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PMFにつながる問題空間の習得 by Dan Olsen

BY MARTIN ERIKSSON ON AUGUST 24, 2018

以下は、Martin Erikssonによる「Mastering the Problem Space for Product/Market Fit by Dan Olsen」の翻訳です。本人の許可を得て掲載します。

Product/Market Fit(PMF:製品/市場フィット)という言葉は、2007年にMarc Andreesenが作り出した。それ以来、新製品やスタートアップにとって非常に重要な目標となっている。だが、バズワードというものは、過度に単純化され、誤解されてしまうものだ。『The Lean Product Playbook』の著者であるDan Olsenが「Mind the Product San Francisco」の講演において、PMFの主要部分とその達成方法について語ってくれた。

PMFのピラミッド

プロダクトや企業によって明らかに違いはあるものの、このフレームワークはPMFの達成に必要な普遍的な条件やパターンを網羅している。ピラミッドの各階層は、次の階層を構築するために検証すべき重要な仮説となっている。それが最終的には、PMFを達成することにつながる。

  1. ターゲット顧客 — 誰のために価値を提供しようとしているか?

  2. 満たされていないニーズ — ターゲット顧客のニーズは何か?

  3. 価値提案 — 「あなたのプロダクトがどの顧客ニーズを解決しようとしているか」「顧客があなたのプロダクトから受け取るベネフィット」「あなたのプロダクトが他のプロダクトよりもうまくニーズを解決できること」などに関する仮説。

  4. 機能セット — 上記のベネフィットを顧客に提供する機能。

  5. ユーザーエクスペリエンス — 顧客がベネフィットを得るためのインタラクション。

最初の2つの階層(「ターゲット顧客」と「満たされていないニーズ」)が「市場」である。ただし、市場をコントロールするわけではない。ターゲットにする顧客やニーズについては、自分で選択することができるが、これらのニーズを自分で変更することはできない。あなたがコントロールできるのは、ピラミッドの次の3つの階層である。つまり「プロダクト」だ。

問題空間と解決空間

言うまでもなく、多くの新製品や企業が失敗するのは、PMFを達成できないからだ。そしてそれは、多くのチームがピラミットの上部の2つの部分(解決空間における「機能」と「UX」)に集中しすぎており、問題空間の土台部分を無視しているからだとDanは主張する。解決空間は夢中になりやすい。プロダクトの設計を愛し、すぐに構築しようとしてしまう。だが、我々プロダクトマネージャーの仕事は、問題領域に集中し、できるだけ広く探索し、顧客の課題を解決できるものを構築できるように手配することである。

問題空間を明確に把握することで、本当の競合が何なのかがわかる。つまり、あなたが解決しようとしている問題を解決する「別の方法」が判明するのだ。それは、同じ分野の競合のスタートアップであるとは限らない。「ペンと紙」や「Excel」といった平凡なものであることも多い。

問題空間の探索

我々の目標は、問題空間を可能な限り探求することである。したがって、発散思考を取り入れ、新しいアイデアを受け入れることが非常に重要となる。顧客と顧客のニーズにもとづいて考えたときに、顧客がプロダクトから受けるベネフィットは何だろうか?このように考えると、ベネフィットが「権限の付与」「時間の節約」「お金の節約」など、高次のものになっていくことに気づくだろう。PMFの残りのプロセスでは、こうした高次のものを念頭に置くことで、価値提案と製品ソリューションが常に顧客の問題と結びつくようになる。

価値提案の定義

価値提案は以下の2つの質問に答える必要がある。

  • あなたのプロダクトが解決しようとしている顧客ニーズは何か?

  • あなたのプロダクトはどのあたりが競合よりも優れているのか?

価値提案を定義するときは、最初に狩野モデルを使うとよいだろう。狩野モデルを使用することで、顧客の問題を解決する可能性のあるソリューションを3つの軸(「当たり前」「性能的」「魅力的」)に示すことができる。狩野モデルに組み込まれた教訓のひとつは、時間とともに変化するということだ(たとえば「魅力的」から始まったものがすぐに「当たり前」になることもよくある)。したがって、この作業に終わりはない。

PMFを発見するために「当たり前」の機能で競争すべきではない。それは持っていて当たり前であり、十分に動けばそれでいいのである。時間や労力をかけるべきはプロダクト独自の差別化要因である。また、競合よりも性能が勝っており、独自の魅力を持っていれば、非常に強力になるだろう。

問題空間を習得する

プロダクトマネージャーの仕事は「どうすればプロダクトが最高になるか?」の質問に答えることである。そのためには、問題にフォーカスし、常に仕事を問題空間と顧客ニーズ結びつけ、ソリューションの汚染を回避する必要がある。そのための事例や具体的なヒントについては、講演の動画を参照してほしい!

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