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ブックレビュー:『古代日本の超技術』を紐解く


日本の歴史と技術に興味を持つ読者には見逃せない一冊、『古代日本の超技術』を紹介します。本書は、現代科学の視点から日本の古代技術を解明するシリーズの最新刊であり、累計10万部を突破する人気を誇ります。

日本の技術史ミステリーを解く

この書籍は、現代のハイテク技術にも匹敵する古代日本の驚異的な技術について探求します。たとえば、五重塔がなぜ地震に倒れないのか、日本刀の鋭さの秘密、法隆寺の和釘が1300年も朽ちない理由など、興味深いテーマが満載です。

章ごとのハイライト

  1. 三内丸山遺跡:縄文時代の最新技術 縄文時代の人々がセラミックスを開発し、古代中国と同等の建築技術を持っていたことに驚かされます。特に、三内丸山遺跡の発掘により、当時の技術の高度さが明らかになっています。

  2. 前方後円墳:巨大墳墓の科学的理由 なぜ前方後円墳が「鍵穴」の形をしているのか、その科学的背景が探求されています。この形状には、防御的な役割や権力の象徴など、様々な説が提案されています。

  3. 五重塔はなぜ倒れないのか:揺れる「心柱」の秘密 五重塔の構造的な秘密は、その中心にある「心柱」にあります。心柱が地震の揺れを吸収することで、塔全体が安定する仕組みが詳細に解説されています。

  4. 日本古来の木材加工技術:適「材」適「所」、適「具」 日本の木材加工技術の卓越性は、建築材料の選定から加工技術に至るまで多岐にわたります。適材適所の思想が、いかに建築物の耐久性を高めたかが描かれています。

  5. 呼吸する古代瓦:瓦博士との共同研究 古代の瓦が「呼吸する」とはどういうことか。その秘密は、瓦の製造方法と素材にあります。瓦博士との共同研究により、古代瓦の優れた性能が明らかになります。

  6. 法隆寺の和釘と日本刀の秘密:古代鉄はなぜサビないのか 法隆寺の釘や名刀「正宗」に使われた技術は、現代の半導体技術に匹敵する多層複合構造にあります。古代鉄が錆びない理由もここに解明されます。

  7. 奈良の大仏建立の謎:天平時代の工匠が選んだ「長登の銅」 天平時代に奈良の大仏を建立する際に選ばれた「長登の銅」の優れた性質と、それを選んだ工匠たちの知恵が解き明かされます。

著者について

本書の著者、志村史夫氏は名古屋大学で工学博士を取得し、ノースカロライナ州立大学で終身教授を務めた実験物理学者です。半導体結晶の研究に従事してきた彼は、古代文明や自然哲学、基礎物理学にも幅広く関心を寄せており、数多くの専門書や一般向け著書を執筆しています。

『古代日本の超技術』は、歴史と科学が交錯する驚異の世界を探る絶好の一冊です。日本の古代技術に対する新たな視点を提供し、その高度な技術力に感嘆すること間違いありません。歴史好き、科学好きの方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

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