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【シーズン4-7:エグゼクティブの成功マインドを磨くCEOコーチング】「周囲」とうまくつきあう③~パートナーへの期待値

(1)「パートナー」と「上司・部下」との違い

こんにちは。
エグゼクティブ専門コーチの久野和禎です。
 
シーズン4のテーマは、「つきあい上手になる考え方」。
今回の対象は、配偶者や恋人といった「パートナー」です。
 
CEOコーチングをしている際にも、経営の話だけでなく、パートナーとの間のトラブルについてお話を伺う機会があります。
ところで、「パートナーとのつきあい方」と「上司や部下とのつきあい方」との違いは何でしょうか。
 
私は、「一緒にいよう」という意思があるか否かだと考えています。
上司や部下は「一緒にいよう」と思って一緒にいるわけではなく、たまたまの縁で、上司と部下の関係になっているケースが多く、異動したり、転職してしまえば関係もなくなってしまうことが少なくありません。誰かと一緒に会社を立ち上げるのであれば話は変わってくるかもしれませんが、基本的には「一緒にいよう」と思っているわけではない場面が多いのが「仕事の関係」といえそうです。
 
一方、パートナーの場合、出会いはたまたまだとしても、自分で選んで、好き好んで一緒にいて、できるだけ上手につきあおうとしているわけですから、スタート地点において根本的な違いがあります。そのため、「『一緒にいよう』という意思さえあれば、勝手にうまくいくのではないか」と私は思っています。
 
また、「ゴールドビジョン」的にいえば、「want to」、すなわち、望んで一緒にいるのだから、自分たちでなんとかするしかない問題ともいえます。昔から「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」と言われているように、他人がとやかく言うことではないのかもしれません。
 
とはいえ、好き好んで一緒にいるからこそ、「こういうふうになってほしい」と期待してしまって、そうならないことに対して腹が立ったり、傷ついてしまったりもします。
 
そうした際のポイントは、「期待とのギャップ」です。
期待しているから、期待通りにならないことに腹を立てるわけであって、逆に、そこまで多くを求めないのなら、いろいろな振る舞いや発言に対しても、「まあ、そういう人だから」という受け止め方で済んでしまうでしょう。

(2)ドイツ、アルゼンチンサポーターの憔悴


突然ですが、カタールで開催された「2022サッカーワールドカップ」の日本代表の試合を、ドーハのスタジアムで観戦しました。

私を含めた日本のサポーターが日本の逆転勝利に歓喜するなか、ドイツのサポーターたちは、まさかの逆転負けに茫然自失。ドイツは過去4回もワールドカップで優勝したことがある強豪国です。私も昔サッカーをしていましたので、ドイツの強さをよく知っています。そんなドイツのファン、サポーターは、当然日本に勝つと思って観戦しています。つまり、期待とのギャップがあまりにも大きかったのです。
 
同じようなことは、前日のサウジアラビアとアルゼンチンの試合でも起きていました。サウジアラビアが強豪のアルゼンチンに逆転勝利したあと、ドーハの地下鉄には、がっかりして憔悴しているアルゼンチンのサポーターがたくさんいました。

(3)相手を思い通りに動かそうとしてはいけない


ここではスポーツの例を挙げましたが、過度に期待するのは、自分でコントロールできないことに対する勝手な押し付けだったりします。また、「期待」は相手への影響力の行使という側面があり、相手を思い通りに動かそうとするのはよくないでしょう。パートナーに対して、そうした対応をしてはいないでしょうか。
 
これはスポーツも同じで、選手たちも監督も、一生懸命やった結果、勝ったり負けたりするわけですから、結果が出なかったからといって、「期待通りではない!」とファンが怒って、罵るのはよくありません (ちなみに、スポーツは楽しむものですから、最初から「負けるかもしれない」と期待しないのではなく、思いっきり期待して、盛り上がって、ダメだったらがっかりすればいいのかもしれません)。
 
大きな意味での解決策は、期待の水準をしっかりと適切にマネージすることです。「相手の人にこうあってほしい」と期待するのは構いませんが、相手は相手の目線、立ち位置で努力をしているに決まっています。「言うは易し、行なうは難し」ですが、独りよがりにならずに、相手を尊重すれば、揉めることもないと思うのです。
 
あるいは、こちらが相手を尊重しても、相手がこちらを尊重してくれないといったケースもあるでしょう。ただ、変えられるのは自分だけですから、自分の関わり方を変えていくことによって、いくばくかでも進展するほうがいいのではないでしょうか。

(4)コンフォートゾーンが完全に一致することはない


最後にもう1つ。
「期待」と密接に関係しているのが、この連載で何度も取り上げている「コンフォートゾーン」です。「自分の当たり前」と「相手の当たり前」の間にギャップがなくなり、一体化すればするほど揉め事は少なくなります。でも、完全に一体化することはありませんし、自分がいまと違うことをすると、コンフォートゾーンも崩れていきます。コンフォートゾーンを崩してはいけないわけではなく、崩れると元に戻そうとする力が働き、パートナーが自分の足を引っ張っているように感じることはよくあります。
 
「コンフォートゾーン」については、次回も解説する予定です。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
次回またお会いできるのを楽しみにしています。

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