見出し画像

【数値目標のリスクと覚悟】

現在、青森の話題は一つ、それは知事選。なんと20年ぶりに新しい顔が登場する確定的な瞬間ですから、その盛り上がりは想像以上です。

SNSでも「草の根」対「組織」が選挙のキーポイントとして浮上しています。
しかし、その影にはもう一つ、"数値目標"という視点も隠れています。

数値目標を設定することに対しては、私自身批判するつもりはありません。それはゴールへの明確な指針となりますから、重要な要素であると考えています。

問題は、その数値目標を達成しようとする過程で、どのような行動がとられるか、です。

なぜなら、その行動を起こすのは現場の人々です。そして、彼らが上層部から示された数字をどのように受け止めているかが大切なのです。

残念ながら、数値目標は現場では「ノルマ」として捉えられることが多い。目標達成に失敗すれば、自分自身の待遇や生活に影響が出る、という恐怖感から、ノルマ達成こそが真の目標だと思い込んでしまいます。

その結果、数字を達成するために手段を選ばなくなり、時には人々を不幸にする事態が生じます。かつて金融業界で問題になった「かぼちゃの馬車事件」や「危機対応融資における不正融資」などは、まさにノルマに起因する事例でした。

「捨てられる銀行」シリーズの著者橋本卓典氏は次のように話してます。

“商工中金、スルガ銀行、東日本銀行も、その後に明らかになった西武信用金庫、直近の話では、かんぽ生命などはすべて共通した一つの問題から発している。
経営や本部が苛烈なノルマで営業店、現場を追い詰め、結果、現場が暴走したために起きた事案だ。心理的安全が欠落しているのである。
いずれも目先の短期利益を追求し、営業を推進させた結果、計り知れない企業価値を崩壊させた「愚かな経営」の代表例である。”
(「金融機関は脱ノルマへ!? 遠藤金融庁2期目の「新方針」を明かそう「心理的安全」なき職場の末路 前編」より引用)

このように、数値目標を設定することには「リスク」が伴うことを理解しなければなりません。

数値目標は「具体性があり客観的に分かりやすい」と話す方もおります。

しかし、その一方で、数値目標がノルマとなり、その達成のために手段を選ばなくなることで人々を不幸にする可能性もあることを忘れてはいけません。

リーダーとなる方は、この「リスク」と「覚悟」を理解し、その上で数値目標を設定するべきではないでしょうか。

更に、目の前の数字ばかりに焦点を当てた目標設定は、未来が不確定で変動が激しい今の「VUCA(ブーカ)の時代」には適していないのかもしれません。

変わりゆく状況に合わせて、過去の経験(束縛)に縛られずに行動するためには、数字を先に立てるのではなく、「OODA(ウーダ)」の考え方、つまり観察し、方向付けをし、意思決定を行い、行動を起こすというプロセスが今の時代にはより適していると私は考えます。

今回の青森県知事選挙では、ほぼ全ての公約に数値目標を組み入れた小野寺氏と、そうでなかった宮下氏の二者を中心に選挙戦が展開しています。

青森県の皆さん、新しい青森の時代が幕を開けます。
どちらのリーダーが青森県にとって相応しい知事になると思いますか?
数値目標という視点からも一考してみてはいかがでしょうか。

#青森新時代
#宮下宗一郎
#宮下宗一郎氏を青森県知事に
#青森県知事選挙

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?