作品は読者のもの、ゲームはプレイヤーのもの

以前にも書きましたが、作品は読者のものです。作者は単にたまたま作った人にすぎず、作品は作者にとってつねにすでに他者であり、作者はその意味では読者と地位が変わりません。

作者は、作品にとって自分が特権的な地位にいないことを認めなくてはなりません。これは前提であり原則です。もちろん私は自作のデザイナーズノートにおいてそのルールやUIを決めた過程を記述できますが、それもひとつの読解を提供するものにすぎませんし、デザイナーズノートがないと作品の読解ができないわけでもありません。

作者が自作に対して好意的な感想ばかりをよしとし、そうでない感想に対して冷淡な態度をとることは、結局のところ読解という行為への否定であり、作品を自己に従属させようとしているだけです。読者を軽侮し、作品の他者性を蔑ろにしているのです。そうした態度は、必ず作者自身にも同じ扱いとして跳ね返ってくるはずです。

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