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企業の経理担当者と税理士の相談:貸倒損失の計上について


経理担当者 (Aさん):

「お疲れ様です、B先生。今日は貸倒損失の計上についてご相談があります。」

税理士 (B先生):

「お疲れ様です、Aさん。もちろん、どういった内容でしょうか?」

Aさん:

「弊社で持っている金銭債権について、貸倒損失の計上が認められる事実やその対象となる金額、損金算入時期について詳しく教えていただきたいのですが。」

B先生:

「分かりました。まず、金銭債権が切り捨てられた場合について説明します。以下のような事実に基づいて切り捨てられた金額は、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入されます。」

  1. 会社更生法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、会社法、民事再生法の規定により切り捨てられた金額。

  2. 法令の規定による整理手続によらない債権者集会の協議決定および行政機関や金融機関などのあっせんによる協議で、合理的な基準によって切り捨てられた金額。

  3. 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができない場合に、その債務者に対して、書面で明らかにした債務免除額。

Aさん:

「具体的には、どういった手続きが必要ですか?」

B先生:

「例えば、債務者が会社更生手続きに入った場合、その裁判所の決定に基づいて切り捨てられた金額は損金算入が認められます。また、債務者の資産状況や支払能力が悪化し、合理的な基準に基づいて行われた協議によって切り捨てられた金額も対象です。」

Aさん:

「なるほど。他に考慮すべき点はありますか?」

B先生:

「はい。金銭債権の全額が回収不能となった場合についても重要です。債務者の資産状況や支払能力等から全額が回収できないことが明らかになった場合、その事業年度において貸倒れとして損金経理できます。ただし、担保物がある場合はその処分後でなければ損金経理はできません。」

Aさん:

「具体的にはどのように処理すればいいのでしょうか?」

B先生:

「例えば、債務者の支払能力が著しく低下し、弁済が期待できない場合、その金銭債権を損金として計上できます。ただし、担保物がある場合は先にそれを処分する必要があります。」

Aさん:

「分かりました。最後に、取引停止後の弁済がない場合について教えてください。」

B先生:

「以下の事実が発生した場合、その債務者に対する売掛債権について貸倒れとして損金経理が可能です。」

  1. 継続的な取引を行っていた債務者の資産状況、支払能力等が悪化したため取引を停止し、取引停止から1年以上経過した場合。ただし、担保物がある場合は除きます。

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