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holoGTAのルイ姉の交渉場面を小説風にアレンジしてみた

「100万で!お願い!」
別室で何やら密談したギャングの結論はこうだった。

「−ではこの話はなかったことに」
伝えて席を立つ。
100万円で買い叩かれては来た意味がない。
「はあ?」
驚きを隠せないトワを見て、彼の立場も難しいのだろう、と思う。
一度は150で合意しかけたはずなのだが。

不安そうな顔でこちらを伺うミオの方を見ないようにして出口へ向かう。
直前に打ち合わせていたとはいえ、言葉を発することなくついてきてくれるミオを見て安堵する。
ここでこちらの足並みがブレては致命的。
同行してくれたのが聡明な彼女で良かった。
なぜあんな浮気症の甲斐性なしに縛られるのだろう。
まあ、それが彼女のハッピーなら…などと詮のないことを頭に浮かべていたせいか、目の前で銃を構える水色髪に気付くのが遅れた。
犬のことを考えていたら兎か…

「いやいや君、ギャングの家にきてそれはないよ」
確かぺこらといったか。
一貫してこちらへの疑いを崩さない兎。
相場を知らない浅慮な行動の自覚はないだろう。
その銃に弾が入っていようがいまいがこちらの足は止まらない。

胡散臭い売人にチームの大切なお金を騙し取られたくない一心での行動。
トワが慕われていることが伝わってくる。
言葉を飲み込んで苦笑いする彼を見る限り、子兎の駄々は飼い主も困らせているようだが。

「いやいや。150万円で。」
意に介さず歩みを進める。
脅しに屈するならギャングの本拠地に乗り込んで交渉などしない。
最低でも120が引き出せなければ一緒に薬を練ってくれた仲間に申し訳が立たない。
仲間をハッピーにできない者が世界をハッピーにできるはずがない。
しかし、もう一声がトワから出てくるかは五分五分といったところか。
彼との友好関係は築いたつもりだが、想定外だったのはこのチームの結束の固さ。
子供達が納得しない契約をボスは結ばないだろう。
ファミリーの前で交渉したのは悪手だったか…?

「あらあらあら、いらっしゃい」
落ち着き払った上品な声の発信源は向かう先。
誰かが帰宅したらしい。
「…!」
トワの驚きは図ったかのようなタイミングにだろうか。
一瞬の驚きの後に見せた彼の安堵の表情に勝機を察する。
「あなた達ね。怪しいマスクして。」
声の主が発した面白がるような台詞は、穏やかでありながら周囲を静まらせる迫力を湛えていた。
顔を隠した訪問の非礼を一笑に付す度量。
軽薄に見えるあの狐が時折見せた、隠しきれない不気味さに通じる圧力。
組織を束ねる者の器。
この悪行蔓延るホロスサントスで命の危機を回避し続けた勘が囁く。
ここが山場だ。

解説

一番気になるところでヒキ。
交渉の行方は…!?

これ、モノローグを補っただけで台詞と行動に一切の誇張はありません。
一部省略しただけ。
台本なしでこの展開作ったホロメン全員すごすぎる。

ここのシーンが好きすぎて何度も擦ってしまう。
解説と元動画はこの記事からどうぞ。


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