経営分析 総資本経常利益率とは?
こんにちは 税理士の高木です。今回は経営分析のお話しをしたいと思います。まずは手始めに総資本経常利益率から。
この、「総資本経常利益率」とは何でしょうか?英語では「Return on Assets (ROA)」と呼ばれます。
この指標は、企業が全資産を使ってどれだけ効率よく利益を上げているかを示します。具体的には、以下の計算式で求められます
総資本経常利益率(%)=(経常利益÷総資本)×100
経常利益とは、企業が本業や財務活動から得た利益のことで、総資本とは企業が保有するすべての資産を指します。
この指標が高いほど、企業は資本を有効に活用していることを示しています。
具体例で考える
具体例を見てみましょう。同じ売上高10億円、経常利益5000万円を計上しているA社、B社、C社の総資本経常利益率を比較してみます。
A社:総資本が10億円の場合 ROA=(5000万円÷10億円)×100=5%
B社:総資本が15億円の場合 ROA=(5000万円÷15億円)×100=3.3%
C社:総資本が20億円の場合 ROA=(5000万円÷20億円)×100=2.5%
このように、同じ利益でも総資本の違いによってROAが異なります。A社は資本を最も効率的に使っていることがわかります。
どれくらいのROAが良いのか?
では、どれくらいのROAが「及第点」なのでしょうか?令和5年版TKC経営指標によれば、優良企業の平均は9.3%、黒字企業の平均は5.5%、欠損企業の平均は-3.3%です。全企業の平均は3.4%であるため、5%程度が「及第点」と言えます。10%を超えれば、超優良企業と見なされます。
ROAを改善する方法
では、ROAをどうやって引き上げるのでしょうか?以下のポイントに注目してください。
経常利益の向上:本業での利益を増やすために、売上拡大やコスト削減を図ります。
有利子負債の返済:借入金を減らすことで、総資本を適正化します。
遊休資産の解消:使っていない資産を売却し、資本の効率化を図ります。
在庫の適正化:過剰在庫を減らし、資本を効率的に運用します。
これらの対策を講じることで、企業はより高いROAを実現し、経営効率を向上させることができます。
まとめ
総資本経常利益率は、企業の資本効率を示す重要な指標です。この指標を理解し、適切に活用することで、企業の健全性や競争力をより深く分析することができます。5%を目標に、ROAの向上に向けて取り組んでみてください。
次回のブログでも、経営指標について詳しく解説していきますので、お楽しみに!
それでは、またお会いしましょう!
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