「きちんと叱ってしっかり褒める」
前回のブログでは、褒めることの大切さについて書きましたがー、
褒めてばかりもでもダメなんですよね〜。
褒めてばかりも、叱ってばかりも単調になって効果が薄れます。
「きちんと叱って、しっかり褒める」
その匙加減が肝心なのです。
野球の配球で例えるとー、
150kmを超える速球が持ち味の投手でも、速球ばかり続けていると打たれてしまいます。
打者を惑わすために変化球を混ぜるからこそ、速球が生きてくるのと同じです。
とは言えー、
叱るって、エネルギーが必要ですし、何より嫌われる勇気が入りますよね。
だからこそ、こちらの“覚悟”が問われるんです!
叱ったその時は、嫌な顔されたり、嫌われるかもしれない。
でも、その子の将来を冷静に見据えて、社会に出た時に恥をかいたり損をしないように、、、
「やっていい事と悪い事」をきちんと伝えることが、
本当の愛情だと、ボクは思うんです。
昔、いなか塾にやってきたとある通信制高校の生徒の中にいた一人の男子生徒(Tくん)のお話をしたいと思います。
Tくんはいなか塾初参加でした。
先生からの前情報によると、Tくんはゲーム依存気味で昼夜逆転生活を送り、食事を摂る時間も不規則で、ゲームに夢中になるとお風呂にすら入らないこともしばしばで、保護者さんも困り果てているとのことでした。
確かめるために本人に聞いてみるとー、
「夜通しゲームをするから、ベッドに入るのは朝5:00ごろで、起きるのはお昼の12:00ごろかな?」とあっけらかんと答える姿を見て唖然としましたよ。
(自分の息子なら、絶対に許しませんけどね。【笑】)
あれは確か、いなか塾初日の夜、夕食の後片付けが終わってお布団を敷いていつでも寝れる準備をする時間でした。
他の生徒たちは、掛け布団、敷布団、シーツに枕をバケツリレーし、協力し合っていたのですが、
Tくんの姿が見えないので、トイレにでも行ったのかな?と確認しに行くとトイレの横の洗面台で一人抜け出して歯を磨いていたのです。
「初参加なんだから、まだ要領も分からないし大目に見てやろうかな?」と一瞬頭をよぎったのですが、、、
でも、このタイミングを逃してしまったらダメだ!と心を鬼にしてー、
「みんなが協力し合っている時に、お前だけ何してるんだ!」と一喝。
ドカン!と大きな雷を落とされたその時からTくんの行動が変わり始めました。
最終日の前夜、Tくんがボクのところへ恐る恐るやって来て、
なんと!
「明日が最後だから、朝5:00から薪割りやっていいですか?」と聞いてきたんですよね〜〜。
ボクは驚きを隠せませんでした。
だって、日頃は朝5:00に寝てお昼ごろに起きてくるんでしょう??(笑)
その変貌ぶりは返信半疑でしたけど、
当日の朝ボクも表へ出てみると、約束通りにTくんは仲良しのJくんを連れて姿を現したんです。
夜が明けて間もない静まり返った森に、「パカーん」と薪が割れる乾いた音がリズミカルに響き渡ります。
一通り作業を終えようとした頃、他の仲間が「朝ごはんの準備ができました!」と声をかけにきてくれました。
「よく頑張ったね、助かったよ!」とボクが言うと、
深々と一礼しながら「ありがとうございました!」と清々しい顔したTくんが応えてのです。
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