30代後半女性起業家、妊娠出産

最近たまたまこちらのnoteを読んだり、ママ起業家対象のコーチングセッションを受けたり、ママ経営者と知り合ったりして「私と全く同じ境遇の人がいる」ということに励まされたので、私のケースももしかしたら似たような境遇の人の役に立つかもしれないので書いておくことにした。

私は2018年2月(当時36歳)から不妊治療をはじめ、その年の秋にずっと準備していた起業をし、同じ年の年末に妊娠した。(2018年、怒涛やな。)

不妊治療しつつ起業したときは「できれば事業が少し立ち上がってから妊娠したい」という後ろ向きな気持ちと、「とはいえ、30代後半にさいしかかったし、いつまでも先延ばしにはできない」という気持ちが常にせめぎ合っていた。

特に、もし先延ばしにしたせいで子供が持てなかったとき、子供を切望している夫(と両家の家族)に申し開きができない、というのが不妊治療をしていた一番強い動機だった。

ありがたいことに1年以内に妊娠でき、「妊娠できたかも」と思った瞬間は純粋に嬉しかった。

が、その次の瞬間から実際産むまでは常に「妊娠出産と起業をどう両立するか」という不安に苛まれていた。

周りのワーママたち(起業家や経営者含む)にアドバイスを求めたが、返ってくる返事は「子供の性格によるから準備しようがない」という身も蓋もないものばかりで、余計不安になっていた。

あまりに「仕事と子育ての両立」に関する不安ばかり私が口にするので、夫には「夫婦にとってお腹の中の子供の成長をともに見守るとても幸せな時期なのだから、あまり心配ばかりせずにポジティブに考えなよ」と言われ、「夫にも私の不安がわからないのか」と絶望的になったり、「妊娠したくてもできない人もいるのに、こんなに不安ばかりで子供にも申し訳ない」と自己嫌悪に陥ったりばかりしていた。

幸いなことに、妊娠中の経過はとてもよく、つわりも(異様にお腹がすく以外)とくに悩まされることもなかったので、仕事大好きな私は自宅勤務なのをいいことに、産む前の日まで仕事をすることができた。

産んでからも、無痛分娩のおかげか体力もあまり落ちなかったので、出産2日目くらいから仕事を開始できた(とはいえ、1日1時間くらいだけど)。

そして、赤ちゃんが生後3か月になった今は、ようやく生活のペースが掴めて、仕事のほかに、ヨガをしたり、本を読んだり、ポッドキャストを聞いたりと、自己研鑽の時間も持てるようになった。日帰りで出張に行ったりもできるようになった。

そのおかげで、「一日中、子供のおむつ替えと授乳しかできていない」という、仕事&自己研鑽大好き人間にとっては非常に辛い時期は脱することができた。自分の時間が持てることで、赤ちゃんにも心から向き合えるようになった。

ここまで来るまでに3か月。役に立ったことを書き出してみる。

・まずは、こちらの方のnoteにも書かれているけど、夫が家事育児に協力的&なんでも自分でこなせる人なのが一番大きい。仕事したい女性が結婚するなら、こういう男性を選ぶことが第一条件だろうと思う。

・(夫ネタが続くけど)夫が、私にとっての仕事がいかに大事かを理解し、協力的であること。この辺も、すでにパートナー選びの段階から重視していたことだけど、自分に余裕がなくなったときに特に重要になってくるポイント。

・できることは外注しまくる(プライベート編)。うちは掃除はもともと外注してたけど、洗濯も外注することに(このへんも、夫が外注への積極度が低いともめるので、この点でも夫選びはやはり重要…)。料理は私の趣味と息抜きを兼ねているので、時短料理法を駆使しつつ自分が担当。ちなみに時短調理器のホットクックも出産前に購入し、大活躍中。

・できることは外注しまくる(仕事編)。それまで自分でやっていたことも、思い切ってどんどん外注。クラウドワークスやランサーズなど、多彩なフリーランスの方がたくさん登録している媒体があるので、多少複雑なタスクでも外注できる人材は意外と見つかる!最初だけ、何をどのようにしてほしいかをすり合わせる必要はあるけど、その後は自分が子供に手が離せなくても仕事がすすんでいるというありがたい状況に!

・(頼れる場合)家族には頼りまくる。うちは子供をつくることを想定して義実家の近くに引っ越し、産まれたら義母にはいつでもうちにきてOKのサインを送りまくり、来てもらったら基本的に手を出さずに彼女にまかせる(もちろん基本的なことはすり合わせるけど)。

・タスクの優先順位をつける。今日どうしてもやらないといけないことに絞って、朝から隙間時間をみつけて取り組む。

・完璧を目指さない。メールとかも以前は携帯で返信するのは失礼にあたるかもと思ってわざわざPCから署名付きとかで送ってたけど、諦めた。

・罪悪感や焦燥感を捨てる。そんなものを感じてる間があったら、手を動かす。

・赤ん坊の授乳&寝るタイミングをなるべくリーティン化する。(赤ちゃんの性格により向き不向きはあるだろうけど、うちは「ジーナ式」という方法論がかなり役に立った。日本語読めない夫ともシェアするため私は原著の英語版を買ったけど、日本語でも本多数あり。)

・赤ちゃんの発するサインが分かるようになってくると、お世話にかかる手間と時間がぐっと削減される。「ミルクやっておむつも変えてお昼寝の時間なのに寝ずにうーうー言ってるってことはまだ飲みたりないんだな」とか、「こういう声出してるときは機嫌よく一人で遊んでるとき」とか。これも赤ちゃんの個性によるんだろうけど、うちの子は、特に分かりやすい子だったみたいで助かった。

・いざという時のために、ベビーシッターも使える体制にしておく。私は近所に住んでる個人のベビーシッターさんに、専用の掲示板経由で産前に何人かコンタクトして、面談までしておいたので、産後は何度か来てもらって相性をみるだけでよく、今も時々きてもらっている。

まだまだ試行錯誤だけど、産む前に懸念していたような「赤ちゃんの世話以外、何にもできない」という状況は思ったよりもすぐ脱することができた。

最後に、子供を産んでからの心境変化について。子供を産む前は、妊娠中も、正直頭の中は「仕事>>>>>>子供」だった。仕事が大好きで、寝ても覚めても仕事のことを考えていて、だからこそ仕事が制限される環境になるのが怖かった。

けど産んでみて、正直、子供といる時間がこんなに幸せだとは思わなかった。本当に可愛くて、一秒たりとも成長を見逃したくない。お世話も全然苦にならない。これは自分的には意外な心境変化だった。

でも、だからといって仕事や自己研鑽も諦めたくない。泳いでないと死ぬマグロみたいな人間なんで。

子供といるのは幸せだからこそ、その時間に「ああ、仕事できてない…」と思うのが辛かった。仕事が好きだからこそ、仕事中に子供と過ごせてない罪悪感を持ちたくなかった。

状況は人によって違うから、私のしたことがそのまま参考になる人はいないだろうけど、「なんとかなるんだな」という一例と思ってみて貰えると嬉しい。

私なんぞの体験でも何かのお役に立てればと思って書いていますが、サポート頂くと続きを書く励みになります。