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2020/05/31 今日の積み上げ

本:『よくわかる 最新SAPの導入と運用』

◇ERPとは:
ERPはEnterprise Resource Planningの略で「企業資源計画」のこと。
会社の基幹業務を一つのシステムで一元管理しようとする考え方である。
(一元管理できるシステムのパッケージと考えれば良し)

メリット:一元管理によりシステム全体の効率が良くなり、リアルタイムで会社の状態を把握できるようになる。

デメリット:導入する際や変更対応の際に時間がかかる。

◇SAP社のERPパッケージを使用するまでの流れ:
1.クライアントの要件に合わせて利用できるようにするためにTo-Be(改善目標)として描き、それを実現するための業務フローを作成する。

2.IT基盤はオンプレミスでクライアントが用意するか、クラウドサービスを使ってクラウド上に用意し、その基盤上に開発環境を構築する。

3.用意されているモジュールの中からクライアントが必要な標準プログラムを洗い出す。組織構造の定義、必要なパラメータの設定(カスタマイズ)、テスト用マスター登録などを行い、プロトタイプを使って実現機能がフィットしているかどうか確認する。

4.ギャップ機能(標準機能でクライアントにフィットしなかった機能)について検討し、業務のやり方を変えるか、必要に応じてAdd-on(標準機能にない機能を追加すること)またはモディファイ(標準機能の一部を変更すること)する。

5.これを何回か繰り返し、最後にユーザーグループごとのメニュー作成、および権限設定を行い、パラメータの移送、マスターや残高の移行、本番運用開始へと進んでいきます。

◇モジュールの構成:
モジュールは特定の業務に関連する複数の機能をまとめたプログラムの集まりで、ロジ系会計系人事系分析系に分けて用意される。
※ロジ:ロジスティクスの略で、調達、生産、保管、輸送、販売までを一貫して管理する業務のこと。

ロジ系のモジュール:
MM(在庫/購買管理)=商品や原材料などの発注、入庫、請求書照合に関わるプロセス用
PP(生産管理)=製品の生産管理及び製造に関わるプロセス用
PS(プロジェクト管理)=工事やITのPGの収支・スケジュール管理プロセス用
QM(品質管理)=出来上がった製品の品質管理に関わるプロセス用
PM(プラント保全)=プラントなどの設備の保守管理プロセス用
SD(販売管理)=見積、受注、出荷、請求に関わるプロセス用
CS(得意先サービス)=保守サービスなどの点検、修理、請求に関わるプロセス用
LE(物流管理)=モノの移動(運搬)に関わるプロセス用
WM(倉庫管理)=倉庫管理プロセス用

会計系のモジュール:
FI(財務管理){
 GL(総勘定元帳)=会計伝票入力及び財務諸表に関わるプロセス用
 AP(債務管理)=仕入先別の債務管理(支払含)に関わるプロセス用
 AR(債権管理)=得意先別の債権管理(入金消込含)に関わるプロセス用
 AA(固定資産管理)=固定資産の取得、減価償却計算、処分に関するプロセス用
 SL(特別目的元帳)=総勘定元帳と別な切り口で元帳を使いたい場合用
}
TR(財務/資金管理)=資金管理ポジション・流動性予測用
CO(管理会計)=原価管理プロセス用
IM(設備予算管理)=新たに設備を作る場合の予実績管理プロセス用
EC(経営管理)=利益管理プロセス用

人事系のモジュール:
人事管理
人材管理
勤怠・給与計算

この他、
顧客管理(CRM)=Customer Relationship Managementの略
経営分析(BI)=Business Intelligenceの略
開発系(
 ABAP =SAPプログラミング言語
 クエリ =ユーザー向け簡易レポーティングツール
 LSMW =SAPの移行用ツール
 CATT =SAPテストデータ生成ツール

クロスアプリケーション =文書管理機能などのモジュール共通のアプリケーションのこと。
最近追加された「顧客体験」や「サプライヤーとの連携」「従業員」「モノ」へのデジタル化を実現する周辺のアプリなどがある。

以上。

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