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Kaz Tap Studio 第1期PreProコース終了

先日、東京のKAZ TAP STUDIOにて、はじめてのプロ養成コースが6ヶ月の期間をもって第1期が終わりました。最後には、一人一人がこの半年間の成果をソロでみんなの前で発表し、さらには僕も一緒に舞台に上がり一緒に踊りました。
僕にとっても初めてこのようなコースを教えるにあたって、自分自身もみんなと学びながら、レッスンをするだけでなく、ビデオを送りあったり、オンラインでディスカッションをしたりと、ただ踊るだけでなく、感性の部分や今まであまり掘り下げてこなかったことをこの機会にできてとてもよかったです。
イベントが終了した後、スタジオでみんなで輪になって話し合いました。
このコースなまとめとしてみんなに何を伝えようかなと思った時に一つ思い出したことがありました。
それは、僕の祖父が亡くなる前に僕に言ったことでした。

突然おじいちゃんは僕に『いつまでも素人みたいにやるんだぞ』とベッドに寝たまま言いました。

僕の祖父はお医者さんで、エンターテイメントの世界にはまったくいませんでしたが、歌うことがとにかく好きでした。
テレビの『のど自慢大会』に応募して、オーディションに落ちてトボトボと帰ってきた姿が忘れられません笑
田舎の方に住んでいましたが、毎年かかさず年末の第九には参加し、晩年はずっと最年長で歌い続けていました。

そのおじいちゃんが、『素人みたいにやれ』と言ったのは、とても意外でした。(あまり、タップについても深く話したことがなかったので)

あの時なぜおじいちゃんは突然そんなことを言ったのか、たまにふと思い出すことがあります。
その時にはわかりませんでしたが、きっと言いたかったことは、
『ずっといつまでも楽しみ続けるんだよ』
ということを伝えたかったのかなと想像します。

僕たちはみんな「プロ」ということを目指し、その言葉にとらわれ過ぎるがゆえに大事なことを忘れてしまうような気がします。
そもそも僕たちはなぜ踊るということを選んだのでしょうか?
本当はただただ踊ることが好きで楽しくてここまでやってきたのではないでしょうか?いつのまにかその喜びは、違う意味のことへと変化していってしまい、自分自身を表現する喜びを失っては本末転倒なのです。

おじいちゃんは僕の公演に来ると、演目中でもたった一人で
『カモ〜〜ンベイビ〜〜〜!』
と声をあげてくれました笑 (他のお客さんをも笑顔にする力がありました笑)

たった一度だけ、地元での公演で突然、おじいちゃんを舞台にあげたことがあります。その時はおじいちゃんが好きな『与作』を歌ってもらい、バンドが演奏し、僕が踊りました。
終演後、先に言っておいてくれれば万全に準備しておいたのになあ、とおじいちゃん、自分の出来に納得いかない様子でした笑

最近は自分の公演でも何かが足りない、、と思っていましたが、
あの『カモーンベイビー!』がなかったんだなと気づきました。

『いつまでも素人みたいにやれ』
プロコースと銘打って、なんのことやらわからない言葉に聞こえますが、
僕にとってはいつも心に持ち続けていることです。

初めてタップシューズを履いた時みたいに、変わらず情熱を燃やし続けてられたら、
なんの目的もなくただただ自分の『好き!』という気持ちに熱くなり続けることができたらどんなに素晴らしいことでしょう。
きっとアメリカのタップマスターと呼ばれるタップダンサー達もまた、そのようなエネルギーを持ち続けることができたからこそ、あのように純粋に人を感動させることができたのではないでしょうか。

僕が出会ってきたマスターと呼ばれる人たちは誰一人、自分は『プロだ』ななど自称することもなく、人と比べることや勝敗に価値観をおかず、
みんなタップがただただ好きで(壮絶な差別をくぐり抜けながらも)、タップを踊り続け、与え続け、その結果、人々に尊敬され、マスターと呼ばれるように長い長い年月をかけてなっていったのだと思います。
タップダンスとは、そいうものなのだと思います。

