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交際費と広告費の違い:会社の経理担当者と税理士の会話



ある晴れた日の午後、ABC株式会社の経理担当者である佐藤さんは、税理士の田中先生をオフィスに招いていました。年度末が近づく中、交際費と広告費の区別についての相談をするためです。

佐藤さん:

「田中先生、今日はありがとうございます。交際費と広告費の区別についてお聞きしたいのですが、具体的にはどのように判断すればよいのでしょうか?」

田中先生:

「こちらこそお招きいただきありがとうございます、佐藤さん。まず、交際費とは、得意先や仕入先、その他事業に関係のある者への接待や贈答のために支出する費用のことです。具体的には、食事や接待、慰安旅行、贈り物などが該当します。」

佐藤さん:

「なるほど。具体的な例としては、顧客との接待や、取引先に贈るお中元やお歳暮などですね。」

田中先生:

「その通りです。一方で、広告費は、不特定多数の者に対して宣伝的効果を意図して支出される費用です。例えば、カレンダーや手帳、手ぬぐいなどを不特定多数に配布するための費用や、一般消費者を対象とした景品や試供品の提供がこれに該当します。」

佐藤さん:

「例えば、我が社が新製品のプロモーションとして、一般消費者向けに抽選で旅行をプレゼントするキャンペーンを実施した場合、それは広告費になるということですね。」

田中先生:

「その通りです。また、製造業者や卸売業者が、一般消費者に対して金品引換券を配布したり、特定の商品を購入した消費者を旅行や観劇に招待する場合も広告費に含まれます。」

佐藤さん:

「具体例があると理解しやすいです。もう一つ確認したいのですが、得意先への試供品の提供はどうなりますか?」

田中先生:

「試供品や見本品を得意先に提供するための費用も広告費として扱われます。ただし、注意が必要なのは、一般消費者を対象としている場合に限ります。例えば、医薬品メーカーが医師や病院を対象に試供品を提供する場合は、交際費に該当する可能性が高いです。」

佐藤さん:

「なるほど、対象が一般消費者かどうかがポイントなんですね。」

田中先生:

「その通りです。しっかりと交際費と広告費を区別することで、税務上のリスクを避けることができます。佐藤さん、他にも何かご質問はありますか?」

佐藤さん:

「今日はとても勉強になりました。ありがとうございます。今後、仕訳の際には注意して対応します。」


このように、交際費と広告費を明確に区別することは、正確な会計処理と税務対策において非常に重要です。会社の信頼性を保つためにも、適切な判断を心がけましょう。

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