友だちの話『H君編』

先日、誕生日を迎えて26歳になった山口和也です。
えぇ、note書くのは久しぶりです。お待たせしました。


その誕生日になんですけど、妻に花束を貰いました。
こんな言葉と共に。

「祝ってくれる友達いないだろうから💐」

えーえー、照れ隠しでしょうね。
祝ってくれる友達いなくても祝ってくれる妻いますし。

「祝ってくれる友達いないだろうから💐」
ん、待て待て?友達もおるわ!

と言うことで友だちについて今日は書きます。

大学時代の話なんですけど…



いや、これでこの文章読んで
「おれのことか?」って思った友だちが
心の中で

「おれは友だちと思ってなかったな…ww」

とか思ったり、

「おれらそういう契約結んだっけ?」

とかLINEしてきたら僕はもう、二度と立ち直れない気がするので、『何の仕事をしてるのか』『どこに住んでいるのか』『連絡先』全て知らない保育園時代の友だちの話をします。

異論は認めます。


彼はH君、僕より身長が低くて(保育園時代)走る時の足の回転がめちゃ速くて(保育園時代)髪はかなり短いのに絶対坊主にはしない(保育園時代)そんな友だち。


元々、僕とH君はコミュニティが違い、一緒に遊んだりする事は多くありませんでした。

僕は外で駆け回るタイプ、H君はお部屋でのんびりタイプ。そんな感じで。


ある時期、僕たち外で駆け回るメンバーで戦いごっこが流行しました。

新聞紙や広告紙をクルクルして細い棒状にして、それを剣として戦う。もちろん痛いので身体を切るのではなく、その剣同士をぶつけて折れ曲がってしまった方が負け、というルールで勝敗が決まりました。

基本的に2チームに分かれて行われるその戦いは1回1回、誰が勝つか分からない楽しさがありました。


ある日、僕は体調を崩してお部屋の中で遊ばないといけない日がありました。そう、この日こそ運命の日です。

お部屋でいつも遊んでいるH君がとても器用な手捌きで折り紙をしていました。

お部屋で遊んでいる男の子は割と少なかったので、自然と僕はH君のもとに行き、折り紙をしていました。

そこでふと、思ったのです。
H君は手先が器用だから、強い剣を作れるのでは…?


※紙をクルクルして剣を作った事のある人には分かると思いますが、初手のクルっをどれだけ細く正確に巻けるかが剣の強度に直結します。まじで。


試しに1回作り方を説明して作ってもらいました。


レイピアができました。


今まで自分たちが使ってた物は、剣などではなく棍棒。
H君の作ったそれは殺傷能力を確実に兼ね備え、確実に友だちの剣を真っ二つにへし折る強度を誇っていました。

圧倒的な格差に畏怖の念と謎のプライドを抱いた僕は

「お、まあまあじゃん。」

などと、ほざいた末にその剣を貰いました。


次の日からは山口和也無双の毎日。
友だちのナマクラを次々とへし折り、無傷のまま大将戦を迎え、一振りで相手の剣ごと心もへし折る。

当たり前のように【その剣禁止令】が発令されました。


しかし、そのレイピアですらH君の第一作。
試作品。初号機。お遊びにすぎなかったのです。

H君は、日頃お部屋で遊ぶことにより、僕たちは知らない独自のルートを先生と築くことで、質の良い厚みのある広告紙を入手していたのです。

素材の時点でその格差はハッキリとしているのに、そこに最高の技術が加わった時…もう分かりますよね。

H君は僕に魂の1本をくれました。






妖刀ムラサメでした。



手で曲げようとしても園児の力では不可能な強度!!
保健室行き出るわこれ╮(´・ᴗ・` )╭

次の日からは山口和也無双の毎日。



とはなりませんでした。
僕専属の刀鍛冶、H君の存在が他の友達にバレたのです。
そうして『武器は自分で作る』ことが義務化され、いつもの棍棒で戦う日々に戻りました。


短い間でしたが最高の相棒になったH君と遊ぶため、僕は週1くらいで少し体調不良のフリしてお部屋で折り紙とかお絵描きをして遊ぶようになりました。

いい話でしょ?


ただ、あの妖刀ムラサメ…捨てるのがもったいなくて、保育園のロッカーの裏の方に封印して隠したままなんですよね…。
今もそこで封印を解いてくれる園児を待ってるんですよ…。
これ、ここだけの秘密ですよ。



チョコしか買わん。