このコースを通して、教えることで僕も学び、これからを目指すみんなの姿勢から自分自身も感化されることが多々ありました。自分が先生たちから、沢山のことを享受してきたように僕もみんなに与えることができるならそれは僕にとっての喜びなのです。
そしてこれから第2期の募集、そしてプロを目指す方々に限らず、タップをより深い視点で学びたいという方々とベーシックコースというコースも新たに作ろうと思っています。

全ては、ただただ深く深く楽しんでいくために。
どうぞ、今後とも宜しくお願い致します。

以下、第1期の生徒たちからコースを終えてのメッセージです!
希望あふれるみんな。みんなのタップから僕も刺激をもらいました。ありがとう。またスタジオで!(PS.ここから長いです)
(PPS>なお、これらは個人の感想であり、コースの効き目を確約するものではありません笑)

臼井里奈
普段のレッスンでは教えてもらえない、マスターの話やインプロのアプローチ方法、音楽についてなど、興味深いことを沢山教えていただき、感謝でいっぱいです!もっと音楽が好きになったし、もっとタップが好きになりました!
この7人で半年やってきて、みんなのタップが明らかに変わったなと感じ、それに対してもすごく刺激を受けました。
私はインプロが苦手で自信がなかったのですが、今はもっと挑戦したい気持ちが大きくなりました。1人でスタジオに入っても不完全燃焼でもやもやーとすることが多かったのですが、ここ最近は1時間でも汗だくで、MAXで練習できるようになりました!
ソロで1曲踊ることも初めてでしたし、あんなにソロが盛り上がるアカペラも初めてで、貴重な挑戦をさせていただき嬉しかったです!教えていただいたことや昨日の反省点を活かして、今後は色々セッションに参加したり、これから更に練習に励みたいと思います!!

利根川鈴美
私もタップの技術以外の学びがたくさんありました。音楽に対しても歴史に対しても一つ一つの音に対しても向き合い方がとても甘かったと痛感しています。
本番はお客さんの空気も暖かく、失敗を恐れずに踊ることが出来ました。学んだことを自分のものにして本番で活かすことはまだまだ出来ない部分もありましたが、このコースを受ける前にはなかった感覚の変化が確かにあります。また、今まで練習しようにも、どうすればいいか分からなかった部分も、今は何を大切にどうアプローチしていけばいいかが少し分かったので、練習の仕方から変えていきたいと思っています。
レッスンから本番まで、改めてタップと向きあう貴重な経験をさせて頂き、本当にありがとうございました。これからも学び続けたいし、もっともっと挑戦していきたいです。
参加したからこその気づきが沢山あり、学びに溢れる濃厚な時間でした。

「教わったステップ・振り付けの練習」に終始してきた私にとっては、今までの感覚では全く通用しない難しさを覚えましたが、そこからもう一歩深めることの面白さ、そのアプローチの方法を知ることができました。

また、年齢もバックグラウンドも様々なメンバーが集まっていたので、それぞれにとってのTAPの位置付けや日々感じていることを知れる機会があったのも、とても興味深かったです。

何よりこの半年間、それぞれの「可能性」を引き出そうとひとりひとりに向き合ってくださったこと、感謝の気持ちでいっぱいです。カズさんをはじめ講師の皆さまから、その本気さを感じ、なんとかその想いに応えたいという一心でした。

課題だらけですが、ここでの経験・気づきを大事に、より一層練習していきたいと思います。

素晴らしい機会をいただき、
本当にありがとうございました!!

