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金ちゃんの紙芝居

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戦後、埼玉・朝霞の米軍基地周辺で、米兵相手に身を売っていたパンパンガールたち。 「みんな優しかった」と振り返るのは、当時、小学生だった田中利夫さん、愛称は金ちゃん。800枚を超え…
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“パンパンガール”を語る「金ちゃんの紙芝居」5~【ハニーさん 商店や民家に間借り】

金ちゃん) これは、ハニーさんに貸した物置の絵ですね。 ━━ 農家の物置ですかね? 金ちゃん)  これは農家の物置じゃございません。仕舞屋の…普通の家庭の物置です。農家の物置はもっと大きいし、こういう作りじゃない。 この物置は不用…使わないものをちょっと入れておくような、例えば自転車を入れてみたり、洗濯桶を置いてきたり、炭俵を置いてみたりしたような物置なんですよ。 サラリーマン家庭が、部屋を貸した理由━━ 仕舞屋というのは、今風に言えば、サラリーマン家庭だと思うんで

“パンパンガール”を語る「金ちゃんの紙芝居」4~【早朝から駅前に集うハニーさん】

駅前に行けば何とかなる━━ なんで朝早くから集まるんでしょうか? 金ちゃん) 結局は、行くところがないからですよ。 朝早く集まるのは、定まった住処(すみか)がないお姉さん方。 駅前に行けば何とかなる、と考える。 朝、駅前に行けば、夜勤の仕事が終わって、これから自由時間という米兵もいるから、そういう兵隊を待つ。で、お客に取るわけですね。 ハニーさん目当ての牛乳売り牛乳が朝ご飯代わり 金ちゃん) お姉さん方は、朝ご飯なんか自分で作んないし、また作る場所もないし、そうい