力を借りて、自分自身のスキルアップを図りましょう。そして、未来のプログラミングを共に切り開いていきましょう!

それでは、また次回お会いしましょう!

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