忘れてはいけない記憶


今回の緊急ナントカに関して、わりと痛いダメージを食らったみたいで、未だに立ち直れずにいます。
お金だけの話じゃない。
本当に、心を、壊されます。
演る側の、です。

以下ただの自分記録なので、ていうかほとんど悲劇のヒロインごっこなので、じゃあ書くなって話なんですけど、どこかの誰かが「私も」って思ってくれたなら励みになるかなって。
それだけです。

何が起きたって、あんまりに突然だった「ビッグサイト利用禁止」をそのまんま食らいました。
お仕事で、あの場所の、一区画ウン百万を背負って、現場を束ねる統括担当でした。
この3日間のために、2ヶ月かけて準備をしてきて、最大限の成果をと、駆け抜けてきたのです。
社内でもたくさんの人にご協力いただいて。
会社の売り上げ直結の、大事な日でした。
もちろん、私の会社だけじゃなくて、同時に出展する全ての会社が、たぶんそう。

3日間、いや、厳密には搬入の休日出勤込みの4日間。
中止になって、特に日曜日、働かなくてよくなった。
よっしゃあ!って日曜日の公演のチケットを買い足した。
そのチケットも、今は手元にないのだけれど。

足を棒にして働かなくていい。
お休みが増えた。
でも、全然嬉しくなかった。
大変すぎて、イベント中止になればいいのにって、何度思ったかわからないのに、全然、全然、嬉しくなかった。
お友だちに、「良かったねぇ!舞台見られる回数増えたねぇ!」って言われても、コイツ何言ってんだろって内心キレた(ごめんね)。

そんな中、夕方、届いた通知。
大好きな、大好きな作品が、中止になった。
さっき見た公演が、最後になってしまった。
昨年は走り出せなかった。
今年は最後まで走れなかった。

こんなに悔しいことない。

今なら、何も悪くないのに「ごめんなさい」って言う気持ちがわかる気がする。
「ごめんなさい」って意味もなく口にするだけで、前を向けるような気がするの。
でも、気がするだけなの。
かえって自分で自分を傷つけた。
悲劇のヒロインを演じているだけ。
そんな自分カワイイって思いたかっただけ。
そんな自分が嫌になって、何かが壊れた。

きちんとやり遂げると意気込んでいた現場。
大好きで大好きで仕方ない公演。

本当に頑張りたかったこと。
心の底から楽しみにしていたこと。
両方同時に奪われた。

この準備にかけてきた時間と、努力を、グーで握り潰さないでほしい。
何が悔しいって、このお金にかえられないたくさんの人の思いを、踏み潰されたことが悔しい。

まだ未知のウイルスだった昨年の今頃。
きっと良くなる!大丈夫!今は我慢!って言えていた。
今、同じことは言えない。
頑張って、頑張って、希望を見出そうと踏ん張ってきた。
ポッキリと、折れてしまった。

大好きだったものに、しばらく向き合えなくなった。
前向いて頑張ろうね!っていう、大好きな声さえ、一時は受け取れなくなった。
何を考えても悲しくて涙が出る。
ふて寝しても、夢にはもっと見られるはずだった公演が出てくる。
寝起きにはもっと聞けるはずだった歌が聞こえる。

時が解決してくれるのもわかっている。
本当はあるはずだった千秋楽を配信で見て(制作さんありがとう)、ちょっと気持ちの整理ができた。
大好きな俳優さんの、次のグッズもしっかりゲットできた。
仲良しのお友だちが撮影に連れ出してくれて、好きなことをしている時間はやっぱり楽しかった。
近場でご飯行こうと誘ってくれて、やっぱりお話しながらのご飯は美味しかった。
この作品は面白かったからぜひ見てほしいなぁ!とか、あの俳優さんのこの役がすごいんだよ!って、楽しく話せる自分がいた。
元々あった予定に助けられて、そうだった、大事にしたい気持ちってこれだったって、ちょっとずつ取り戻しているところです。
大好きな俳優さんも、大好きな脚本家さんも、大好きな演出家さんも、みんなみんな頑張っているから、負けないぞ、私も頑張るぞって、思えるようになったから、きっと大丈夫。きっと。

もうこんな思い、二度としたくないです。
今は悲しい気持ちにフタをして、鍵をかけて、癒えるのを待つことしかできない。
DVDを見ては、冒頭で泣き始める。
「♪そんな〜時代も〜ああ〜ったねと〜」って、半分ジョークにしながら、泣いている。

こうやって書いておけば、また同じことがあったときに、そうだったって、思い出せるから、書いておく。
つらい記憶から消し去るから、いや、消えないけれど感覚は鈍感になっていくから、だってそうじゃないと生きられない生き物だから、そうなんだけど、これは覚えておかないと、また同じがあったときに、耐えられないから、思い出せるように書いておく。
こうやって、書き出すことで、整理できるし(これ本当)、日記じゃなくてココなのも、どこか気持ちにケリつけたいから、なんだと思う。
そういうことにしておきたい、今は。

私だけじゃなくて、みんなつらいもん。
誰が悪いとかじゃないもん。
しゃーないもん。そうだもん。
悲劇のヒロインごっこおしまい。
楽しいこといっぱいあるじゃん。
今日も推しさんみーんな楽しそうだもの。
うんうん、それだけで幸せだ。
嬉しいな、楽しませてくれるその気持ちが嬉しいな。
ありがとう。本当にありがとう。
元気の源なんだよな、それは変わらんかった。

「♪そんな〜時代も〜ああ〜ったねと〜」って、笑い飛ばせる日が、早くきてほしいです。
「時代」は名曲。また泣いちゃう。

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