文章と情報伝播とつながりの暴力性。
Webメディア「OTONA SALONE」で週1ペースで記事を書きだしてちょうど1カ月になる。
記事を書きだして数人のFacebook友達を失った。全てリアルで会ったことのある方々だ。
こうなることは覚悟していたが、やはりダメージが残る。
それでも僕は、文章と情報伝播とつながりの暴力性を今まで以上に意識しながら生きていく。
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自分でホームページを持ったのが1997年。
当時はHTMLをSimple Textでちょこちょこ書き、コンテンツのひとつとしてくだらないテキストを書き散らしていた。当時はリンクだけがつながりの象徴だった。
以来何度もテキストを書き散らしてきたが、読み手不在で言いたいことだけを書く落書きレベル、または備忘録にすぎなかった。
一方、当時の仕事はディレクターで、常に顧客とその先の生活者を意識する内容だった。仕事でも取材や原稿執筆をする機会にいくつか恵まれた。タイトルと見出しで全体を読む気になるかどうかが決まるので、相当に時間をかけていた。
そして自社グループとはいえ、今回初めてWebメディアで原稿を書くことになった。
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テーマは編集長から与えられた。
「バツイチ40代男が、再婚できた理由」 について書いてほしい。
というお題だった。
バツイチ女性が参考になる、また独女も参考になる秘訣がそこにはあるはずだという編集長の仮説だ。
音楽ネタならいくらでも書けるが、まさか自分が恋愛ネタか・・・。
というのが正直な気持ちだった。
自分ゴトのエッセイを書くのは身を削ることだ。
いや削らずに書くこともできるだろうし、匿名やペンネームで書くこともできる。だがそれでは当たりさわりがなくなり、読み手にリアリティを感じさせることができない。面白くない。
その一方、身を削るということは傷つけなくてもいい人を傷つける可能性も十分にある。
そもそも自らを傷つけてしまうので耐性が必要だ。
それでも「メディアで記事を書く」という経験を一度でもしておくことで、なにか自分が成長することもあるはずだという漠然とした思いだけで引き受けることにした。
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ざっと5回分くらいのシノプシスを起こし、編集部に送ったところ「ここまで構成ができているなら、あまり結末を考えずに始めましょう」ということだった。
本当に毎回つたない記事だが、週の前半の1-2日・計3時間ほどをかけてまず第1稿を書く。その後何度か出力して推敲し、木曜日にWPに上げ、写真を選び、金曜日に編集長のチェックを経て日曜日にアップされている。
だいたい1記事をおこすのに5-6時間くらいかけている計算だ。
エッセイというもので、2,000字レベルのもので、この拘束時間が多いのか少ないのかはよく判らない。もっと効率化できるような気もするし、もっと時間をかけるべきという気もする。たぶんもっと時間をかけて考えるべきだと思っている。
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なぜ時間をかけるべきなのか。
・対象となる読者はどこか。狭すぎないか広すぎないか。ずれていないか。
・伝えたい人にちゃんと伝わりそうか。
・読者はどんな気持ちでこの記事をクリック(タップ)するのか。
・読後にどんな気持ちになってほしいのか。
こういったことを限られた時間で認識しながら文章をおこすには、まだ僕は未熟すぎる。
なにより僕には「神は細部に宿る」ということを実践できていなかったし、全公開である本メディアとつながりの象徴であるソーシャルメディアを活用する以上、伝わらなくて良い人にまで伝わるという怖さも実感できていなかった。
そして、文章と情報伝播とつながりの暴力性を知ることになった。
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これもひとつの成長だ。
数人に縁を切られる、デリカシーのない男と評価されることと引き換えに、僕はテキストと情報伝播とつながりのパワーを学んだのだと信じている。
これからも、いろんなものを犠牲にしながら前進しつづけるしかない。
20160105 備忘録として タカハラカズミ
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