二ツ森絢子
半年前は踊ることに対しての意識が漠然としていて、自分が今何をしたいのか、という部分まで踏みこめていなかったと思います。ただ身につけたステップを、どう組み合わせて外に見せようかという事ばかり考えて踊ろうとしていましたが、今回のコースを通して、まず純粋に音楽にのることに意識を向けたいと感じるようになりました。
そのためには音楽をしっかり聴くことや、音楽の歴史だったりバンドの構成を知ることも必要で、同時に自分の出す音色や選ぶグルーヴにもこだわっていくことも大切で、と沢山気付かされましたが、やはり実践することはまだ難しいです。これからそれが自分の中で自然になるように、繰り返しトライしていきたいと思います。
とにかく、音と踊ることに対して新たな発見の多い時間でしたが、その発見を、自分を表現するタップに繋げていけるように、踊り続けていきたいです。半年間、多くの学びを本当にありがとうございました。

鉄矢咲絵
もともと「仕事をしながらもタップを続けていきたい」という漠然とした思いはありましたが、どう続けていきたいのか・どうなりたいのか、までは考えていませんでした。上手な方たちをみて、いつか自分もあんな風になりたい、とも思ってはいましたが、あくまでも憧れであって具体的な目標ではなかったことを振り返ると自覚します。
この半年間で、大きく変わったこととして2つ挙げると、
1つは「音楽の聴こえ方」です。
どの楽器も自然と耳に入るようになった感覚があります。これは3月のカズさんのブルーノートに伺った際に最初に感じたのですが、今までになくピアノとベースも聴こえてきました。音楽の中のタップの立ち位置を実践しながら日々考えていたときのことだったので、嬉しい感覚・発見でした。
もう1つは「自分のタップに対しての気持ち」です。
ソロパフォーマンスがあったことで、経験値も技術レベルも周りより圧倒的に足りてないことに、良い意味で吹っ切れた気がします。今の自分でも何かしら表現したり、見た人にハッピーになってもらえたりすることに気づけ、これがあるとないとで今後タップをする上で圧倒的に豊かさが違うなと思えます。もちろん、同時に、もっと基礎練をして上手くなりたい、ひとつ上の段階のタップでみんなとまわせるようになりたい、という気持ちも強くなりました。時間はかかると思いますが、がんばります。
ビビって挑戦しないという選択をしなくて本当に良かったです!もしプロコースに参加していなかったら私は何をしていたんだ?って思うくらい、面白くて濃密な半年でした。ありがとうございました。
おばあちゃんになってもタップをする所存ですので、引き続きよろしくお願いいたします!

斎藤智広
漠然と「もっと良いインプロができるようになりたい」と思っていたものの、どう練習していけばいいのかイマイチはっきりしていない状態で、何か打開したくて今回参加しました。

今回のコースを通して、コンピングや音色の意識、フレーズのチョイスなど想定以上の量・質のインプットができたので、これからは練習と実践の機会をどんどん作って行きたいです。

他のメンバーのアプローチも凄く刺激になって、同じレッスンを受けて全然違うアウトプットが出てくるのが面白かったですね。他の人のタップからもっと盗んでいこうと思いました。

本番は…動画見返すと色々残念なとこあるんですが、とにかく楽しめました!ソロの展開とか感情の持って行き方とか、カズさんのお陰で少しだけ掴めたような気がします。改めてありがとうございました!

政清望音
コンピング、グルーヴ、ソロ、それぞれぼんやりとしていた輪郭がはっきりし、練習方法を知り〜実践の場までいただけたことがまず大変ありがたかったです。
そしてその概念を学んだことでタップの見方が大きく変わり、本番でそれらをシームレスに行き来するカズさんを拝見し圧倒されました。
さらに何よりタップの技術だけでなく、知識や考え方の面でも不足を痛感し、ハッとする場面も多かったです。
個人的にはタップが楽しいだけじゃないことがここ最近多いのですが、ご指導いただいたことをひとつひとつ噛み砕いて、身に入れていきたいと思います。
本当にありがとうございました!

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第2期興味がある方、ベーシックコースに興味ある方是非ご連絡をください!https://www.instagram.com/reel/CfVWGs3jiUd/?igshid=YmMyMTA2M2Y=


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