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経営のアドバイス 目標利益額の決め方:成功への鍵を解説
こんにちは、税理士の高木です。
今日は、企業経営において非常に重要な「目標利益額の決め方」について解説します。数字を扱うことが苦手な方でも安心して読めるように、わかりやすく説明していきますよ。
1. 過去の実績を元に目標増益率から算出
まずは、過去の実績をベースに目標利益を設定する方法です。これは比較的シンプルで、過去の経常利益に目標とする増益率を掛けて計算します。
例: 前期経常利益が5億円で、増益率を10%と設定した場合:
5億円 × 10% = 5,500万円 5億円 + 5,500万円 = 5億5,500万円
この方法は簡単ですが、市場の状況や経済環境など、他の要素も考慮することが大切です。
2. 目標とするROA(経常利益÷総資産)から算出
次に、目標とするROA(Return on Assets)を元に利益額を設定する方法です。総資産に対して何%の利益を上げたいかを決め、その数値を基に計算します。
例: 目標ROAを5%、前期総資産が4.5億円、次期予想総資産が5.5億円の場合:
(4.5億円 + 5.5億円) ÷ 2 × 5% = 2,500万円
総資産の予想には、前期の総資産に設備投資予定額や減価償却費を加味します。
3. 一人当たり経常利益から算出
これは、従業員一人当たりの経常利益を基に計算する方法です。特に労働集約型の企業では、生産性の指標として合理的です。
例: 一人当たり経常利益を200万円、従業員数を50人とすると:
200万円 × 50人 = 1億円
生産性を高めることで、目標利益に近づくことができます。
4. 借入金の返済原資を確保できる利益から算出
これは、借入金の返済を確実に行うために必要な利益を計算する方法です。返済額から逆算して必要な税引後利益を求め、さらにそれを基に経常利益を算出します。
例: 毎年の借入返済額が3,000万円、減価償却費が500万円、法人税率が30%の場合:
返済に必要な税引後利益 = 3,000万円 - 500万円 = 2,500万円
返済に必要な経常利益 = 2,500万円 ÷ (1 - 0.3) = 3,571万円
この方法は、特にプロジェクトベースの企業や赤字企業に有効です。
目標限界利益率の設定
最後に、目標限界利益率の設定です。これは、各商品の限界利益率と売上構成比を基に、全体の目標限界利益率を計算します。
例: 商品A、B、Cの限界利益率と売上構成比を次のように設定します。
商品A: 限界利益率30%、売上構成比40%
商品B: 限界利益率40%、売上構成比40%
商品C: 限界利益率50%、売上構成比20%
各商品の寄与度を計算します。
商品A: 30% × 40% = 12%
商品B: 40% × 40% = 16%
商品C: 50% × 20% = 10%
全体の目標限界利益率は、各商品の寄与度の合計です。
12% + 16% + 10% = 38%
この方法を使えば、効率的な利益目標を設定できます。
目標利益額の決め方にはいくつかの方法があり、それぞれにメリットがあります。過去の実績を基にした方法や、ROAを基にした方法、従業員一人当たりの利益を基にした方法、借入金返済を考慮した方法など、企業の状況や目標に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
皆さんも、これらの方法を参考にして、自社の目標利益額を設定してみてくださいね!次回もビジネスに役立つ情報をお届けしますので、お楽しみに!
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