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京都の野外彫刻 フィールドワーク38

『母子像』

1966年   山本 恪二

山本 恪二 1915-2000年 京都市立芸術大学名誉教授

設置場所 : 京都府立植物園(左京区下鴨半木町) 観覧温室入口前
 台座に作品名と作者名を確認することができたが,制作年が不明で確認することがでなかった。その後植物園の資料から制作年は1966年であると判明した。
若い母親と幼い子どもが戯れているようなポーズで,母に支えられて立ち上がっている子どもを見る母の視線が微笑ましい。平和な日々,心安らぐ時間を見るものに感じさせる。
 この像はコンクリートで制作されているが,劣化が激しく表面に多くの気孔が見られた。日本でコンクリートが彫刻の素材として使われはじめたのは1900年ごろ(明治30年代半ば)からで,もっとも盛んに使われてのは1940年~1960年ごろらしい。戦後に野外彫刻として平和の像が多くつくられた時期がある。この像もそのような戦後の平和をねがう像のひとつとして制作されたのだろうか。