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『友達の数は何人?ダンバー数とつながりの進化心理学』ブックレビュー

マガジンの分類 Book Review

読書感想文: 『友達の数は何人?ダンバー数とつながりの進化心理学』を読んで

著者: ロビン・ダンバー

「友達の数は何人?」この問いかけは、一見すると単純に思えますが、実は非常に奥深いテーマです。ロビン・ダンバーの著書『友達の数は何人?ダンバー数とつながりの進化心理学』は、この疑問に対する科学的な答えを探る冒険へと私たちを誘います。

ダンバー数の発見

まず、「ダンバー数」とは何かをご紹介しましょう。ダンバー数は、私たちが持つ安定した社会的関係の最大数を示す理論で、その数は約150人と言われています。この理論を読んだとき、私はふと自分のFacebookの友達リストを思い浮かべました。確かに、何百人もの友達がリストに載っていますが、頻繁に交流しているのはほんの一部です。ダンバー数の概念を知った瞬間、納得のいく瞬間が訪れました。

ダンバー数と私たちの生活

本書の中で最も興味深かったのは、ダンバー数が私たちの日常生活にどのように影響を与えているかについての具体的な事例です。たとえば、職場や学校、趣味のグループなど、私たちは自然と150人以内のグループに収まるようになっています。著者はこの現象を進化の過程で説明し、私たちの脳が処理できる情報量に限界があるためだと述べています。

ある日、会社の同僚とランチをしていたときにこの話を持ち出してみました。「私たちの部署もダンバー数に近いんじゃない?」と。すると、同僚は笑って、「そうかもしれないね。新しい人が入ってくると、誰かが辞めていくのもそのせいかも」と言いました。日常の小さな出来事も、ダンバー数の理論で説明できると感じた瞬間でした。

進化心理学の視点

さらに、ダンバーは進化心理学の視点から、なぜこの数が重要なのかを解説しています。あるホルモンや遺伝子が社会的つながりの形成にどのように寄与しているのか、またその結果としてどのような社会的ネットワークが構築されるのかを明らかにしています。例えば、特定の遺伝子を持つ男性が単婚者として認識されやすいという話は非常に興味深く、遺伝子が私たちの行動にどれほど影響を与えるかを考えさせられました。

ダンバー数の実践例

個人的な体験として、私はダンバー数を意識してSNSの友達リストを整理してみました。その結果、より親密で有意義な交流が増えたと感じています。多くの友達を持つことは一見良いことのように思えますが、実際には深い関係を築ける友達の数には限りがあることを実感しました。

結論

『友達の数は何人?ダンバー数とつながりの進化心理学』は、私たちの社会的関係を理解するための貴重な視点を提供してくれます。この本を読んで、私は自分の人間関係を再評価し、より深い繋がりを大切にするようになりました。ダンバー数の理論は、私たちがどのようにして友達を選び、関係を維持しているのかを理解する上で非常に役立ちます。ぜひ皆さんにも読んでいただきたい一冊です。

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